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投資家「桐谷さん」が「株価暴落」の時に考えていること[2021.11.23]

投資家「桐谷さん」が「株価暴落」の時に考えていること


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✍️記事要約

✅ 投資歴37年・資産4億円の「桐谷さん」が「株価暴落」の時に考えていること

37年の投資経験を持つ元棋士の桐谷広人氏(72歳)は、現在、株主優待と配当だけで生計を立てており、その資産はもうじき4億円を突破する勢いだという。

 その桐谷氏が、7月にダイヤモンド社より『一番売れてる月刊マネー誌ZAiと作った桐谷さんの株入門』『一番売れてる月刊マネー誌ZAiと作った桐谷さんの米国株入門』を2冊同時に刊行した。最近株を始めた人、これから株を始めようと考えている人に向けた入門書になっている。

 今回、その桐谷氏にポスト・コロナ時代を生き抜くための投資方法、大切にしている心構えなど、“桐谷流”投資術の極意を聞いた。

■岸田ショック、どうでした?

投資歴37年・資産4億円の「桐谷さん」が「株価暴落」の時に考えていること
桐谷さんは、チラシの裏に株価やチャートを書いて勉強しているそう
 ――まず、最近の話から聞かせてください。10月4日に岸田内閣がスタートしてからの1週間で、日経平均株価が700円超下落して、メディアでは “岸田ショック”と報道されました。影響を受けた投資家も多いと思うのですが、桐谷さんには何か影響がありましたか? 

 桐谷:何の影響もありませんでした。というのも、私はリーマンショックで大損して以降、紆余曲折を経て、株の買い方をガラッと変えまして、あまり世の中の動きに左右されなくなりましたので。

 現在は、株主優待のある株や配当の良い株など1000銘柄以上に分散投資して、その利益で生活しています。株主優待と配当を合わせて、4%以上の利回りのある株が狙い目という感じですね。

 そして、基本的には「高くなれば売って、安くなれば買う」というシンプルな売り買いを心懸けています。安い時に買っているために、持っている株の株価が、買った時よりさらに下がっても「自分より損している人が大勢いるんだから」と自分を納得させて静観していることが多いですね。第一、売ってしまえば、優待が受けられなくなりますし。

 こういう投資方法を実践していますので、“岸田ショック”ぐらいの平均株価の下落なんかには影響を受けないんです。

 まあ、菅元首相の退陣表明のあと、100円以上上がって上場来高値を更新していたソフトバンク(9434)株が今回の騒動で値下がりしたので、先日100株を指値注文したくらいですかね。ソフトバンク株に株主優待はありませんが、5%以上の配当利回りがありますから、少しでも安いうちに買っておこうと。

■私は「農業的投資」タイプ

投資歴37年・資産4億円の「桐谷さん」が「株価暴落」の時に考えていること
取材時にもたくさんの株主優待券を見せてくれた
 ――なるほど。しかし、下がってきた銘柄を買うのは勇気がいるのではないですか? 

 桐谷:ええ。「損切り」が大事と考える人なんかは、逆に「下がったら売れ」と言いますよね。コロナショックの時なんかは、日経平均株価が1万6500円台まで下がりました。でも、私からすると、下がった時点で売ってしまうと、損が確定してしまうんですよ。

 投資には、「狩猟的投資」と「農業的投資」の2タイプの投資方法があると考えています。狩猟的な投資家というのは、高い株をより高く売って利益を得ようと考えている売却益狙いの人たちで、投資で何十億も儲けるような天才的な人たちは皆このタイプです。

 彼らは、既にある程度高い価格を付けている株に、何か好材料が出てきて、今後さらに高くなると予想できる時に飛びつくわけです。逆に、何か悪い材料が出てきて、一旦株価が下がり出したら、どこまで下がるか分からないので、損切りのタイミングが大事になってくる。彼らは、わずかな株価の上下に常に目を光らせていて、急に総理大臣が辞めたりすると慌てふためくわけです。

 一方、現在の私は、たくさん種を撒いておいて、一定期間ごとに確実に収穫しようという農業的な投資方法を実践してます。株主優待のある株を中心に1000銘柄以上保有し、株主優待で人生を楽しむという方針です。

 大儲けはできませんが、楽しく生きることができればそれでいいんです。昨日も、優待券を使って木場で映画を観て、グルメ杵屋の株主優待券を使って「鴨せいろそば」を食べました。

 値上がり益は当てにしてないので、株価が上がっても下がっても一喜一憂することはない。下がっている時は、むしろ、新たな優待株を安く買うチャンスなんです。同じ優待を得るなら、より安い時に買った方が利回りが良くなりますからね。
何年か一度、必ず暴落は訪れる

