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“致死率3倍”『劇症型溶連菌』治療法と予防法を解説![2024.6.2]

“致死率3倍”『劇症型溶連菌』治療法と予防法を解説!

【記事詳細】Yahooニュース

✍️記事要約

✅ “致死率3倍”『劇症型溶連菌』新たな変異株「M1UK」急拡大 治療法と予防法を解説!

感染すると手足が壊死して死に至る恐れもある、危険な感染症『劇症型溶連菌』が過去最多のペースで拡大しています。

■特徴は?『劇症型溶連菌』過去最多ペースで増加

 “人食いバクテリア”とも呼ばれる劇症型溶連菌の感染者数です。

 2023年は941人と過去最高でしたが、2024年は5月12日時点で851人。去年の同じ時期に比べて約2.8倍で、過去最多のペースで増えています。

 街で話を聞きました。

50代女性
「最近、20代の娘が、最初は風邪だと思って病院へ行くと、溶連菌に感染していた。劇症型ではないが、治療法がよくわからなかった」

70代男性
「また新しい感染症が現れたなと思う。知らないうちにかかっていたら怖い。ワクチンとかあるのか知りたい」

60代女性
「子どもがかかるイメージだったけど、最近大人もかかると聞いて少し心配。対策とか知りたい」

 『溶連菌』は誰でもかかる可能性があります。

 溶連菌は、人ののどなどに保菌(体内に保有しながらも発症していない状態)されて、ほとんど無症状ですが、一定の量を超えると、「のどの痛み」「発熱」「発疹」といった症状が出ます。子どもから大人に感染する場合もあります。

 この溶連菌が突然変異して、急速に増殖するのが、“人食いバクテリア”と呼ばれる『劇症型溶連菌』です。

 『劇症型溶連菌』の症状と特徴です。

 初期症状は、発熱や、手足の腫れや痛みですが、短時間で容体が急変します。敗血症性ショック、手足の壊死、多臓器不全などを引き起こすことがあり、致死率は3割と言われています。特に中高年の感染が多くなっています。

 『劇症型溶連菌』の症状が悪化する速度です。

 朝、足の先端の少しの腫れに気づくと、昼には、ひざまで腫れが進行。夜になると、腫れが紫から黒になり、その後、壊死することもあります。発症後、数十時間で亡くなる場合もあるということです。

 感染力の強い新たな変異株も確認されています。

 ヨーロッパやアメリカで急速に拡大中なのが、新たな変異株「M1UK」という株です。 毒性も感染力も強く、毒素の量が従来株の9倍です。この変異種は、すでに日本に上陸しています。2023年国内で確認され、2024年は感染者の4割以上に拡大していて、置き換わりが進行しています。

■実録 “人食いバクテリア” 数日で緊急手術

 実際に感染した人のケースを見ていきます。

 40代の男性です。

 初期症状は右手の指の痛みで、通風かと思いそのまま出勤しましたが、仕事中に手全体が腫れ始め、半日ほど経つと強い痛みも出てきました。

 翌日の早朝、駆け込んだ病院で、『劇症型溶連菌感染症』と診断されました。

 すでに腫れは腕まで広がっていて、手術することになりました。医師には「命に関わる病気かもしれない」「腕を切断する可能性もある」と言われたということです。

 手術では、腕の広範囲にメスが入り、医師には、「半日遅ければ手の施しようがなかった」と言われました。数日間の昏睡状態のあと、2カ月入院。 現在は普通に生活しています。 感染経路はわからず、心当たりも全くないということです。

 30代の男性です。

 2023年の大晦日、日中、ひざの裏に痛みを感じました。そして、1月1日の深夜(2日に日が変わろうとする頃)、嘔吐・下痢・39℃の熱といった症状が出ました。このときは「ノロウイルスかと思った」そうです。

 2日の夕方には意識がもうろうとなり、救急搬送され、病院で溶連菌に感染と診断されました。ひざ裏にあった湿疹から菌が侵入した可能性があり、即手術、入院となりました。

 その後、左足の壊死部分、約5センチ四方を除去しました。腎臓はほぼ機能停止していて、約1カ月間、1日か2日ごとに人工透析を行いました。

 歩けるようになったのは2カ月半後です。医師によると「生きるか死ぬか五分五分」だったということです。

 20代の男性です。

 発症日の日中、バスケットボールをしていると、夕方、右足に少しの痛みと赤みが出てきました。翌日、町のクリニックを受診しましたが、血液検査は行わず、抗生剤と解熱剤をもらいました。

