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大分の公立高校からハーバードに行けたワケ[2022.2.6]

大分の公立高校からハーバードに行けたワケ

【記事詳細】AERA

✍️記事要約

✅ 大分の公立高からハーバード・廣津留すみれの小学生時代 「学校の授業だけ」で勉強を吸収した方法とは

バイオリニストの廣津留すみれさん(28)は、学問の名門ハーバード大学と、世界最高峰の音楽大学の一つであるジュリアード音楽院を卒業したという異色の経歴の持ち主。ハーバード大在学中に出会った世界的チェリストのヨーヨー・マとは度々共演し、The Knightsのメンバーとしてギル・シャハムと録音した最新アルバムは、今年のグラミー賞にノミネートされている。廣津留さんの頭の中を探るべく、どんなふうに音楽や勉強とかかわってきたのかを語ってもらうAERA dot.の新連載。第1回は、子どものころからの音楽の話について。

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 バイオリンを始めたのは2歳の終わりです。大の音楽好きの両親によれば、ハイハイをし始めるのが早く、運動神経がいいから楽器もいけるのではと思って習わせたと聞いています。大分市に住んでいた私の周りには、同じ年代でバイオリンを習っている仲間がいなかったので、小学校3年生で初めてコンクールに出場するまで、自分がどのレベルにいるのかが分かりませんでした。

■コンクール前は「私マジでダメだな……」と落ち込んだ

 そんな中で唯一、具体的な目標になったのは、家にあった“巨匠のCD”だったんです。同じ曲を別の巨匠クラスの演奏家が弾いているCDを聴き比べて、この人のような演奏をしたいなと思うしか指針がなくて。今になって考えれば、ありえない高みを目指していたんだなと思いますね(笑)

 初めてのコンクールへ向かう車の中では「ああ、まだあの演奏のレベルに届いていない。私マジでダメだな」と落ち込みましたね。でも会場に行ってみたら、「あれ? あのCDのように完璧に弾ける人っていないの?」と驚いたのが素直な感想でした。当時は本当に無知でしたから。少しくらい音程を外しても大丈夫なのかなと、正直安心しました。楽器を弾く同じ年代の人に初めて会ったことで、ようやく自分のいる位置や直すべき課題が見つかった気がします。

最初から周りにバイオリン仲間がいたほうがよかったかというと、そうとも言えないなといまは思います。例えば都会に住んでいて仲間がたくさんいたとして、その中での一番を目指していたら目標が低かったかもしれません。世界に出たら実はすごい数のライバルがいるのに、自分のテリトリーの中で満足してしまうというのは危険だし、もったいない。私の場合は、情報がないという環境がかえって功を奏しました。

■塾に通う時間がないから勉強は授業中に吸収

 3歳から高校生くらいまではピアノも習っていて、小学生のときに通っていた音楽教室の発表会ではバイオリンとピアノ両方の出番があったんです。コンクール前は、一日5時間くらいは練習したいですし、どちらの楽器も同じくらい力を入れていたので、子どもながらにすごいタイムマネージメントをしていたなと思います。学校での放課後のドッジボールも、30分は参加するけれど、楽器の練習があるから帰るねという感じ。塾に通う時間もなかったので、勉強はとにかく学校の授業中にすべて吸収するように心がけていました。

 小さいころから「先生の目を見る」ということはしていましたね。目線を外して聞いていると、話がつい右から左へと流れがちですが、先生が話している姿をちゃんと見ていると、内容が直接入ってきやすいという実感がすごくありました。ただ、それは授業に集中するためというよりも、もともとそういうクセがついていたんです。そうしないと学校の先生に失礼だなと思っていて。というのもピアノの先生が、優しい方でしたがマナーには厳しかったんです。教室が先生のご自宅だったこともあり、失礼に当たる行為というのを小さいときに母に教え込まれていました。“しっかりと相手の目を見る”という姿勢が結果的に、一番勉強に役立つ方法になったと思っています。

■落語の長台詞の真似にハマった小学校時代

 小さいころに身に着けたことといえば、音楽を表現する上で、古典芸能に大きな刺激を受けました。親の影響もあって、子どものころから歌舞伎を見るのが好きでした。型を守りながらもそれぞれの個性を出したり、観客を楽しませたりするのってこういうことなのかと、知らず知らずのうちに学ばせてもらっていたように思います。

小学生時代は、近所にバイオリンの教室がなかったので隣の福岡県までバスで通っていたのですが、なんとなく見つけたポッドキャストの落語をiPod miniに入れて、移動中に聞いていたんです。耳しか使わないので乗り物酔いもありませんし、ひとネタ30分ほどと、ちょうどいいエンタメでした。中でも「金明竹」という演目に出てくる長台詞を暗唱するのにすごくハマって、いつも真似していましたね。落語で知ったユーモアの利かせ方や“力の抜け感”みたいなものは、いまのバイオリンの演奏に生きているなと思います。

電車に乗ると、スマホでついダラダラとSNSのタイムラインをスクロールしていませんか?移動時間は有意義に使いたいもの。ポッドキャストやYouTubeで興味のある勉強分野のコンテンツを聴くのがおすすめです。落語の番組もいいですよ。隙間時間の5分で、今日の仕事帰り、学校帰りに聴くコンテンツを探してみましょう。耳から新しい世界が広がります。

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☘️ヤフコメ❗️ピックアップ☘️

✅ 凄い方だと思います。本人の努力があっての結果であることに間違いない。しかしながら、文化資本の寄与を無視できない。この記事を見て自分も頑張ろう等勇気づけられる人はいるのだろうか?
ハードルを越えられる能力があってもなくても、無いことに越したことはない。その意味で彼女はラッキーだ。
✅ 能力の高い方は塾に行かなくてもデキます。そんなの昔からそうです。塾に行かないと学力が上がらない人はそれまでです。
地方は私学も少ないし、公立育ちの子ばかり。でも、音楽や英語に親しむには家庭環境によるところが大きいですね。経済力は必須!
✅ 地方の公立高校で塾へ行かずに授業だけを暗記してハーバード大学に合格って有り得ないと思ったらやっぱり記事に書いてない事をいろいろしてたんですね。

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