投資歴37年・資産4億円の「桐谷さん」が「株価暴落」の時に考えていること

■「狩猟的投資」で痛い目にあったことも…

 ――新型コロナの感染拡大以降、先行きの見えぬ不安から、蓄財のために株を始める人が増えているそうです。今回の著書は、まさにそういう人たちに向けた株の入門書になっているわけですが、彼らにどんな投資を勧めたいですか? 
 桐谷:これから株を始める方には、値上がりを狙うギャンブル的な買い方だけじゃなく、優待や配当を重視した「農業的投資」もあるということを是非知ってほしいし、こちらの方を勧めたい。

 それと、リスクを減らすために、分散投資を心懸けることですね。詳しくは著書を読んでいただきたいのですが、今10~20万円しか金融資産がない若い方も、私が勧める買い方を実践してくれれば、老後は、年金を当てにせずに優待で暮らせるようになるはずです。

 私自身、リーマンショックでボロボロにされるまでは、猛獣狩り的な投資をしてましたから、そちらに飛びつきたくなる気持ちは痛いほど良く分かります。当時の私は、アフリカの草原にライオン狩りにでも行っているつもりでいたんですね。肉も毛皮も売って大儲けしようと企んでいたわけですよ。

 でも、撃っても撃っても弾が当たらず、挙げ句の果てには、逆にライオンに襲われ、死にかけた。イケイケの時にはつい忘れてしまうのですが、猛獣狩りって狩りが上手ければいいのですが、弾が外れたら襲われるんです。

 私が尊敬する評論家の岩崎日出俊さんも仰ってましたが、素人はギャンブル的な投資に手を出さない方が良い。コロナの影響は多少ありましたが、一応アベノミクスの延長線上で平均株価が上がってきていますよね。だから、ここ数年で株を始めた人は、まだ痛い目を見てないと思う。でも何年か一度、必ず暴落は訪れる。これだけは忘れないで頂きたい。

 それから、狩猟的な投資は精神的な負担も大きい。常に平均株価が気になって、仕事も手に付かなくなってくるんです。私の場合、独身ですので将棋を辞めて信用取引ばかりやっていた数年間は孤独で、リーマンショックに見舞われてからは精神的にもかなり追い詰められました。

 狩猟的な投資をしていると、皆一人勝ちを狙っているわけですので、友達のような投資仲間って作りづらいんです。友達のようでありながら、結局はライバルになってしまう。いかに出し抜くか、それしか考えませんから。周囲の人間が勝つと嫉妬するし、失敗したら「ざまあみろ」と思ってしまう(笑)。

■優待投資家は本当の仲間

 ――なるほど。そうなると、投資仲間と肝心な情報は共有できませんし、困ってる時にも相談しにくいですよね。

 桐谷:ええ。でも、優待株を重視する買い方にシフトしてからは、優待投資家の友人が増えました。情報を共有し合いながら、旨みを分け合うことができる本当の友人です。「この優待株がいい」なんて話を誰かがしたら、みんなで買って、その優待を一緒に使うこともできるんです。

 みんなで一緒に楽しむことができる友達がいるって、本当に素晴らしい。もし、私がリーマンショックで大損しなかったら、今より資産があったでしょうが、孤独な人生になっていたでしょう。

 最近は、「FIRE」を目指す人が増えているそうですけど、私はどうかなと思う。「株で一山当てて、残りの人生を遊んで暮らす」という夢を否定するつもりはないですが、投資だけして残りの人生を生きていくというのは、あんまり世の中の役に立ってないような気がしますし、何より生きてて楽しくないんじゃないかな。

 私が言うのも何ですが、株が人生の目的になってはいけないような気が…。まあ、やったとしても、そういう人の5人に4人は、途中で仕事に戻らざるを得なくなると思いますよ。

  ◇   ◇   ◇ 

その買うを、もっとハッピーに。|ハピタス

☘️ヤフコメ❗️ピックアップ☘️

✅ 桐谷さんのキャラ大好きです。株主優待を使うため自転車で走り回っている姿を見て笑わしてもらってます。これは頭の老化防止と体力増進に効果的なのかも知れませんね。
✅ 期限の迫った優待券を消費するためにチャリンコで都内を走り回る桐谷流ライフスタイルはとても真似できないが健康的かつ金も得られて一石二鳥ではある。
✅ この歳になられても、結婚したい子供欲しい、マンション購入したい・・そういう意欲的な考えが健康の源なのでしょう。70代であそこまで自転車に乗れる体力は尋常ではありません。

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