Yahooニュース

性加害問題 ジャニーズ社長が謝罪[2023.5.15]

性加害問題 ジャニーズ社長が謝罪

【記事詳細】Yahooニュース

✍️記事要約

✅ ジャニーズ事務所が性被害告発に公式見解「行為自体は決して許されることではない」

ジャニーズ事務所の元所属タレントがジャニー喜多川前社長(享年87)から性被害を受けていたと訴えている問題を巡り、同事務所が14日、公式サイトで見解を発表した。藤島ジュリー景子社長が初めて顔を出し、動画と一問一答形式の書面も公開した。

動画には藤島氏が自ら出演し、「株式会社ジャニーズ事務所代表取締役社長、藤島ジュリーでございます。この度は、創業者ジャニー喜多川の性加害問題について世の中を大きくお騒がせしておりますこと心よりお詫び申し上げます」と謝罪。「何よりもまず被害を訴えられている方々に対して深く、深くお詫び申し上げます。そして関係者の方々、ファンの皆様に大きな失望とご不安を与えてしまいましたこと、重ねてお詫び申し上げます。大変遅くなりましたが、各方面よりいただいていたご質問に対して、このあと書面にて回答させていただきます」と語っている。

(以下、一問一答)

――なぜ、すぐに会見を行わなかったのか。

「まずは事実を確認し、責任を持って対応すべきだと考えました。個人のプライバシーにも関わる非常にデリケートかつセンシティブな問題であったため、カウンセラーや弁護士など専門家の協力を得ながら、声をあげられた方とのご対面、社内調査、具体的対応策についての協議等を慎重に進めておりましたことから、広く皆様にお伝えするまで時間が経ってしまいました。対応が遅くなった点に関しまして、お詫びいたします」

――BBCの番組報道、またカウアン・オカモトさんの告発について、どのように受け止めているのか。

「事実であるとすれば、まず被害を訴えておられる方々に対してどのように向き合うべきか、また事務所の存続さえ問われる、極めて深刻な問題だと受け止めました。あらためて事実確認をしっかりと行い、真摯に対応しなければならないと思いました」

――BBCの番組報道、またカウアン・オカモトさんの告発は事実か。

「当然のことながら問題がなかったとは一切思っておりません。加えて会社としても、私個人としても、そのような行為自体は決して許されることではないと考えております。一方で、当事者であるジャニー喜多川に確認できない中で、私どもの方から個別の告発内容について『事実』と認める、認めないと一言で言い切ることは容易ではなく、さらには憶測による誹謗中傷等の二次被害についても慎重に配慮しなければならないことから、この点につきましてはどうかご理解いただきたく存じます。とは言え、目の前に被害にあったと言われる方々がいらっしゃることを、私たちは大変重く、重く受け止めております」

――ジャニー喜多川氏の性加害を事務所、またジュリー社長は知らなかったのか。

「知らなかったでは決してすまされない話だと思っておりますが、知りませんでした。このことを説明する上では、当時のジャニーズ事務所がどのような意思決定で運営されていたかについて、ご説明する必要があると思います。週刊文春から取材のあった1999年の時点で、私は取締役という立場ではありましたが、長らくジャニーズ事務所は、タレントのプロデュースをジャニー喜多川、会社運営の全権をメリー喜多川が担い、この二人だけであらゆることを決定していました。情けないことに、この二人以外は私を含め、任された役割以外の会社管理・運営に対する発言は、できない状況でした。また管轄外の現場で起きたことや、それに対してどのような指示が行われていたのか等も、そもそも全社で共有されることはなく、取締役会と呼べるようなものも開かれたことはありませんでした。本件を含め、会社運営に関わるような重要な情報は、二人以外には知ることの出来ない状態が恒常化していました。振り返るまでもなく、その状態は普通ではなかったと思います。ただ、1962年の創業時からずっとこの体制で成長してきたこともあり、ジャニーとメリーの二人体制=ジャニーズ事務所であることを、所属する全員が当然のこととして受け入れてしまっていたように思います。私自身その異常性に違和感を持つことができなかったわけで、ただただ情けなく、深く後悔しております」