 発症から4日後、右足が赤く腫れ、一部はわずかに紫色になりました。40℃近い熱も出たため、通院しながら療養しました。

 そして、発症から1週間後、自宅で意識を失い、救急搬送されました。体温は34℃台まで低下。劇症型溶連菌による『敗血症』と診断されて、緊急手術となりました。

 その後、手術で右足を失い、義足での生活になり、社会復帰できたのは半年後でした。 感染経路は不明ですが、心当たりは右足にあったわずかな傷だということです。

 実際に、東京女子医科大学の菊池教授が診察した60代の女性です。

 庭仕事中に植木鉢を足の甲に落としました。少し痛みがありましたが、出血や目立った傷はなく、整形外科で湿布をもらいました。

 2日後、足の甲が腫れ上がり、搬送されました。皮膚の一部が壊死して化膿していました。その後、10回以上にわたる皮膚移植をして、退院できたのは1年後でした。

 菊池教授が診察した80代の男性です。

 温泉旅行の際に、風呂場で転倒し、右の足先を打撲。ただ、出血や腫れはなく、医療機関は受診せず、翌朝帰宅しました。

 帰宅した日の夜、右足の甲から足首あたりまで腫れて、痛みを訴えて、搬送されました。意識障害や多臓器不全などがあり、処置を行いましたが次の日に亡くなりました。

■感染経路、早期発見のポイントは?解説

 劇症型溶連菌の感染経路です。傷口から溶連菌が体深くに侵入し、急速に増殖します。 「水虫」「床ずれ」「靴ずれ」「深づめ」などからも感染します。

 さらに、鼻やのどの粘膜から侵入する飛沫感染や、接触感染もあります。 しかし、半数は、感染経路が不明です。

 特にリスクが高いのは、『高齢者』と『妊婦』です。

 東京女子医科大学の菊池教授によると、「妊婦が菌を持っていると、出産をきっかけに、胎盤が出てきたところから感染する場合がある」ということです。

 『劇症型溶連菌』に、早期に気づくためのポイントです。

 菊池教授によると、「ぽつんとあった発疹や傷から、時間単位で腫れが数センチ拡大していたら可能性は高い。急に39℃以上の発熱があるのも特徴。発見時に患部を丸で囲んで変化を見たりするといい」ということです。

 『劇症型溶連菌かも』と思ったら、「すぐに救急車を呼んで救急外来へ。意識障害が出て、ぼーっとし始めてからでは危険。劇症型溶連菌は一刻を争うので、そうじゃなかった時のことより、そうだった時のことを優先してほしい」といいます。

 治療法と予防法です。

 治療法は、ペニシリン系の抗生物質の投与、壊死部分の切除。予防法は、「傷口を清潔にする」「マスク、うがい」「手洗い、アルコール消毒」です。

■英訳 

A dangerous infection, "severe streptococcal infection," which can cause necrosis of the limbs and potentially lead to death, is spreading at a record pace.

**Characteristics? ‘Severe Streptococcal Infection’ Increasing at a Record Pace**

The number of cases of severe streptococcal infection, also known as "flesh-eating bacteria," is increasing. In 2023, there were 941 cases, a record high. By May 12, 2024, there were already 851 cases, about 2.8 times more than the same period last year, indicating a record pace.

**Interviews with the Public:**

**Woman in her 50s:**
"Recently, my daughter in her 20s went to the hospital thinking she had a cold and was diagnosed with a streptococcal infection. It wasn’t the severe type, but we didn’t know the treatment."

**Man in his 70s:**
"I thought another new infection had emerged. It’s scary to think you might get infected without knowing it. I want to know if there’s a vaccine."

**Woman in her 60s:**
"I used to think it was a disease kids got, but I’ve heard that adults are also getting infected recently, so I’m a bit worried. I want to know about prevention measures."

Anyone can catch streptococcus. It often resides in people's throats without causing symptoms, but if it exceeds a certain amount, symptoms like sore throat, fever, and rash can appear. It can spread from children to adults.

This streptococcus can suddenly mutate and rapidly proliferate, turning into "flesh-eating bacteria," or severe streptococcal infection.

**Symptoms and Characteristics of Severe Streptococcal Infection:**

Early symptoms include fever and swelling or pain in the limbs, but the condition can change rapidly. It can cause septic shock, limb necrosis, and multiple organ failure, with a fatality rate of 30%. Middle-aged and older adults are particularly at risk.

**Speed of Symptom Worsening:**

In the morning, you might notice slight swelling in your toes. By noon, the swelling could have progressed to your knee. By night, the swelling might turn from purple to black, leading to necrosis. Some cases result in death within a few dozen hours after symptom onset.

**New, Highly Contagious Variant:**

A new variant, "M1UK," is spreading rapidly in Europe and the United States. It is more toxic and contagious, with toxin levels nine times higher than the original strain. This variant was detected in Japan in 2023 and accounted for over 40% of infections by 2024.

