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陸上自衛隊がストレスに直面した時にやること[2022.6.18]

陸上自衛隊がストレスに直面した時にやること

【記事詳細】Yahooニュース

✍️記事要約

✅ 陸上自衛隊が「死ぬかもしれない」ストレスに直面した時にやること

仕事やプライベートでなんとなく疲れた、イライラするときは、極限状態で仕事をする「自衛隊流」のメンタルハックを参考にするといいかもしれません。教えてくれるのは、『ノンストップ!』(フジテレビ系)でも紹介され、SNSでも毎週のようにバズる、Twitterフォロワー19万人超え(※2022年6月時点)の異色の元自衛官・ぱやぱやくん(@paya_paya_kun)。

 今回は、ぱやぱやくんの最新の著書『飯は食えるときに食っておく 寝れるときは寝る』より、ストレス状態の見分け方と解消法を紹介します(以下、同書より一部編集のうえ抜粋)。

■ シャワーの水を長時間見つめる

 陸上自衛隊でのメンタルヘルス研修で、「災害派遣や海外派遣時の入浴で、蛇口やシャワーの水を長時間ボンヤリと眺めている隊員がいたら、よくケアをしたほうがいい」と教わったことがあります。人は精神的な疲労がたまると、単調な動きを見続ける傾向にあるそうです。

 もし単調な動きをずっと見ていられるのであれば、疲れている可能性があるので、お大事になさってくださいね。

 自衛隊が活躍する災害派遣の現場は、テレビで見ると頼もしいシーンや心温まるシーンが多いですが、実際には「責任感」や「使命感」という言葉では割り切れない「極度にストレスがかかる場面」に直面します。たとえば、鳥インフルエンザや豚コレラなどが発生した際は、大量の家畜を屠殺する任務が与えられます。心身ともにかなりキツいのに、あまり感謝されない辛い役目を追うことになります。

■ 「死ぬかもしれない」ストレスに直面

また、トンネル崩落事故の救助活動などの際には、「自分と部下が次の瞬間に死ぬかもしれない」というストレスに直面します。被災者の生活支援の際には、何日間も風呂に入れずに支援活動を頑張っているにもかかわらず、被災者から心ない言葉を浴びせられて傷つくこともあります。

 そんな日々が何日も続くと、一息ついたときなどに、急に頭の中が真っ白になって、何も考えられなくなります。このような状態を放置しておくと、瞬く間に人はストレスにつぶされてしまうのです。

 そんな状況を未然に防ぐために、陸上自衛隊では活動後に必ず「解除ミーティング」をします。このミーティングは何かの指示を出すものではなく、「自分が現場で何を思ったか、何に困ったか」をチームとして共有する行為です。ストレスがかかる環境では、「ねぎらって、意見を聞いて、身体の調子を確認して、希望を与える」ことがとても大事なのです。

■ スーパーマーケットで迷子になったことも

日常生活でも、自分の不得意な仕事をしたりして強いストレスがかかると、認知能力がかなり下がるので気をつけてください。ミスをしてはいけない、間違えてはいけないというストレスから、能力が下がることがあります。

 私は不慣れな仕事を早朝から夜まで、上司に追いつめられながらやっていたら、仕事が終わった後にスーパーマーケットで迷子になったことがあります。

 また、多大な不安とストレスがかかると、認知能力が下がり、「小銭が数えられない!」といった症状が出ることもあるようです。ですので、お店のレジでモタついている人がいても、イライラせずに、「辛いことがたくさんあったんだね……」と心の中で慰めてあげてくださいね。

■ 3日間休むことでフル充電

 心が折れる理由は仕事だけではありません。「ストレスは掛け算」だからです。

「ライフイベント理論」という考え方があります。人生のライフイベントを迎えるとさまざまな変化が起こり、それがストレスとなるというものです。「仕事」のストレスの他に、「借金」「家族や恋人との不和」「運動不足」「睡眠不足」「部屋が汚い」「偏った食生活」などがあります。こうしたストレスが積み重なると、今までだったらスルーできた出来事もダメージとしてやってきます。

 特に引っ越しや異動のある3~4月や、結婚や転職直後は不安定になりやすいので要注意です。良いライフイベントであっても、変化はストレスであることに違いありません。結婚などの幸せな変化であっても、疲労は遅れてやってくることがあります。ストレスがかなり溜まっている人は、仕事以外の要因を自分なりに考えて、解消できるところは解消したほうがいいでしょう。