――2003年の週刊文春との高裁判決で敗訴しているが、その時点でもまだ、性加害の事実を認めなかったのか。また何も対策をしなかったのか。

「この訴訟は、週刊文春の記事に対し『許しがたい虚偽である』とメリーが憤慨し、名誉毀損であるとしてジャニーズ事務所側が文藝春秋社らを訴えたものでしたが、その詳細については私には一切共有されておらず、恥ずかしながら今回の件が起こり、当時の裁判を担当した顧問弁護士に経緯確認するまで詳細を把握できておりませんでした。あくまで私の推測ですが、メリー自身もジャニーの問題とされている行為に対しては、心の底から『やっているはずがない、ありえない』そう思っていたからこそ、自ら民事裁判で訴えに出たのだと思っております。最終的に私どもが一部敗訴し、週刊文春の記事が名誉毀損とまでは言えないと判断されましたが、当時の裁判を担当した弁護士、裁判に関わった役員へのヒアリングによるとその時点でもジャニー本人は自らの加害を強く否定していたこともあり、結局メリー及び同弁護士から、ジャニーに対して『誤解されるようなことはしないように』と厳重注意をするにとどまったようです。いずれにせよ私個人としては、取締役という立場でありながら、積極的にその責務を果たせなかった点について、大きな落ち度があったと考えております」

■カウアン・オカモト氏とは「長い時間お互いにお話をしました」

――再発防止策をどのように考えているか。

「再発防止策を講じるにあたっては、初期の段階から弁護士をはじめ、様々な分野の有識者の方々から、会社としての問題点や改善策についてご指摘やご意見をいただいてまいりました。大前提として、私が代表に就任して以降は、エンタテインメント業界という世界が特殊であるという甘えを捨て、コンプライアンスの強化を進めており、『ホットライン(匿名相談窓口)の設置』、未成年に対する『保護者同伴の説明会の実施』、『コンプライアンス教育の実施』、『保護者宅からの活動参加』等を推進してまいりました。しかし今回の件を受け、二度と同じような事態を起こさないためにも、外部からの協力も得ながら『コンプライアンス委員会』を設置しており、これまで以上に取り組みを強化、徹底させてまいります。さらには、企業のあり方や社会的責任として不安な点がないか、社内外に適切なコミュニケーションが行われているか、また社内の価値観や常識だけで物事を判断していないか等、外部の厳しい目で指摘する役割として、社外取締役を迎え入れて経営体制を抜本的に見直すよう、現在人選、依頼を進めております。新しい社外取締役については、確定次第改めて発表させていだく予定です」

――何故、第三者委員会を設置して徹底調査をしないのか。

「当初よりこの問題は、社内のみで解決すべきではないとの観点で、第三者委員会の設置による実態の徹底究明のあり方についても、弁護士や外部の専門家・有識者を交えて検討いたしました。しかし調査段階で、本件でのヒアリングを望まない方々も対象となる可能性が大きいこと、ヒアリングを受ける方それぞれの状況や心理的負荷に対しては、外部の専門家からも十分注意し、慎重を期する必要があると指導を受けたこともあり、今回の問題については別の方法を選択するに至りました。既に告発された方、また今後あらたな相談をご希望される方のために、外部のカウンセラーや有識者、弁護士や医師の指導のもと、相談をお受けする外部窓口を月内に設置致します。相談者の秘匿性を守り、客観的にお話をお聞きするため、外部の専門家の協力を得る予定です」

――カウアン・オカモト氏とは会ったのか。会ったのであれば何のために会ったのか。

「お会いしました。私が直接お会いして、長い時間お互いにお話をしました。今後このようなことが二度と起こってはならない。その為にも彼が声をあげられたということを深く理解しました。一方でご本人以外の他人のプライバシーに関わる問題や、憶測を助長するようなご発言に関しては、私の見解をお伝えさせていただきました。まだまだこれからではありますが、私たちが変わるきっかけを下さったと受け止めております」

