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なぜワクチン接種後に不審死が相次ぐのか[2023.2.19]

なぜワクチン接種後に不審死が相次ぐのか

【記事詳細】Yahooニュース

✍️記事要約

✅ 《遺族たちの証言》なぜ、ワクチン接種後に「容態急変」「吐き気」「頭痛」「脳出血」の不審死が相次ぐのか

約5万人に1人。新型コロナウイルスワクチンを接種したあと、不審な死を遂げた人の割合だ。今年1月17日の時点で、約1億460万人が少なくとも1回は接種を受けた。そのうち1919人が「副反応疑い」の死亡例として国に報告されている。

この1月までに、国に死亡一時金と葬祭料(1人あたり合計4441万2000円)を請求していた遺族のうち、20件について救済措置が認められた。

しかし、ワクチンの安全性を審査する厚生労働省の「副反応検討部会」では、いまだに「ワクチンと死亡との因果関係が否定できない」事例は1件たりとも存在しない―とされている。いわば「ダブルスタンダード」がまかり通っている。

■ 3ヶ月で250件以上の相談が寄せられる「繫ぐ会」

「今回、ごく一部とはいえ救済措置が認められたのは喜ばしいことですが、一方でどこへ相談していいかわからず、泣き寝入りしているご遺族も多い。まだとば口に立ったばかりだと考えています」

こう語るのは、ワクチン接種後に亡くなった人の遺族をとりまとめる「繋ぐ会」を昨年10月に発足させた鵜川和久氏だ。会には3ヵ月で250件以上の相談が寄せられた。

「接種開始から2年近くが過ぎ、肉親の死をようやく冷静に振り返って『やっぱりワクチンと関係があったのではないか』と考える人が増えてきた。これまで『反ワクチンの陰謀論だ』などと揶揄してきた世間の空気も、ようやく変わり始めたように感じます」(鵜川氏)

冒頭の山本さんをはじめ、今回本誌の取材に応じたのも、「繋ぐ会」に参加する遺族である。その証言は、まさに胸をえぐるようなものばかりだ。

■ 「救急車を呼んで」 最愛の妻からの最期のお願い

「すごく頭が痛い……すぐ帰ってきて」

吉田史郎さん(愛知県在住、53歳)は、妻・紀子さん(当時49歳)からの突然の電話に凍りついた。'21年7月19日の昼前のことだ。

「妻は7月15日に1回目の接種を受けたのですが、直後に腕の痛みと微熱が出る程度の軽い副反応しかなく、すぐに普段通りの体調に戻ったはずでした」(史郎さん)

だが急いで帰宅すると、紀子さんはソファにうずくまり、頭を押さえて苦しんでいた。史郎さんが涙ながらに続ける。

「吐き気がするというのでバケツを用意したり、背中をさすったりしていたのですが、すぐに『救急車を呼んで』とお願いされました。もうその時には、厳しかったんじゃないかと思います。どんなに痛くて、苦しかっただろうと思うと……」

電話がかかってくる直前の時間帯、紀子さんは自宅のリフォーム業者との打ち合わせをこなしていた。それからわずか30分あまりで容体が急変し、救急車が到着する前に意識を失ったという。

「病院に着いた時点でかなりの脳出血があり、脳ヘルニア(脳が圧迫されて頭蓋の外へ押し出される状態)になっていた。瞳孔が開いているのを見た医師は『難しい状態です』と言いました」

最愛の妻を、なすすべなく見送ることしかできなかった史郎さんに、医師は「日頃から高血圧だったのでしょう」と言う。しかし紀子さんは健康体で、持病も既往歴もない。ワクチンが関係あるとしか思えない―そう何度も訴えたが、その医師は聞く耳を持たなかった。

■ 「オミクロン株は怖いから」と母がワクチンを打って

大阪府に住む神谷真里さん(40代・仮名)は、68歳で亡くなった母のCT画像を見せられ、息を呑んだという。

「肺に血が溜まって、気管まで溢れるほど真っ白になっていたんです。『昨日まで健康だったのに、急にこんな大量出血を起こして死ぬことなんてあるんですか』と医師に聞くと、こう言われました。

