世界の富裕層が実践している誰でもできるシンプルな「投資の大原則」とは
✍️記事要約
2024年1月からついに開始される「新NISA」。この機会をきっかけに投資をはじめてみようと考えている人も多いのではないだろうか。そんな新NISAは、実は初心者が投資をはじめるのに最適な制度と言える。だが、落とし穴がないわけではない。目先の利益に執着してしまったり、経済の動向を見て焦って投資をやめてしまったりする人も少なくない。
このような課題を解決するために発刊されるのが『新しいNISA投資の思考法』だ。本書はこれまで37万人の資産運用を見続けてきたウェルスナビ・CEOの柴山和久氏が投資に必要な考え方を1冊にまとめたまさに決定版だ。本記事では書籍の発売に先行して本文の一部を抜粋してお届けする。
● 初心者が知っておきたい投資の大原則
資産運用をこれから始める方に、最初に取り組んでいただきたいのが「長期・積立・分散」の資産運用です。「長期・積立・分散」は、世界の富裕層や、100兆円規模の大きなお金を動かす機関投資家などが実践してきた、最もスタンダードな投資の方法です。
機関投資家というのは、個人や企業から集めた大量の資金を使って、株式や債券などで運用をする、いわば資産運用のプロです。たとえば老後の大切な年金を運用する年金基金なども、機関投資家に当たります。
世界の富裕層や機関投資家と聞くと、自分とは縁のない世界だと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。いまは普通の個人でも、富裕層や機関投資家と同じように、「長期・積立・分散」の資産運用を実践できるようになっています。
私は、2015年にウェルスナビを起業しました。起業前には、コンサルティング会社のマッキンゼーで、ウォール街に本拠を置く資産規模10兆円の機関投資家をサポートしていました。
世界水準の資産運用の仕組みを構築するプロジェクトに携わる中で、気づいたことがありました。資産運用のアルゴリズム(複雑な数式の組み合わせ)は、資産の規模にかかわらず同じものが使えるということです。運用する資産が10兆円でも1億円でも1万円でも、運用の考え方も数式も同じです。当てはめる数字(資産の額)が違うだけです。それが「長期・積立・分散」の資産運用でした。
● 投資の大原則「長期・積立・分散」とは?
「長期・積立・分散」とは、
①できるだけ長い時間(少なくとも10年以上)投資を続ける
②一定の金額を決まった間隔で投資する
③世界中のさまざまな資産に分けて投資する
方法です。
実際に、世界最大規模の運用資産を持つノルウェー政府年金基金など、多くの機関投資家や富裕層が「長期・積立・分散」の資産運用を行い、長期的に高いリターンを上げています。
「長期・積立・分散」を続けるとどうなるのか、1992年から2022年まで、30年運用を続けた場合のシミュレーションを見てみましょう(世界の基軸通貨であるドル建で、まず最初に1万ドルを投資して、その後、毎月300ドルを積み立てた場合のシミュレーションです)。元本に対して、資産は約3・2倍に成長していました。
ただし、30年のシミュレーションをよく見ると、資産はずっと増え続けていたわけではありません。一時的に減っている箇所がいくつかあることがわかります。ですが、「長期・積立・分散」をすることで、最終的には資産を増やすことができています。
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☘️ヤフコメ❗️ピックアップ☘️
✅ 投資を始めた直後はどうしても含み損を生じやすい。その上、経験がないから不安になってすぐに売ってしまいがち。一度買ったら天変地異でも起きない限り売らない決心さえあればよい。
✅ 個別株でも財務体質がよくて、よほどの高値で買わない限りは、長い目で見ればプラスになります。いかに含み損のときでも不安にならない会社を見つけるか、ですね。