原料に「紅麹」自主回収相次ぐ
✍️記事要約
小林製薬の「紅麹」を使ったサプリメントを摂取した人たちに健康被害が出ている問題で、原料を使用する飲料や食品メーカーの商品の自主回収が相次いで発表され、影響が拡大しています。(※記事は随時、新たな情報に更新しています)
小林製薬は機能性表示食品「紅麹コレステヘルプ」を摂取した6人が入院、7人が通院して、腎疾患などの症状を発症したということで、商品に想定しない成分が含まれている可能性があるとして3商品を自主回収すると発表しました。
25日、小林製薬は新たに把握した入院者が20人いて、入院者は計26人に増えたことを明らかにしました。
小林製薬によりますと、自社で生産している紅麹は自社製品への使用は約2割で、約8割が他社向けに販売していて、販売先は日本国内と台湾の飲料、食品メーカーや原料商社など52社だということです。小林製薬は、各社に健康被害が出る恐れがあるとして、使用を中止するよう連絡をしたということです。また、他社向けへの販売は2016年から開始したということです。
■宝酒造は、日本酒の一部を自主回収
紅麹を使った飲料や食品メーカーでは、自主回収の動きが相次いでいて、影響が拡大しています。
24日に宝酒造は原料で紅麹を使用している日本酒『松竹梅白壁蔵「澪」PREMIUM〈ROSE〉』の300ミリリットルと750ミリリットルの商品で、計約9万6000本を自主回収すると発表しました。
宝酒造によりますと、この日本酒は先日商品の自主回収を発表した小林製薬が作った紅麹原料を使用していて、小林製薬側から販売を控えてほしいという要請があったということです。
■ZEROPLUS「濃厚チーズせんべい」も自主回収
また、福岡県に本社がある「ZEROPLUS」が、製造・販売する機能性表示食品「悪玉コレステロールを下げるのに役立つ濃厚チーズせんべい」でも、小林製薬が生産の紅麹原料を使用しているとして、商品の自主回収を行うと22日に発表しました。
回収対象は店舗や通販での販売分を含めて約700個だということです。
■ 名古屋の「豆匠 豆福」も自主回収
さらに、愛知県名古屋市にある豆菓子専門店「豆匠 豆福」は、原料に「紅麹」を使用している豆菓子を自主回収をすると発表しました。
自主回収の対象商品は次の通りです。
【自主回収の対象商品】
・豆だくさん(6袋入)(12袋入)(24袋入)(36袋入)※中身の「紅こうじ小梅」が対象
・豆でなも ※中身の「えびしおアーモンド」が対象
・春のまめ壺
・紅こうじ小梅
・えびしおアーモンド
・紀州梅こぶ茶カシュー
・桜吹雪
・豆のつどい3、豆のつどい6、豆のつどい9 ※中身の「紅こうじ小梅」が対象
「豆匠 豆福」は対象の商品を持っている人は、食べずに返品受付係まで連絡をしてほしいとしています。
これまでのところ、いずれの商品でも健康被害の報告は入っていないということです。
■紀文「いか塩辛」2商品を回収
食品メーカーの紀文も、製造・販売する「いか塩辛」など2商品で原料として紅麹を使用していますが、小林製薬より商品回収の要請があったことから、自主回収を行うと発表しました。
自主回収を行うのは、『国産いか使用いか塩辛』、『いか塩辛3P』の2商品です。2商品は主に東日本エリアのスーパーなどで販売されているということです。紀文は「手元に対象商品があれば、送付先まで着払いで商品を送付してほしい」としていて、後日返金対応を行うということです。
紀文は「大変ご迷惑をお掛け致しますことを、謹んでお詫び申し上げます。今後、管理体制の一層の強化に努める所存でございます」としています。
■タケヤみそ『塩ひかえめ紅麹仕立て』の自主回収
長野県に本社を置く竹屋は、『タケヤみそ塩ひかえめ紅麹仕立て』の自主回収を行うと25日に発表しました。
同社の「お詫びとお知らせ」によりますと、タケヤみそ「塩ひかえめ紅麹仕立て」の原料として使用している『紅麹』の製造元である小林製薬株式会社より、「一部の紅麹原料に同社の意図しない成分が含まれている可能性が判明した」との発表があり、それを受けて、「塩ひかえめ紅麹仕立て」の販売を一時中止するとしました。
また、摂取の際の危険性を考慮して、同商品を自主回収するとしました。商品を持っている場合は、窓口に連絡するか、着払いで直接送付するよう依頼しています。
【対象商品】タケヤみそ「塩ひかえめ紅麹仕立て」500gカップ詰め
※ロット(賞味期限)を問わず、全ロットが回収対象
【問い合わせ・返送先】
〒392-8540長野県諏訪市湖岸通り2-3-17株式会社竹屋
電話0266-52-4003(受付時間=平日9:00~17:00(土日祝日を除く))
■ ふるさと納税の返礼品が回収対象 大塚食品「あわ 紅豆腐」
大塚食品は25日、「あわ 紅豆腐」の自主回収を発表しました。同社によりますと、「原材料の購入先から、複数の紅こうじ原料を自主回収する旨の報告があったといい、そのうちの1つを「あわ 紅豆腐」に使用していることが判明した」ということです。
製品は、宮城県、東京都、大阪府、兵庫県、広島県、山口県、徳島県および通信販売されているということです。