『まず考えられません。外傷があるならあり得なくもないですが、お母さんにはそれもない。断定はできませんが(原因は)ワクチンでしょう』と」

真里さんの母・智子さん(仮名)は'22年11月12日、5回目の接種を受けた。オミクロン株対応型のワクチンである。

「母は大病をしたことはなくて、4回目の接種までは副反応もほとんどなかった。手洗いや消毒をマメにしていたし、私は5回目の接種はしなくてもいいんじゃないかな、と思っていました。

でも母は『オミクロン株は怖いってテレビで言ってたから、絶対ワクチン打たなあかん』と言って聞かなかったんです」(真里さん)

その日は実家で一緒に夕食をとる予定だった。

「ワクチンに買い物に晩ご飯の準備に、ママ忙しいわあ」「ポテトサラダ作って待っとるね」

接種直前の昼に交わしたそんな電話が、最後の会話になってしまった。

■ 「あかん!」と叫んだまま、呼吸が止まっていた

「16時すぎ、先に実家に着いた妹が一緒に夕食の準備を始めた時、母は急に『めまいと動悸がする』と訴え始めたそうです。『ちょっと休むわ』と言ってソファに座ろうとした瞬間、

『あかん!』と叫んで倒れて……妹が駆け寄ると、すでに呼吸が止まっていた。救急車の中で『即死に近い状態だった』と言われて、妹は『あんな近くにいたのに、何もしてあげられへんかった』と泣きじゃくっていました」(真里さん)

冒頭に挙げた山本さんの例もそうだが、女性にはこのように、接種から数時間~数日以内に脳出血や内臓からの出血を起こし、それが直接の死因となるケースが多い。医療過誤を扱う弁護士の青山雅幸氏が言う。

「コロナでは体内の免疫機能が暴走し、重症化することがありますが、ワクチンがそれと同様の症状を引き起こしているのではないかと考えられます。特に自己免疫性の異常で血小板が少なくなると、脳出血などが起こりやすくなる。

なぜ女性に多いのかはわかりませんが、少なくともそれまで健康だった人がワクチン接種直後にこうした出血で亡くなったことを、ワクチンとは無関係と言い切るのは難しいのではないでしょうか」

■ 「死因そのもの」が判然とせず納得できないことも

一方で、死因そのものが判然としないケースもある。医師は「心不全」や「不整脈」「急性心筋梗塞」が死因と言うのだが、納得していない遺族も少なくないのだ。'21年9月に息子の良行さん(仮名)を亡くした、東正秋さん(73歳・埼玉県在住)もそのひとりである。

「9月4日に1回目のファイザー社製ワクチンを打った直後から、息子は『体調がおかしい』と訴えていました。微熱のほかに、首、肩、腰などに痛みとしびれが出て、嘔吐することもあった。当時はそうした症状も接種後2~3日で治るとの情報しかなかったので神経系の不調だと思い込み、整形外科を受診したのです」

当時39歳で持病などもなかった良行さん。いくつか病院を訪ねたが、目立った異常は見つからず、交際相手の女性には「自律神経失調症かも」と漏らしていた。

体調が回復しないまま3週間が経過し、2回目のワクチン接種の予定日がやってきた。良行さんは受けるかどうか迷ったが、当時はなかなか接種予約が取りづらかったことや、「職場に迷惑をかけるわけにはいかない」という義務感もあって、受けることに決めたという。

「9月25日、息子は足のしびれを我慢して接種会場に向かいました。その日の夜に38度近い熱が出ましたが、翌朝に彼女が電話したときには『もう熱は下がった』と言い、元気になった様子だったそうです」(正秋さん)

翌々日の27日には、外出ができるほどに回復した。ところが28日、良行さんと連絡がつかなくなる。交際相手の女性が勤め先から電話やメールをしても、反応が全くないのだ。

