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子どもの「家事手伝い」は何歳から始めるべきか[2021.1.10]

子どもの「家事手伝い」は何歳から始めるべきか


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⭐︎記事要約⭐︎

お手伝い第一歩にオススメなのは「玄関掃除」

広島で55㎡の3DKの賃貸アパートに家族6人(夫婦+高校生から小学生までの子ども4人)で住む整理収納アドバイザーの上山広美さんの著書『狭い家でも「ゆとりある暮らし」は仕組みが9割』から一部を抜粋しお届けします。


■お手伝いの「開始時期」は何歳から?
「お手伝いは何歳くらいから始めればいいですか?」とよく質問されます。
当然個人差がありますが、例えばわが家の末っ子は、1歳あたりから、洗濯物を洗濯ネットから出し、そこからタオルを干す人に手渡すところから始めました。洗濯担当だった長男のお手伝い係です。ほかにもお姉ちゃんが洗っている食器を拭く、片づけるなど、家族がしていることを手伝いながら学んでいっています。
兄弟がいない場合は、「お母さんのマネをしたい!」がお手伝い開始のサインです。
洗濯物を干すお手伝いでも、玉ネギの皮をむく、レタスをちぎるなどでも、本当にスモールステップでいいのです。興味のあることから始めてみましょう。部屋の掃除機がけは難しそうに見えますが、案外簡単で、幼児期からおすすめです。朝の分担を任せられるのは5歳ぐらいからでしょうか。最初は10分くらいがちょうどいいです。

■子どもが気持ちよくお手伝いしてくれるようになるには、「タイミング」を合わせることが重要です。
子どもは大人に比べて、気持ちの切り替えがまだ苦手です。例えば遊びに夢中のときに、いきなり「さぁ、片づけよう!」と言ってもすぐには乗り気にはなれないでしょう。重要なのは「早めの告知」です。例えば、「3時におやつにするから、それまでにテーブルを片づけようね」など。それを1度ではなく、何度も繰り返します。
そうすると、子どもの気持ちの中でも折り合いをつける時間が確保できます。時計を一緒に見ながら、時間の流れを「見える化」するのもひとつの手です。
また、片づけてリセットする習慣を、暮らしに組み込んでおくのもいいでしょう。わが家も1日3回のリセット時間を習慣にしています。

子どもがグズグズしていると、つい「何度言ったらわかるの」「どうしてできないの」など、責めるような言い方になってしまいがちです。怒ってばかりだと、子どもはもちろん、親もイヤな気分になりますね。小さなお子さんでも、怒られたからイヤイヤやるのではなく、自ら片づけたいと思うようにすることは「声かけ」次第でできます。

ポイントは、「片づけると、どういういいことがあるか」をイメージできるような声かけをすること。
わが家では食事の前に、それぞれが部屋を片づけて“リセット”するのですが、それは「気持ちよくご飯を食べられるから」です。
「さあ、スッキリ片づけて気持ちよくご飯を食べよう」など、片づけると「自分が気持ちいい」という感覚を育むことを心がけ、声をかけています。

■[2~12歳児向け]小学生までの声かけ
自主性を持った片づけを、小さな子ども自身ができるようになるための声のかけ方をいくつかご紹介しましょう。

* わかりやすいメリットを最初に伝えてあげる
「これを片づけたらおやつにしよう」「遊びに行こう」
* お母さんからの希望やお願い
「お母さんと一緒に片づけてくれるとうれしいな」「今、手伝ってくれるかな?」
* 選ぶ余地を持たせる
「Aの箱とBの箱どっちを片づける?」
* 事前に伝えておく
「〇時になったらお片づけしようね」「今週末、おもちゃコーナーを整理しよう」
※子どもは大人のようには、すぐに切り替えられないので、事前に予告する
* 具体的に指示する
「〇時になったらご飯を食べるから、机の上のブロックを片づけてね」
※「もう片づけて、わかるでしょ」ではなく、具体的に

中学、高校生になると、何をすればいいかは本人もわかっているので、「いつまでにお願いね」ということだけ、はっきりと伝えます。
こちらのポイントは、「片づけ後の声かけ」。例えば、長男、次男に対しても「片づけて当たり前」ではなく、できたことを“さりげな~く”言葉にしています。
「洗濯物たたんでくれてるね~」とか、「カバンが床にないから歩きやすいな~」など、独り言のような感じでボソッとつぶやく(笑)。それによって、「お母さんは見ている」と気づいてもらえます。反抗期に入ってくると、直接的な言葉が響きにくくなります。「ちゃんと認めてくれている」と“感じてもらう”のも大事だと思います。
とはいっても、中学生にもなると塾に部活にといろいろ忙しくなって、やりたくないときもあるでしょう。その場合は、まずは子どものその気持ちを受け入れます。
そして、「どこまでならできるのか」を相談します。
子どもにとっては、「自分の今の気持ちをわかってくれている」というのが大事だと思いますので、逃げ道を用意するようにしています。

■まずは「子どもの気持ちを受け入れる」
具体的に例を出して説明しましょう。例えば、子どもからやりたくないと言われたとき。頭ごなしに、「えっ、なんで!? 約束したでしょ!」はNG。
「そうだよね、昨日、寝るの遅かったもんね」
「今、勉強大変なのかな」
「今、部活大会前だもんね、だからそういうふうになるよね」
など、まず、子どもの気持ちを受け止める。そして、「こっちの半分をやるから、これだけはできるかな?」などと子どもに選択肢を持たせるといいでしょう。
実際にお子さんに「初めてのお手伝い」をしてもらうとき、オススメは「玄関掃除」です。

■さまざまな工程を体験できる玄関
玄関は比較的狭く、そのうえ、さまざまな工程を体験できます。
もちろん、お手伝いをしてもらう前に、余計なモノは片づけて1軍だけにしておきましょう。

 

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