追加利上げ観測 長期金利高水準に
✍️記事要約
住宅ローンの固定金利などに影響を与える長期金利が一時0.980%と11年ぶりの高い水準まで上昇しました。
背景にあるのは、“日銀の追加利上げ”観測です。
午前の東京債券市場で、長期金利の代表的な指標である10年物国債の利回りが、0.980%まで上昇しました。2013年5月以来、11年ぶりの高い水準です。きのう0.975%をつけたばかりで2日連続の上昇です。
これは日米の金利差が要因になっている歴史的な円安への対応策として、「日銀が来月、国債買い入れの減額や追加の利上げをするのではないか」という観測が市場で広がっているためです。
長期金利の上昇は住宅ローンの固定金利の上昇につながりますが、日銀の植田総裁は、円安による物価高について「リスクが高まれば金融政策上の対応が必要になる」と発言していて、日銀が円安阻止のためどのような対応策を打ち出すのか市場は次の一手に注目しています。
■英訳
Long-term interest rates, which affect fixed mortgage rates, briefly rose to 0.980%, the highest level in 11 years.
The backdrop to this rise is speculation about an “additional rate hike by the Bank of Japan.”
In the Tokyo bond market this morning, the yield on 10-year government bonds, a key indicator of long-term interest rates, climbed to 0.980%. This marks the highest level since May 2013 and follows an increase to 0.975% yesterday, making it the second consecutive day of rising rates.
This increase is driven by market speculation that the Bank of Japan might reduce its bond purchases or implement additional rate hikes next month as a measure to address the historically weak yen, which is influenced by the interest rate gap between Japan and the U.S.
Rising long-term interest rates lead to higher fixed mortgage rates. Bank of Japan Governor Ueda has stated that the central bank would need to respond with monetary policy adjustments if the risks of inflation due to yen depreciation increase. The market is closely watching the Bank of Japan's next moves to counter the weakening yen.
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☘️ヤフコメ❗️ピックアップ☘️
✅ 日銀の年内追加利上げがより強く意識されるようになってきました。5月入り後、米長期金利が低下傾向にある中で円金利が上昇したということは、日本(日銀)側の要因が強く効いていることを意味します。もっとも、日本の景気は弱いままで、米国のように強い個人消費(需要)が物価を押し上げる構図にはなっていませんから、インフレの持続性という点においては疑問が残ります。今後、個人消費が回復の兆候を強めれば更なる金利上昇が考えられます。
✅ インフレ傾向になるときは金利だけ上がるのではなく、物価も上がるし、賃金も上がります。住宅ローンが・・という話がすぐに出てきますが、現状の賃金水準のままで住宅ローン金利だけが上がっていくというわけではないです。
現在の円安は異常な水準と思います。住宅購入も考えられない層の生活にエネルギーや食糧、飼料など輸入価格の高騰が影響を与えています。その要因の一つが世界の中で異常な水準の日本の低金利であるとしたら、是正したほうが良いと思います。