――被害を訴えてきた方たちに対して、どのように向き合う予定か。

「デリケートな内容であり、詳細については検討中ではありますが、被害を訴えておられる方々、精神的に苦しんでおられる方々に対しては、カウンセラーをはじめ、専門家の力もお借りしつつ、誠実に向き合ってまいります。それをやらずして、私たちに未来はないと考えております」

――ご自身の経営責任をどう考えているか。また責任がある場合どう責任を取るとお考えか。

「責任はあったと考えております。当時の私は、取締役とはいいながらも名ばかりとなっており、その職責を果たせていませんでした。また本件については自らも積極的に知ろうとしたり、追求しなかったことについて責任があると考えております。責任の取り方ですが、私が辞職する選択肢も考えました。ただ今すべきはこの問題から逃げることなく、被害を訴えてこられた方々に向き合うこと、さらにこれから先、二度と同様の問題が起こらないよう、既に着手し始めている経営改革、社内意識の抜本的改善をやり抜くことだと考えております。あらゆる厳しいご意見も真摯に受け止め、所属しているタレントたちの今、そして未来への想いを尊重しながら対話を重ねていく、それが自分にできる責任の取り方だと考えております。

あらためまして心よりお詫び申し上げます」

(一問一答ここまで)

同問題は、今年に入って元ジャニーズJr.のカウアン・オカモト氏(26)が一部メディアで告発して始まった。「(2019年7月に亡くなった)ジャニー喜多川さんに15歳の頃から性的な行為を受けていた」とする主張で、4月12日には都内の日本外国特派員協会で記者会見を開催していた。これらを受け、ジャニーズ事務所が社員や所属タレントへ聞き取り調査を行っていた。

オカモト氏はブラジル人と日本人の両親から生まれ、2012年にジャニーズ事務所に入所。16年にアーティストとして海外進出を目指し、同事務所を退所している。会見後もさまざまな形で同問題について言及し、13日夜に自身のYouTubeチャンネルを更新。藤島氏と対面し、約2時間にわたって話し合ったことなどを明かしていた。

  ◇   ◇   ◇

☘️ヤフコメ❗️ピックアップ☘️

✅ ついに公式謝罪ですね。これから、手のひらを反すようにメディアによる追及が始まる可能性も濃厚でしょう。その際には、あくまでも空気ではなく客観事実に即した報道、現・元タレントなど関係者の人権配慮を第一義にすべきです。そうでなければ、この件にかこつけた名誉棄損、プライバシー侵害などの二次被害を招きかねません。
そして、何よりも、東京高裁で「性加害は重要な部分で真実である」と認める判決が確定した時、なぜ文春以外のメディアはこれを放置し、再発防止の確認もせぬままジャニーズ厚遇を続けたのか。各メディアが、その身を切るような自己検証も同時に進めるのでなければ、こうした事態が形を変えて繰り返されてしまうと思います。
✅ ジュリー氏は会見が今になった理由を「デリケートな問題なので慎重に進めていた」と説明しています。慎重に検討するということ自体は正しい。しかし、沈黙は「無視」、「無視」は「傲慢」に見えますし、被害者には「報復を考えているのではないか」と不安を与えます。長い沈黙の後の謝罪が非難を受けがちなのは、まさにこの反動からなのです。そのためこのようなケースではまずは「調査開始」や「調査方法」等を公表するのがセオリーです。確かに本件のような「性被害事件」の場合、「調査をしているということを公にすることで注目が集まること自体が被害者にとって苦痛」という場合もあり悩ましいですが、少なくとも本件では既に被害者が声を上げているのですから調査開始を宣言すべきだったと感じます。「真剣に対応すること」自体は重要です。しかし、「どのように広報するか」もそれと同じくらい大切な要素であることはもっと認識されてもよいと思います。

-Yahooニュース

© 2024 News HACK By Powered by AFFINGER5