今年の出生数 初の70万人割れか
✍️記事要約
今年1年間の出生数が初めて70万人を割る公算が大きくなった。厚労省が5日公表した人口動態統計(概数)によると、2024年上半期(1~6月)に生まれた赤ちゃんの数は、前年同期比6.3%減の32万9998人にとどまった。外国人は含まない。価値観の多様化で未婚・晩婚傾向が進んだことに加え、新型コロナ禍で結婚や出産を控える人が増えたことが少子化に拍車をかけたとみられる。
政府は「30年代に入るまでが少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンス」として「次元の異なる少子化対策」を推進。児童手当や育児休業給付の拡充などを打ち出している。
上半期の死亡数は前年同期比1.8%増の80万274人。出生数と差し引きした自然減は47万276人。婚姻数は0.8%増の24万593組。
昨年1~6月の出生数の概数は35万2240人で通年では72万7277人だった。
厚労省が24年8月に発表した人口動態統計の速報値(外国人を含む)によると、24年1~6月の出生数は35万74人で、前年同期比5.7%の減少だった。
■英訳
The number of births this year is likely to fall below 700,000 for the first time. According to preliminary demographic statistics released by the Ministry of Health, Labour and Welfare on the 5th, the number of babies born in the first half of 2024 (January to June) was 329,998, a decrease of 6.3% compared to the same period last year. This figure excludes foreign nationals. The declining birth rate is attributed to an increase in people delaying or avoiding marriage and childbirth due to the diversification of values, as well as the impact of the COVID-19 pandemic.
The government sees the period before the 2030s as the “last chance” to reverse the declining birth trend and is promoting “unprecedented measures” to address the issue, including expanded child allowances and childcare leave benefits.
The number of deaths in the first half of the year was 800,274, up 1.8% from the same period last year, resulting in a natural decrease (deaths minus births) of 470,276. Marriages increased by 0.8% to 245,093.
The preliminary number of births from January to June last year was 352,240, with a total of 727,277 for the year.
According to a preliminary report including foreign nationals, released by the Ministry of Health, Labour and Welfare in August, the number of births from January to June 2024 was 350,074, down 5.7% from the same period last year.
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☘️ヤフコメ❗️ピックアップ☘️
すでに子どもがいる世帯にとっては恩恵があっても、未婚で子どものいない若い世代にとって、現在の少子化対策は、婚活や妊活のインセンティブ(動機づけ)にはなっていない。
手取り所得を増加させて経済的な不安を取り除くなど、未婚で子どものいない若い世代に対する支援策を拡充しない限り、30年代に入るまでに出生数を反転させることは難しいだろう。
✅ 教育現場にいる者として一言コメントをします
現在の高校生は一学年100万人を少々上回るくらいいますが、これがほんの10数年で70万人割れとなると急激に3割も高校生が消失してしまいます
現在でも少子化の進行で多くの高校は定員確保が厳しい状況となっています
今後のことを考えると3校に1校はいらない計算にもなります
一体全体どうなっていくのか、私学は閉校の危機も当然考えられ、公立は統廃合が一気に加速するのではないでしょうか
現在教師不足も問題となっていますが、皮肉なことに少子化である程度解消されてしまうかもしれません
確実に起こる問題ですので、教育の在り方を抜本的に早急に考える必要があるのではないでしょうか
✅ 人口動態統計には速報値、概数値、確定値の3つがありますが、本記事は概数値の2024年半年分となります。半年で33万人だから単純に2倍して66万人ということはない(例年7-8月の出生数がもっとも多いから)ですが、それにしても年間70万人割れは確実です。
速報値ではすでに1-8月までの数字が出ていますが、それも前年同期間比5.3%減なので、そこから類推しても2024年の年間出生数は68万人台になる見込みです。
私は、コロナ禍における若者への規制は、2023-2025年の出生数の減少に大きく影響すると申し上げていましたが、事実その通りになりました。2023-2025年に第一子が産まれるためには、2020-2022年において親となる二人が出会っていないといけない計算になるからです(交際期間中央値が大体3年なので)。
勿論、それだけが出生減の要因ではないが、出生数の減少基調はまだまだ続くでしょう。