“ミライモンスター”松本圭佑が日本フェザー級新王者 父・好に
✍️記事要約
◆プロボクシング 「ダイヤモンドグローブ」▽日本フェザー級(57・1キロ以下)王座決定戦10回戦 〇同級2位・松本圭佑 (判 定) 同級1位・佐川遼●(18日、東京・後楽園ホール)
日本フェザー級王座決定戦は同級2位の“ミライモンスター”松本圭佑(大橋)が、元日本王者で同級1位・佐川遼(三迫)に判定勝ち。新王者に輝いた。松本は父の好二・大橋ジムチーフトレーナーに続く、史上4組目の父子二代での日本王者に。父子同階級での頂点は史上初の快挙となった。
戦績は23歳の松本が8戦全勝(7KO)、29歳の佐川が12勝(7KO)3敗。
速いジャブと強い連打でペースをつかんだ松本は、中盤で元日本王者の反撃に遭ったものの、足を使うアウトボクシングを駆使。バックステップで相手の攻撃をかわしながら、高速ジャブや右強打でポイントを重ねた。ダウンこそ奪えなかったが、99―91、99―91、98―92の3―0の快勝。連続KO勝ちは7で止まったものの、プロ8戦目でついに日本の頂点に立った。
「今まで一番しんどかった。点差以上に苦しかったと思う。アップの時はキレがあったけど、力みもあって…。でも、大橋(秀行)会長や父、尚弥さん、拓真さんたちからハッパをかけてもらって力みも取れて、冷静にもなれた。小さい頃から憧れていたベルトが取れてうれしかったし、ホッとしている」
アマ80勝(30KO・RSC)15敗。東京五輪の夢が破れると大学を中退してプロ転向した松本は、20年8月に4回TKO勝ちデビューを飾ると、ここまで7連続KO勝ちを続けてきた。フジテレビ系「ミライ☆モンスター」などでたびたび紹介されているホープは、同じジムの先輩で前バンタム級世界4団体統一王者・井上尚弥やWBA世界バンタム級新王者の拓真らのスパーリング相手なども務めて、レベルアップを図った。今回も井上兄弟や兄弟の練習相手として来日したメキシコ人選手らと実戦練習を積み、メキシコ人トレーナーからフットワークも教えてもらったという。「足を使うのは練習してきたこと。練習はウソをつかなかった」と松本は満足そうに笑った。
父の好二氏は元日本&東洋太平洋フェザー級王者で、現在は大橋ジムでチーフトレーナーを務める。父子二代での日本王座獲得は野口進(ウエルター級)・恭(フェザー級)、カシアス内藤(ミドル級)・律樹(スーパーフェザー級)、寺地永(ミドル級)・拳四朗(ライトフライ級)に続く4組目だが、父子が同じ階級で獲得したのは史上初。だが、松本は「父とベルトの肩書きは並べたけど、内容はまだ劣っている。スタミナがおれかけたのは課題だが、それは改善できる。まだまだ成長できると思う」と言葉に力を込めた。
松本が子供の時から知っている大橋会長は感慨もひとしお。「子供の時にボクシングに誘ったけど、断られた。ヘラクレスオオカブトをやるからと言っても」と苦笑いしたが、「井上兄弟のパートナーも務めている。3、4回で倒せると思った」と絶対の自信を持って送り出したという。次戦については「これから話し合う」というが、同級4位のオイコラ(平仲BS)との指名試合が有力。松本は「これからは追われる立場だけど、まだまだ力があるというところを出していきたい」と意欲を見せた。
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