球速130キロで全国制覇 山梨学院エースの魅力とは
✍️記事要約
「第95回記念選抜高校野球大会」は1日、阪神甲子園球場で決勝戦を行い、山梨学院が7-3で報徳学園(兵庫)を下し、初の選抜優勝を果たした。先発したエースの林謙吾投手(3年)は、全6試合に先発。この日も9回3失点で完投し、優勝投手となった。
準決勝同様、試合の序盤はボールが先行したが、その後は丁寧な投球を披露した。4回にボークと適時打で2点を先行されるも、5回には自ら左翼フェンス直撃の二塁打を放ってチャンスを広げ、一挙7得点につなげた。最終回、反撃を試みる相手側の応援はひと際大きくなったが、冷静に3人を打ち取り、歓喜の輪の中で右腕を突き上げた。
6試合で696球を投じる鉄腕ぶりを見せたが「疲れは特になかったです」とさらり。吉田洸二監督は「今日は100球くらいでガクッと落ちるだろうと思って投手を準備させていましたが、(5回の)7点がとてつもない栄養ドリンクになったのか、6回には『完全に(調子が)戻ってきました』と言っていたので大丈夫かなと」。連投の疲れもなんのその、今大会粘り強い打線で勝ち上がってきた報徳学園に反撃を許さなかった。
■球速は130キロ前後でも…“勝てる投手”の素質を備える
直球の球速こそ120キロ~130キロ台前半だが、小さなテークバックから投じるボールで打者を次々と打ち取っていく。バッテリーを組む佐仲大輝捕手(3年)も「捕っててもあまり速く感じなくて、それなのに打者は思ったより詰まるので……。速く見えているのかな」と首をかしげる。今大会注目打者の1人で、準決勝で対戦した広陵(広島)の真鍋慧内野手(3年)も、「内角を狙っていたんですけど、思っていたよりボールがくる感じがあった」と林のボールを振り返っていた。
昨秋の関東大会では背番号10だったが、ひと冬越えて大きく成長した。ウエートや走り込みで下半身を強化。ブルペンで投げ込んだ後は、フォームの映像を見返しながら反省を繰り返した。佐仲も「1人でずっとフォームのことを考えて、夜遅くまで練習していた。一番は制球力が変わりました」と目を見張る。
今大会ではそのコントロールを生かして内角や高めを正確に突き、的を絞らせなかった。絶対的なスピードこそないものの、けん制やフィールディングもうまく“勝てる投手”としての能力の高さを随所に見せた。
吉田監督は、清峰(長崎)の監督時代に指導した今村猛(元広島)と重ね「タイプが違います。今村の力は、そんじょそこらの高校生ではなかった。林は努力を重ねて重ねて今の林がある」と、2009年の大会を制したエースとの違いを語る。「自分で考えてやったほうが成果が出るタイプ。考えすぎることもありますが、自分でちゃんとやれる子です」と目を細めた。夏までにどんな成長見せるのか、今から楽しみだ。
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☘️ヤフコメ❗️ピックアップ☘️
きれいにスピンのかかったボールは打者の手元で失速しないので、打ってもバットの上に当たってファールになるかフライになることが多いです。
この投手の場合はさらにそのボールをコントロールよく投げられたので、連打で大量失点することなく投げ切れたのではと思います。
高校野球のお手本のような投手だと思います。
✅ 広陵・真鍋くんとの対戦を見たが、唯一の攻めどころといえる内角高めに精度よく直球を投げ続けてて驚いた。あれは打てない。
メンタルを含めて、高校生として最高峰の実力を持つ投手だと思う。
✅ 大谷選手や佐々木投手の影響が大きくてスピードボール投げれるが投手の絶対条件みたいにほぼなってしまっているのが今の時代ですが、プロ野球で活躍した投手の歴史を見てもそれだけが資質ではないのは明白。
林投手の活躍は今の高校野球の投手育成、選定にも1石を投じる活躍になるかと。
今後、各校で投手にチャレンジする選手が増えてくるとよいですね。