 もし、「ちょっとまずいな……」と思ったときは、勇気を出して休んでください。「自分が休んだらみんなが迷惑する」と思うかもしれませんが、あなたが休むことよりも、ストレスで倒れた場合のほうが、周りのメンバーへのダメージはより大きくなります。あなたが倒れる前に休むことは、長期的に見れば周りのメンバーへの負担を減らすことにつながります。

■ 休みは3日連続でとるほうがいい
 休みを取るときは、できる限り3日休むことをおすすめします。陸上自衛隊時代に心理幹部をされていた下園壮太先生の本によると、米軍では強いストレスを感じている兵士に、「暖かくして3日間休め」と指示して、体力の回復と心をリセットさせると書いてあります。

 3日間の休み方ですが、次のことを意識してください。1日目は、「ストレスからの解放」。2日目は、「ひたすら休む」。3日目は、「明日に備える」。

 このように休むと、体力と気力を大きく回復することができます。2日しか休みがないと、「明日は仕事……」というストレスで、ゆっくり休めません。全回復のためにも、3連休を意識してくださいね。よく「1日休めば大丈夫!」と思っている人もいますが、1日だけの休みでは「翌日は仕事だ……」というストレスが付きまとうので、あまりリフレッシュできないという認識を持ってください。

■ ストレスが原因で別人格になる

 また、人間はストレスを受けると、「戦闘モード」になることも覚えておいてください。高ストレス下では、「警戒のために眠くならない」「食欲が減る」「攻撃に備えて筋肉が硬くなる」といった変化が起こります。そしてイライラして攻撃的になります。

 陸上自衛隊でも、普段は温厚な人が演習中に性格が短気になってイライラする場面によく出合いました。その経験から私は、ストレスがかかると人は「別人」になってしまうことがあるのだなと感じました。よく労務環境が悪い会社では、「言い方のキツい人が多い」などの話を聞きます。これはおそらくストレスによって余裕がなくなり、戦闘モードになっていることが原因かと思います。

 昼休憩がほとんどなくて食事を食べる時間もなく、夜遅くまで働いている人が、温厚でニコニコできることはおそらく不可能でしょう。もし、あなたが「最近の自分は嫌なヤツだな……」と感じたときは、ストレスが原因で別人格になっている可能性があります。

 嫌な人にならないためには、しっかり食事をとることを意識してください。食事をとると副交感神経が働いて、張りつめた気持ちをリラックスさせることができます。頭にも血が回るので、仲間にも配慮ができますよ。

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☘️ヤフコメ❗️ピックアップ☘️

✅ 自衛隊の皆さんの活躍の場は、国の防衛…、災害救助…と、ここ最近、増加の一方ですね。
自衛隊の活躍なくして、日本の安全、人命救助、災害復旧はないと思います。
過酷な状況での作業は、日々訓練を受けた者でなければ、到底できない事ばかりだと思います。

しかし、こんなに過酷な労働であっても、労働環境、条件、賃金はかなり低いと知りました。

自衛隊の皆さんが、ストレスなく、モチベーションを保ちながら活躍でる労働環境になる事を望んでます。
✅ 自衛隊で心理幹部第一号の東日本大震災でカウンセリングを担当された下園壮太さんの本を読むと参考になりました。PTSDになる人、鬱になる人などとてもわかり易いです。
この記事の元ネタ情報も下園さんが立ち上げた対処方法ですね。
もっともわかりやすかったのは体の疲労で極限に達していても凄惨な現場で自分が頑張らないといけないと
堅い決意で動いても脳が持つ自己防衛本能が働き緊急停止ボタンが働きやる気をなくさせ
動けなくなるというシステムですね。それを防止するために休養が重要だと。
✅ まさにこの著者の言う通りで、ポイントは総じて自分を俯瞰して観察するところにある。

自分自身をあたかも他者を見るがごとく、いま自分という人はどういう環境にあって、どういう動作状況にあるか、という客観的な他者の目で観ることによって、その後の方向性が見えることがある。

たとえ方向性が見つからなくても、その作業を行うことが癖になることで、それだけでストレス低減になるという。
自己感情の介在を排するということもひとつの原因かも知れない。

作戦行動中、死地に陥った兵士や事故に巻き込まれた登山家等で奇跡の生還を果たした人は、おしなべてこの客観視によって正気を保ち死地からの脱出に成功している。

災害時などに限らず日常の職場などでも活用できる。

いま○○さん(自分のこと)の現在のステータス、ポジション、環境を客観的に提示させてみようなどと、自分を離れたもうひとつの視点で見てみるといいかも知れない。

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