このほか徳島県によりますと、同製品は徳島県における「ふるさと納税」の返礼品としても扱われているということです。今回の自主回収発表に伴って、返礼品の受付を停止し、すでに発送した寄付者と連絡をとっていくということです。
「あわ 紅豆腐」は寄付金額2万円に対する返礼品で、これについての回収対象件数は6件あるということです。
商品名:あわ 紅豆腐(JANコード:4901150270014)
賞味期限:2024.12.17、2025.4.8、2025.9.15、2026.7.21
販売日(出荷日):2022年8月1日から2024年3月22日
対象数量:約700個
<送付先住所>
〒771-0183徳島県徳島市川内町加賀須野463-55 大塚食品株式会社 徳島工場 「あわ 紅豆腐」回収係
<本件に関するお問い合わせ先>
大塚食品お客様相談室 フリーダイヤル:0120-300-236(3月25日(月)から)
受付時間:月~金曜日 9時~17時(祝日を除く)
■紅こうじ味噌・紅こうじしょうゆ 江戸時代創業、京都の老舗も
創業は江戸・天保元年。京都の老舗「本田味噌本店」が「紅麹」を使った4種の製品を自主回収すると明らかにしました。
対象は、▼紅こうじ味噌、▼一わんみそ汁紅こうじ、▼紅こうじしょうゆ、▼紅こうじ米す、です。使用している原材料の「紅麹」を回収するよう、原材料の購入先から依頼が入ったということです。
現在のところ該当商品における健康被害等は確認されていないということです。
【問い合わせ・送付先】
〒602-0904京都市上京区室町通一条上ル小島町558
株式会社本田味噌本店
電話番号:075-441-1121、0120-54-4130
■ 味噌の自主回収 相次ぐ「ヤマタカ信州甘口紅麹みそ」
長野県に本社を置く、山高味噌は、「信州甘口紅麹みそ」の自主回収を発表しました。
同社の「商品回収のお詫びとお知らせ」によりますと、製造販売する「ヤマタカ信州甘口紅麹みそ500g」は、22日に小林製薬から製品回収が発表された紅麹原料を使用しているため、販売休止と商品回収を行うということです。
■該当する賞味期限
賞味期限 2024.09.30以前の商品
■問い合わせ・送付先
〒391-0002 長野県茅野市塚原1-7-20
山高味噌株式会社「紅麹みそ回収」係
電話番号 0120-263-132 受付時間 9:00~17:00(土・日・祝日を除く)
■「紅麹梅酒」の自主回収
愛知県の酒造メーカー・甘強酒造は、「紅麹梅酒」の自主回収を発表しました。同社の「自主回収のお知らせ」によりますと、22日に小林製薬から回収が発表された紅麹原料を、紅麹梅酒に使用している可能性があるため、商品を自主回収するということです。
手元に対象商品がある際は、直ちに使用を止めて、購入先の店舗に連絡し、回収の相談を呼びかけています。通販サイト等については、しては、メールで同社までの連絡を呼びかけています。
今のところ製品を飲用して健康被害等は確認されていないということです。
【回収対象商品】
・紅麹梅酒720ミリリットル瓶
「黒松仙醸どぶろくロゼ」を自主回収
長野県伊那市の酒造会社「仙醸」は、県内外の小売店で販売している「黒松仙醸(くろまつせんじょう)どぶろくロゼ」について、自主回収すると発表しました。「仙醸」によりますと、6年前から着色の目的で「紅麹」使用していて、現時点で健康被害の報告はないということです。
■「カトレアさんの元気みそ」「みそカボスドレッシング」も自主回収
また、大分県別府市にある調味料メーカー「フジヨシ醤油」は販売している「カトレアさんの元気みそ」と「みそカボスドレッシング」の原材料に小林製薬の「紅麹」が含まれているとして、商品の自主回収を発表しました。今回、問題があった紅麹とフジヨシ醤油の使用する紅麹は異なる原材料で商品の安全性に問題がないことがわかっているということです。
フジヨシ醤油は対象商品が手元にある際は使用を止めて、回収の連絡をするよう呼びかけています。
■「紅麹黒酢」も自主回収
鹿児島県霧島市に本社がある福山黒酢は、黒酢やドレッシングの一部に、小林製薬の「紅麹」を使っていたとして、自主回収を始めたと発表しました。
自主回収を行っているのは、小林製薬の紅麹原料を使った「紅糀黒酢」、「紅糀ドレッシング」のオニオンとキャロットです。福山黒酢は3月23日から販売を停止し、商品の回収を進めています。
福山黒酢では、対象商品が手元にある場合は使用しないよう呼びかけています。
■英訳
In the issue of health problems arising from people taking supplements containing "Red Yeast Rice" by Kobayashi Pharmaceutical, voluntary recalls of products by beverage and food manufacturers using the raw material have been announced one after another, leading to an expanding impact. (※ The article is being updated with new information as it comes.)
