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一流の人ほど「睡眠に投資する」超合理的な理由とは[2023.5.5]

一流の人ほど「睡眠に投資する」超合理的な理由とは

【記事詳細】東洋経済オンライン

✍️記事要約

✅ 一流の人ほど「睡眠に投資する」超合理的な理由 体内時計が狂うと夜中トイレに起きてしまう

「徹夜すれば間に合う」と思って、ギリギリまでがんばる癖がついてしまっている方も多いのではないでしょうか。次の日を乗り切れれば大丈夫と思ったら、どうもそうはいかないようです。これまで2万人以上の睡眠の悩みを解決してきた睡眠専門医・白濱龍太郎氏の最新刊『ぐっすり眠る習慣』から、効果的な睡眠習慣について一部抜粋・再編集してお届けします。

■「バタンキュー」は脳の悲鳴の証

 仕事ができて責任感の強い人ほど、ハードワークをして、つい睡眠時間を犠牲にしてしまいがちです。
 それでも体力があれば、問題なく毎日過ごせてしまい、雪だるま式に仕事の量も増えていくでしょう。

 そうなると、あとは時間の問題です。

 いつの間にか自分の時間がなくなっていきます。

 そしてある日、取り返しがつかないほど疲れがたまって動けなくなってしまった、ということになりかねません。

最新の研究で、不眠症など睡眠の問題を自覚していない人でも「毎日約1時間」の潜在的な睡眠負債があるということが明らかになりました。睡眠負債とは、身体に蓄積された睡眠不足のことをいいます。
 この潜在的な睡眠負債を解消するためには、一時的な「寝だめ」では足りず、9日間連続して十分な睡眠をとらなければならないということがわかっています。

 ただでさえ睡眠時間が足りていないのに、そのうえ徹夜などしてしまっては、まったく回復のめどが立たなくなってしまうのは言うまでもありません。

 ちなみに、徹夜明けの翌日、「バタンキュー」で寝てしまうのは問題です。

 これは、寝つきがいいのではなく、睡眠負債がたまりすぎで、脳が悲鳴を上げている状態。そのまま脳がシャットダウンしたようなイメージです。
 決してぐっすり眠れていることとイコールではないのです。

 「プレゼンティーイズム」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

 「病欠」を示す「アブセンティーイズム」に対して、プレゼンティーイズムは日本語で「疾病就業」と訳され、「出勤しても、頭や身体のなんらかの不調のせいで本来発揮されるべきパフォーマンスが低下している状態」のことを指します。

 睡眠負債がたまっていくと、体内時計が狂うことでこのプレゼンティーイズムに陥り、集中力が低下してつまらないミスをしてしまうなどパフォーマンスを著しく低下させることがわかっています。

このプレゼンティーイズムによって、全米では年間約1500億ドルもの損失が出ているといわれています。

 2016年に発表されたアメリカのシンクタンク・ランド研究所の調査によると、プレゼンティーイズムによる日本の経済損失は、なんと1380億ドル(約18.3兆円)にも達しているとのことです。

 少し前までは、成功者にはショートスリーパーが多いといわれてきましたが、それも近年見直されています。生粋のショートスリーパーはほとんどいないといわれているのです。
 実際に、3時間睡眠だったとされるナポレオン・ボナパルトも、近年の調査によると、実は日中に昼寝や仮眠をとっていたという説が出ています。

 一方で、Amazon創業者のジェフ・ベゾスは「8時間眠ると1日ずっと調子よく過ごせる」と語っています。また、AppleのCEOであるティム・クックは7時間睡眠といわれています。さらにMicrosoft創業者のビル・ゲイツも、7時間睡眠です。

 世界的に有名な経営者の多くは、忙しいなかでもしっかり睡眠時間を確保しているのです。
■体内時計が狂うと、糖尿病のリスクが3倍になる

 一度でも体内時計が狂ってしまうと、すぐには元に戻りません。

 「疲れながら、流されながら生きている」という状態になってしまいます。

 体内時計がしっかり働いてくれれば、夜は抗利尿ホルモンがたくさん分泌され、眠っているあいだ尿をつくるのを抑制してくれます。

 ところが、体内時計が狂うと抗利尿ホルモンの分泌が抑制され、夜中も日中と同じように尿がつくられるため、トイレに起きてしまうようになるのです。
 そうなれば、ますます眠りが浅くなってしまいます。

