手痛い補選1敗 政権戦略見直しか
✍️記事要約
衆院長崎4区と参院徳島・高知選挙区の補欠選挙が22日、投開票された。両補選とも与野党一騎打ちの構図となり、衆院長崎4区で自民党が競り勝った一方、参院徳島・高知は立憲民主党が支援する候補が制した。自民は選挙前の2議席のうち一つを守れず、「必勝」を掲げた岸田文雄首相にとって手痛い1敗となった。
今回の衆参ダブル補選は、9月の内閣改造・党役員人事後に初めて行われた国政選挙。衆院議員の任期の折り返し点にもあたり、岸田首相の衆院解散戦略や政権の勢いを測る指標になるとして注目されていた。
首相は「党を挙げて必勝を期す」として、自身を含む党幹部が次々と応援に入る総力戦を展開。物価高に賃金上昇が追いつかない経済情勢への対応などが争点になった。20日には首相が期限付きの所得税減税の検討を与党幹部らに指示するなど、国民負担の軽減に取り組む姿勢をアピールし支持拡大をめざした。
首相は2議席を維持できず、長崎でも野党に接戦に持ち込まれたことで、「選挙の顔」としての力に疑問符がつくとの見方もある。首相が探る衆院解散の時期を含め、政権戦略の見直しを迫られる可能性がある。