**Real Cases of ‘Flesh-Eating Bacteria’ Leading to Emergency Surgery:**

**Case 1:**
A man in his 40s initially felt pain in his right finger, which he thought was gout. By midday at work, his entire hand was swollen and in pain. The next morning, he was diagnosed with severe streptococcal infection, with swelling up to his arm. Surgery was necessary, and the doctor mentioned the risk of death and potential arm amputation. He underwent extensive surgery, was in a coma for several days, and spent two months in the hospital. He has since recovered, with the infection source unknown.

**Case 2:**
A man in his 30s felt pain behind his knee on New Year's Eve 2023. By January 1st, he experienced vomiting, diarrhea, and a 39°C fever, suspecting norovirus. By the next evening, he was delirious and was diagnosed with streptococcal infection, likely through a rash behind his knee. Immediate surgery and a month-long hospitalization followed, with near-total kidney failure requiring dialysis every day or two. He started walking again two and a half months later, with a 50-50 chance of survival.

**Case 3:**
A man in his 20s felt slight pain and redness in his right foot after playing basketball. He visited a clinic the next day, received antibiotics and antipyretics, but no blood test. Four days later, his right foot was swollen, and by the seventh day, he lost consciousness and was diagnosed with sepsis from severe streptococcal infection, leading to emergency surgery and the loss of his right foot. He now uses a prosthetic leg and returned to society six months later. The infection likely started from a small wound on his foot.

**Case 4:**
A woman in her 60s accidentally dropped a flowerpot on her foot while gardening. Though it didn't bleed or show a major wound, her foot swelled two days later, requiring multiple skin grafts and a year-long recovery.

**Case 5:**
An 80-year-old man fell in a hot spring, bruising his right toe. Without seeing a doctor, he returned home the next morning. By that evening, his foot was swollen, and he was hospitalized with sepsis and multiple organ failure, dying the next day.

**Transmission Routes and Early Detection:**

Severe streptococcal infection can enter through wounds, rapidly multiplying. Common entry points include athlete’s foot, bedsores, blisters, and ingrown toenails. It can also spread through droplets and contact but half of the cases have unknown transmission routes. High-risk groups include the elderly and pregnant women, who may get infected from the placenta during childbirth.

**Preventive Measures and Treatment:**

Early signs include rapidly spreading swelling from a small rash or wound and sudden fever over 39°C. It's crucial to encircle the affected area to monitor changes. If severe streptococcal infection is suspected, call an ambulance immediately as quick intervention is critical.

**Treatment involves:**
Administering penicillin antibiotics and removing necrotic tissue.

**Prevention includes:**
Keeping wounds clean, wearing masks, gargling, washing hands, and using alcohol-based sanitizers.

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☘️ヤフコメ❗️ピックアップ☘️

✅ 溶連菌にはこの20年で2度かかりました。ともに劇場型ではありませんでしたが40度近い熱と、とにかく強い喉の痛みできつい印象。ただ薬を飲んで24時間たてば他人には感染させないというお話を当時の先生からお伺いしました。ただ薬を飲んでからも早ければ十数時間で亡くなる劇場型を注意する報道は煽りでもなんでもなく本当に怖いですね。判断基準としてはあくまでも経験上ですが、他の病気より明らかに喉の痛みが強かったです。なので成人後2度目の溶連菌の時には、病院を予約する際、たぶん溶連菌かもとお伝えしたほど特徴的な体感でした。実際溶連菌でした。ワクチンはなく何度も何度もかかるものなので本当に気をつけましょう。
✅ 風邪だと思ったら溶連菌のコメントが多いけど、この記事でもそうだけど、2種類あるよ!傷口から感染するパターンと喉や鼻から感染するいわゆる風邪の2パターン。劇症化のほとんどは傷口からの感染のパターンだとの事。
喉から感染したパターンは普通風邪だが気になるならコロナ、インフルと同じように病院で検査できます。対処は抗生物質です。
これで劇症化する可能性がゼロとは言わないが下げられます。
危ない怪我が腫れたらしき発熱などは、記事にある通り病院行くようにして!土日休みだからと先延ばししないで見てくれる病院を探して、溶連菌流行ってますが違いますか?検査できますか?と相談しようね!
✅ 喉から入って熱が出る溶連菌はあまり問題ではない。こまめに洗う事のない、足などの裂傷から劇場型溶連菌が入るのが危険だということ。手洗いは習慣になったけれど、足は毎回洗わない。自分は深爪なので、風呂に入ったら、つま先~ふくらはぎを薬用せっけんで2度洗いするようにしている。足の場合、怪我したらすぐアルコール消毒を習慣にした方が良いとも思う。これから暑くなると素足でサンダルを履きたくなるけれど、きちんと靴下と靴を履かないと駄目かなと考えている。

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