スウェーデンの天才が語る「スマホ」真のヤバさ
⭐︎記事要約⭐︎
スウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセン氏※によれば、人間の脳は本来的に1つのことにしか集中することができず、マルチタスクに向いていないという。複数の作業を同時にこなしていると思っていても、実際にやっていることは作業の間を行ったり来たりしているだけだとのこと。
※ハンセン氏は、ノーベル賞選定で知られる名門カロリンスカ医科大学を卒業後、ストックホルム商科大学にて経営学修士(MBA)を取得したという異色の経歴の持ち主。
マルチタスクができるのは人口の1~2%
マルチタスクが苦手な人ばかりではない。現実には、並行して複数の作業をできる人を「スーパーマルチタスカー」と呼ばれている。このような特質をもつのは、人口の1~2%だと考えられている。つまりそれ以外の大多数の人の脳はそんなふうには働かない。余談だが、基本的に女性のほうが男性よりもマルチタスクに長けているそうだ。
大学生500人の記憶力と集中力を調査すると、スマホを教室の外に置いた学生の方が、サイレントモードにしてポケットにしまった学生よりもよい結果が出た。学生自身はスマホの存在に影響を受けているとは思ってもいないのに、結果が事実を物語っている。ポケットに入っているだけで集中力が阻害されるのだ。
ポケットの中のスマホが持つデジタルな魔力を、脳は無意識のレベルで感知し、「スマホを無視すること」に知能の処理能力を使ってしまうようだ。その結果、本来の集中力を発揮できなくなる。よく考えてみると、それほどおかしなことではない。ドーパミンが、何が大事で何に集中すべきかを脳に語りかけるのだから。日に何百回とドーパミンを放出させるスマホ、あなたはそれが気になって仕方がない。
スマホの魔力に抗うために脳が全力を尽くしていると、他の作業をするための容量が減る。それほど集中力の要らない作業なら大きな問題にはならないだろう。しかし本当に集中しなければならないときには問題が起きる。
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