Kobayashi Pharmaceutical announced the voluntary recall of three products, suspecting that unexpected ingredients may be included, as six people who took their functional food "Red Yeast Rice Cholesterhelp" were hospitalized, and seven others received outpatient treatment, developing symptoms such as kidney disorders.
On the 25th, Kobayashi Pharmaceutical revealed that there were 20 newly identified hospitalized individuals, increasing the total to 26.
According to Kobayashi Pharmaceutical, about 20% of the Red Yeast Rice produced by the company is used in their own products, while about 80% is sold to 52 other companies, including beverage and food manufacturers and raw material trading companies in Japan and Taiwan. Kobayashi Pharmaceutical has contacted each company to stop using the product, and sales to other companies started in 2016.
■ Takara Shuzo conducts voluntary recall of sake
In beverage and food manufacturers using Red Yeast Rice, there is a trend of voluntary recalls, further expanding the impact.
On the 24th, Takara Shuzo announced the voluntary recall of approximately 96,000 bottles of the sake "Matsuzakabai Shirakabe Gura 'Mio' PREMIUM〈ROSE〉" in 300ml and 750ml sizes, which uses Red Yeast Rice in its ingredients.
According to Takara Shuzo, this sake uses Red Yeast Rice raw material made by Kobayashi Pharmaceutical, and they received a request from Kobayashi Pharmaceutical to refrain from sales.
■ ZEROPLUS also conducts voluntary recall of "Rich Cheese Senbei"
Furthermore, ZEROPLUS, headquartered in Fukuoka Prefecture, announced on the 22nd that it would conduct a voluntary recall of its functional food "Rich Cheese Senbei," which is manufactured and sold, stating that Kobayashi Pharmaceutical's Red Yeast Rice raw material is used in production.
The recall targets approximately 700 items, including those sold in stores and online.
■ Nagoya's "Mame Shokunin Mamefuku" also conducts voluntary recall
Moreover, Mame Shokunin Mamefuku, a bean confectionery specialty store in Nagoya, Aichi Prefecture, announced a voluntary recall of bean confectionery products using "Red Yeast Rice" as an ingredient.
The products subject to voluntary recall are as follows:
【Products subject to voluntary recall】
・Mame Dasan (6 bags) (12 bags) (24 bags) (36 bags) * "Red Yeast Rice Plum" inside is the subject
・Mame Denamo * "Shrimp Salt Almond" inside is the subject
・Spring Mame Jar
・Red Yeast Rice Plum
・Shrimp Salt Almond
・Kishu Plum Kobucha Cashew
・Sakura Blizzard
・Mame no Tsudoi 3, Mame no Tsudoi 6, Mame no Tsudoi 9 * "Red Yeast Rice Plum" inside is the subject
"Mame Shokunin Mamefuku" requests those who have the subject products to contact the return receptionist without eating them.
So far, there have been no reports of health problems with any of the products.
■ Kibun recalls 2 products of "Ika Shioyaki"
Kibun, a food manufacturer, also announced that it would conduct a voluntary recall of two products, "Ika Shioyaki," using Red Yeast Rice as an ingredient, as they received a request for product recall from Kobayashi Pharmaceutical.
The products subject to voluntary recall are "Domestic Squid Use Ika Shioyaki" and "Ika Shioyaki 3P". These two products are mainly sold in supermarkets in the eastern Japan area. Kibun requests customers with the subject products to send them by cash on delivery, and they will provide refunds later.
Kibun apologizes sincerely for the inconvenience caused and states that they will strive to strengthen their management system further in the future.
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☘️ヤフコメ❗️ピックアップ☘️
またEU(欧州連合)では、やはり10年前に「紅麹由来のサプリメント中のかび毒シトリニン」について、「腎毒性の懸念がないレベルを算出」して基準値まで設定しています。
日本は、情報も遅ければ、基準作成などの対応も遅いと言わざるを得ません。
✅ 紅麹に発生し腎臓病を引き起こすとされるカビ毒は発見されておらず、確認された別の物質が影響した可能性とのこと。
これが事実とすると、小林製薬で製造している紅麹以外の紅麹でもそうした別の物質が含まれる場合もあるのでしょうかね。あくまで特定のロットとのことなので特定条件下でないと発生しないタイプの物質なのだとは思いますが、早期に回収が進み、物質や毒性についても早期に解明されることを願っています。
✅ 紅麹とは菌類ですし生き物ねですからね
紅麹菌にも多くの種類があって、毒素を出す菌もあるとか、その中から毒素を出さない菌を見つけた訳だけど、それが画期的だったから多くの商品で使われるようになったわけで
ただ菌は変異しやすく、一部が毒素を出すように変異してしまったのかも?