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世界で広がる新変異株 日本では?[2022.10.23]

世界で広がる新変異株 日本では?

【記事詳細】Yahooニュース

✍️記事要約

✅ 世界での新たな変異株の状況 シンガポールで広がるXBBや、欧米で広がるBQ.1は日本でも広がるのか?

第7波を経て、新型コロナの新規感染者数は下がり止まり横ばいとなっています。これまでの流行では、新しい変異株の流入が関与することが多かったですが、現在海外ではどのような変異株が出てきているのでしょうか。

オミクロン株が世界に現れたのが2021年11月であり、約1年経過した現在もオミクロン株の亜系統が99.9%を占めており、オミクロン株以外の系統の変異株はほとんど見つかっていません。
日本では、第6波が起こった2022年1月頃からオミクロン株BA.1が主流となり、その後BA.2に置き換わり、第7波の初期からBA.5に置き換わっています。
世界的にも、未だ検出される新型コロナウイルスの7割以上がBA.5系統という状況です。

■オミクロン株の様々な亜系統が出現し、一部の国で拡大
一方で、例えばアメリカではBA.5の割合が徐々に減少し、BA.4.6、BQ.1、BQ.1.1、BF.1などのオミクロン株の亜系統の割合が増加してきています。
アジアではBS.1系統の検出例が増えており、またインドやシンガポールなどの国ではXBBという組換え体が広がってきています。

おいおい、今までは『BAなんとか』だったのに、急にQとかFとかSとか、しまいにはXBBって・・・一体どうなってるんだよ・・・もう訳わかんねえよ・・・

という読者の皆さまの心の声が聞こえてきます。
おっしゃるとおり、もはや覚えきれない状況ですね。
それぞれの変異株は、決まったルールによって命名されており、系統を表す小数点が3を超えると新しいアルファベットが付く、ということになっていますが、ま、あまり細かく覚える必要はありません。
これらの新たに広がっている変異株は、R346、K444、V445、G446、N450、L452、N460、F486、F490、R493といった共通の部位に変異を有しているものが多く、BA.5よりもワクチン接種や過去の感染による免疫から逃れて感染する免疫逃避能が高くなっていると言われています。
この中でも、特にBQ.1とXBBは免疫逃避の傾向が強いようです。
つまり、これらが日本国内でも広がる可能性がありそうです。

■組換え体XBBとは?
なおXで始まる変異株は組換え体を表しており、XBBはBJ.1とBM.1.1.1の組換え体です。
組換え体は、2種類以上の変異株に同時に感染することで、感染者の体内でそれらの遺伝子が混ざり合って発生するものです。
新型コロナウイルスはヒトだけでなく動物にも感染することがあるため、動物の体内で組み換えが起こることもあります。
複数の変異株が同時に流行している状況下における新型コロナウイルスの組換えは珍しいことではなく、新型コロナウイルス感染症の流行が始まってから、いくつかの組換え体が確認されており、これまでもデルタ株とオミクロン株との組換え体であるXD、XF(通称デルタクロン)やBA.1とBA.2との組換え体であるXEなどがありました。
しかし、これまではこれらの組換え体が他の変異株よりも感染力が強く拡大したという事例はありませんでした。

XBBは2022年8月にインドで見つかった組換え体ですが、現在シンガポール、インド、バングラデシュなどでこの組換え体の検出数が増加しています。
特にシンガポールでは、保健省のデータによると新型コロナの感染者のすでに約半数がXBBによる感染例と推定されています。シンガポールではケンタウロスと呼ばれるBA.2.75よりも広がる勢いが早く、BA.5よりも20%以上広がるスピードが速いと解析する専門家もいます。
また、ワクチン接種後にBA.5に感染した人でもXBBに対する十分な中和抗体は産生されていないという実験室での研究が報告されており、過去にワクチン接種をし、さらにオミクロン株に感染した人でもXBBには感染するかもしれない、ということが懸念されています。
実際にワクチン接種率も高く2022年以降オミクロン株による感染者が急増したシンガポールでも再感染例がこれまで以上に増えており、新たに感染した人の17%が過去に感染したことのある人の再感染の事例とのことです。
現時点ではシンガポールでは、このXBBの感染者の増加と時期を同じくして感染者数が増えているものの、重症例が増えているという状況ではないようであり、このXBBがこれまでのオミクロン株と比べて重症化しやすいという報告はありません。
新たな変異株は日本でも広がるのか?
日本でもすでに検疫でXBBによる感染例が見つかっていますが、まだ国内からは現時点では見つかっていないようです。
一方、前述のBQ.1については検疫だけでなく国内からもすでに検出されており、今後国内で増加していかないかサーベイランスで監視する必要があります。
いずれにせよ、現在日本は検疫体制を緩和しており、海外から日本国内に新たな変異株が持ち込まれるリスクはこれまで以上に高くなっています。
私達一人ひとりができることに大きな変わりはありません。
こまめな手洗い、屋内でのマスク着用、会食時は少人数で短時間にとどめてできる限りマスク会食で、といったこの3年間で身についた基本的な感染対策をしっかりと続けていきましょう。
また、現在広がりを見せている変異株は全てオミクロン株の亜系統であることから、効果の程度に差はあると思われるものの、オミクロン株対応ワクチンによる感染予防効果は従来のmRNAワクチンよりも高いと考えられます。
次の流行に備えて、ぜひワクチン接種をご検討ください。

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