 深く眠ることができなくなると、糖尿病や動脈硬化などの心血管系疾患にもかかりやすいことも明らかになっています。

 現に、血糖値の上昇が抑制しきれなくなることにより、睡眠時間が5時間以下の男性で、糖尿病の発症率が3倍にも上昇することが発表されています。

 さらに、体内時計が乱れると、眠気をもたらすメラトニンというホルモンが十分に分泌されなくなります。

 このメラトニンには、自然な眠りを誘う作用以外にも、さまざまな病気の原因となる活性酸素を消す働きや、がん細胞の増殖を抑制する働きがあるといわれています。

体内時計のリズムが乱れがちな夜勤の人は、がんの発生率が3倍というデータもあるのです。

 そもそも、メラトニンは加齢によって減っていきます。

 それはつまり、年をとると「眠りにくくなる」「深く眠れなくなる」ということです。

 メラトニン分泌量のピークは、思春期に入る前の9~10歳くらい。これが20歳前後になるとピークの約半分、30歳前後では4分の1ほど、40代に入ると6分の1以下にまで減少してしまいます。
 体内時計も加齢にともなってずれやくなるため、40歳以上の方は、とくに徹夜厳禁といえます。

■世界一の選手も実践する「睡眠ファースト」思考

 そこで提案したいのが、「睡眠ファースト」という考え方です。

 ふだん、日中のことを中心に予定を立てて、睡眠時間は「調整代(しろ)」のようにしている方が多いかと思います。

 しかし、「睡眠ファースト」はそれを逆転させ、1日のスケジュールで最初に睡眠時間を決め、そこからほかの予定を立てるという考え方です。
 これは、大谷翔平選手も実践しており、インタビューで「いつ寝るかの準備を計画的にやる」と語っています。

 このように、睡眠を起点に考えて自分のパフォーマンスを発揮する環境を整えることを、私は「睡眠投資」と呼んでいます。

 毎日ぐっすり眠れれば、起きている間ずっといいコンディションでいられるため、生産性が格段に高まります。

 1日のなかで連続したもっとも長い時間を占めるものが睡眠であり、睡眠時間次第でほかの活動のリズムも決まりますから、とても賢明なスケジュールの立て方といえるのです。
 もし、どうしても翌日までにやらなければいけないことがあるときは、夜に粘るのではなく、いつもどおりの時間に寝て、早く起きましょう。

 つまり、遅くまで仕事をして朝方に眠るのではなく、いつもどおりの時間に就寝して3~4時間だけ眠り、早く起きて仕事をする、ということです。

■心身の健康を維持する最低限の「4時間」

 眠っている間に細胞の修復を行ってくれる成長ホルモンは、「眠りはじめの4時間」に出ることがわかっています。

この最初の4時間だけでも確保できれば、心身の健康を維持する最低限の睡眠を確保することは可能です。

 さらに、起きてから時間が経てば経つほど脳の働きは鈍くなるので、夜中に粘って作業することはとても効率が悪いのです。

 また、「こまめに睡眠時間を調整する」ということも有効です。

 たとえば、1時間睡眠を削ってしまったら、翌日はちょっとでも早く帰り、不足した1時間の睡眠を取り戻すこと。つまり、プラス1時間長く眠るのです。
 これでプラスマイナスゼロになります。

 同じように、週の前半で連続して睡眠時間が不足したら、週の後半にちょっとだけ長寝して調整しましょう。

 15分程度の昼寝もパフォーマンスアップに効果がありますので、ぜひ積極的に取り入れてみてください。

 連休もあり、気候もよくて眠りやすい5月こそ、睡眠を見直すチャンスです。

 この機会に、ぜひいい睡眠習慣を身につけ、自分の能力を最大限に発揮できる毎日にしていきましょう。

  ◇   ◇   ◇

☘️ヤフコメ❗️ピックアップ☘️

✅ 本当にこれは幼児期から特に子供は大切と実感しました。規則正しい時間に寝て起きる。大人になって始めようとすれば困難に等しい。
寝る子は育つ。社会に出た子供達を見ていると笑える程に力を発揮しているのが解る。私達親もそうですが身に付く勉強以上の力を発揮できる睡眠という規則正しい時間は多少ズレても力が後々解る。
✅ もし少し体調悪いかなと思っても、ぐっすり寝れば大抵は回復し元気になる
自分は健康で歯医者以外は学生の頃から行きませんが、どこでもすぐに寝れるのが健康な理由は睡眠かなと思う
電気を消して数秒後には寝てしまうし、目覚めたらすぐ頭も体もスッキリ
旅行に誰かと行くとあまりの寝る速さに驚かれる
✅ おふとん屋さんで仕事をし始めてから 自分の寝具を見直しました。
それまで聞いたこともなかった体圧分散ができるマットに買い替えたら 毎日起きたときとか痛かった腰が 楽になったりして整体に行く回数が減りました。
寝具1つでこんなに変わるのかと 驚きましたが正直もっと早く知りたかった。
眠れたら何でも良いと思っていた頃使っていた布団では 味わえなかった熟睡もできるので 寝にくい人は おふとん屋さんに相談してみてください。きっと予算にあった楽なのを教えてくれるはずですよ。

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