■ 「41.5度の体温計」を机に残し、亡くなった彼女

夜になって女性は警察に連絡、正秋さんの妻も呼び出されて良行さんの部屋へと向かった。午前3時、警察がようやく鍵を壊して室内に入ると、良行さんは事切れていた。

「すでに死後硬直が始まっている状態で、その場で死亡が確認されました。机の上に置かれていた体温計には、41.5度と表示されていた」(正秋さん)

ワクチン接種で亡くなったと考えた。だが、検死の結果は「致死性不整脈の疑い」。正秋さんらは当然、納得できなかった。

良行さんのような事例について、神戸市のナカムラクリニック院長・中村篤史医師はこう言う。

「コロナワクチンが血栓を誘発する可能性があることは、厚労省やメーカーも認めています。一方で強い倦怠感など、いわゆる不定愁訴のような症状を訴える人もいますが、そうしたケースはワクチンによる健康被害だとは証明しづらい。

ワクチンと死亡の因果関係がなかなか認められないのは、こうしたメカニズムが判然としない事例が多いせいもあるでしょう」

■ 問合せには「たらい回し」 最終的には「個人の判断」

前述した通り、'22年7月以降、国は「副反応疑い」で死亡した20人の遺族に対して救済措置を講じた。しかし、その20人が他の1900人近い死者とどのような点で異なるのか、救済を認める基準はどこにあるのか、そして何より、コロナワクチンの副反応をどのように考えているのかについて、はっきりとした見解を示してはいない。

本誌記者が厚労省へ問い合わせると、さんざん部署をたらい回しにされた挙げ句、健康局健康課予防接種室の職員が「うちはワクチンの安全性に関する業務が担当で、副反応は本来、また別の部署なのですが」と前置きして、このように話した。

「救済措置をとるか否かの審査は、ワクチンそのもの(の安全性などを検討する会議)とはまた別の専門家会議で検討していて、両者は無関係です。安全性を見ている会議では、おおむね4週間ごとに専門家に検討していただいて、今のところは『接種を止める必要はない』と判断いただいています。

そもそも予防接種というのは、体に異物を入れて免疫を付与するものですから、一定程度の副反応が起きることは『織り込み済み』なのです。100%安全とは言い切れないものであって、あくまでリスクとベネフィット(利益)を比較した時に、ワクチンの健康被害を上回る感染予防効果があるということです。

私たちとしては、副反応があることもご理解いただきながら、最終的には個々人で判断いただくという姿勢で、全体的に『推奨』しています」

ワクチンを打って救われる命のほうが、ワクチンで失われる命よりも多い。だから接種するべきだ―厚労省の担当者が口にしたこの理屈は、正しいのかもしれない。しかし、自分の肉親がワクチンの犠牲になったときにも、同じ論理を貫き通せる人はどれほどいるだろうか。

「5万人に1人」 ~確率は小さくても~

今回、証言を寄せてくれた遺族が共通して口にしていたことがある。それは「ワクチンをことさらに危険視したり、否定したいわけではない」ということだ。前出の東正秋さんはこう語る。

「私自身、息子を亡くすまではワクチン接種を推進するべきと思っていました。今でも、ワクチンで救われている命がたくさんあることは分かっています。でも、やはり肉親を失うと、どんどん打つべきだとは言えないというのが素直な思いです。

ワクチンで命を落とす人は、確率は小さくとも必ず出てしまう。それは仕方がないとしても、問題は、国も医療者も私たちのような遺族の声を真剣に聞こうとせず、補償には後ろ向きで、ワクチンのリスクを訴えることを『デマ』と言う向きさえあることです。

ワクチンを打つ人は、メリットも危険性もよく理解し、体調を万全に整えてからにしてほしい。それが息子の残してくれた教訓だと思っています」

5万人に1人―この確率を大きいと考えるか小さいと考えるかは、判断の分かれるところだ。しかし厳然と、ワクチンによって失われる命は存在する。一人一人がその重みに改めて目を向け、噛み締めるべき時が来ているのではないだろうか。

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