高野連「DH制」導入を本格検討
✍️記事要約
日本高野連が高校野球での将来的な「DH制」導入について本格的に検討を開始していることが6日、分かった。関係者によると、近未来での7回制の導入に向けて昨年12月に設置された「7イニング制等高校野球の諸課題検討会議」において、リプレー検証の導入とともに議題の1つに挙がっているという。
夏の酷暑の影響で、地方大会や甲子園では特に負担の大きい投手の健康を配慮することを中心に話し合いが進められている。「DH制」は日本でも社会人野球、全日本大学野球選手権などでも採用しており、U18のカテゴリーでは7回制も含めすでに導入している国も多い。国際ルールへの対応をはじめ、守備は苦手だが打撃に特化した選手などの出場機会増加にもつながるなど、メリットは多いと考えられる。
現場からも「DH制」導入を希望する声も挙がっている。昨夏の甲子園では明徳義塾の馬淵史郎監督(69)が「僕は7イニング制よりDH制の方が先やと思います。(先発投手がDHを兼任できる)『大谷ルール』ができたんだから」と提言していた。
高校野球は硬式、軟式を含め、大きな転換期を迎えている。7回制、リプレー検証の導入と並行して、日本高野連の宝馨会長(67)をはじめとした15人の委員メンバーを中心に、慎重に議論を重ねていく。
■英訳
It was revealed on the 6th that the Japan High School Baseball Federation (JHBF) has officially begun serious discussions on the potential introduction of a designated hitter (DH) system in high school baseball. According to sources, this topic has been raised alongside the introduction of replay review as one of the key agenda items during the “7-Inning High School Baseball Issues Review Meeting,” established in December last year to explore the adoption of a seven-inning format in the near future.
Discussions are primarily focused on considering the health of pitchers, who bear a heavy burden, particularly during regional tournaments and the Koshien tournament in the intense summer heat. The DH system has already been adopted in Japan for corporate and collegiate baseball, such as the All-Japan University Baseball Championship. In addition, many countries in the U18 category have already implemented the seven-inning format and the DH system. The potential benefits include aligning with international rules and increasing playing opportunities for players who may excel at batting but struggle with fielding.
Support for the DH system has also been expressed by those on the frontlines. During last summer’s Koshien tournament, Shiro Mabuchi, the 69-year-old coach of Meitoku Gijuku, suggested, “I think the DH system should come before the seven-inning format. Now that we have the ‘Ohtani Rule’ (which allows starting pitchers to also serve as the DH), it’s the logical next step.”
High school baseball, including both hardball and softball, is approaching a major turning point. Alongside the consideration of the seven-inning format and replay review, a committee of 15 members, led by JHBF Chairman Takashi Takara (67), will continue to deliberate carefully on these potential changes.
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☘️ヤフコメ❗️ピックアップ☘️
✅ DH制度は義務ではなく権利なので、例えば部員数が9人のチームはDHを適用せずに試合することができます。
また、複数投手制にもメリットがあります。
以前、甲子園大会の3回戦で、それまで2試合登板した打撃得意なエースが先発せずに、エースと双璧の力を持つ打撃苦手な控え投手が先発した試合がありました。この時、6番で起用されていた打撃得意なエースは野手としても先発出場しなかったため、7番以降の選手が一つずつ繰り上がって打順を組みましたが、劣勢で途中から登板した時には9番に入りました。相手チームの捕手は、「〇〇選手(打撃得意なエース)が6番にいなくて気持ちは楽でした。途中から出てきましたが、9番だと組み立ては楽です」とコメントしたのが印象的でした。
これがDH制ありなら、打撃得意なエースが登板しない時でもDHで起用することができ、リリーフ準備に専念できます。
現場の監督からは好意的な声が多そうです。
✅ かつてある飲料メーカーのコマーシャルソングで「子供の頃からエースで4番」というフレーズがありました。昔は一番能力が高い子が投手と中心打者を兼ねるのが珍しくありませんでした。高校野球でもエースで4番の選手が多かったです。
いまは少年野球の段階から、投手、打者の専門的な指導が進んでいる影響もあるのか「そういう野球小僧が少なくなりました」と高校野球関係者は口を揃えます。速いボールは投げられるが、野球の総体的な能力は…という子も増えているようです。このような時代背景を受けての高校野球「DH制」導入の本格的検討。注目していきたいと思います。