iPhoneを大掃除!もっと快適に使うワザとは
✍️記事要約
年末の恒例行事といえば大掃除だが、休みで時間ができたのを機に、iPhoneもきれいにしておきたい。と言っても、本体を磨くわけではなく、中身の話。年末年始の空き時間は、ため込んだiPhoneのデータを整理するにはうってつけだ。アプリを整理しておけば、スムーズに必要な機能にアクセスしやすくなる。ストレージの空き容量が足りなくならないよう、写真や動画を整理しておくのもいい。こうした作業は、時間がないときだとなかなか手をつけられない。のんびり休める年末年始にこそ、やりたい作業と言えるだろう。
どこから手をつけたらいいのかわからないという人は、まずストレージの空きを作るところから始めてみるといいかもしれない。microSDカードなどの外部メモリに対応していないiPhoneの場合、ストレージの容量不足は致命的で、より大きな容量の端末を購入しようと思うとコストも上がる。写真や動画などを残しておきたいものだけに絞り込み、本当に必要な容量を見極めるようにしたい。
使っていないアプリをインストールしっぱなしになっているのも、ストレージの無駄になる。また、アプリのアイコンだらけでごちゃごちゃになってしまったホーム画面も、このタイミングで整理しておくといいだろう。本当に使うアプリだけをホーム画面に置くようにすれば、操作の効率性もアップする。ここでは、年末に合わせ、iPhoneの中身を大掃除する技を紹介していきたい。
■サイズの大きな動画やスクショをサクッと消去
iPhoneのストレージを消費するデータとして筆頭に挙がるのが、写真や動画だ。特に動画は、撮影可能な解像度やフレームレートが徐々に上がっていき、最新のiPhone 13 Proでは、4K(3840×2160ドット)、60fpsでの撮影が可能になっている。解像度が上がっているだけでなく、秒間のコマ数が増えることで、データサイズは飛躍的に大きくなっていると言えるだろう。例えば、筆者が4K/30fpsで撮影した動画は、わずか1分弱で170MB以上になっていた。
ストレージの空きを作りたい場合、不要な動画を削除するのが効率的だ。このようなときに、iPhoneでは動画をデータ容量順に表示させることができる。手順は次のとおり。まず、「設定」アプリを開き、「一般」から「iPhoneストレージ」を選択する。次に、ストレージの中から「写真」アプリを選択する。動画の容量が大きい場合、この中に「自分のビデオを再検討」という項目が表示されているはずだ。
「自分のビデオを再検討」をタップすると、サイズの大きい順に並んだ動画が表示される。筆者の場合、もっともデータサイズの大きい動画は、1本で2GB以上もあった。ほかにも、1GB以上の動画があり、その数は計6本。上位6本の動画を削除するだけで、10GB弱の空き容量が作れることがわかった。
その動画をどうしてもiPhoneですぐに見たいというような場合をのぞけば、PCやオンラインストレージなどに移したあと、iPhoneから消去してしまってもいいだろう。同じ画面で右上の「編集」をタップし、消去したい動画を選択したあと「削除」をタップすると動画を消すことができる。
使い終わったスクリーンショットをそのままにしておくのも、iPhoneのストレージを圧迫する原因の1つ。スクリーンショットは、SNSへの投稿や友人、家族への送付が終わったあと、不要になるものも多いため、iPhoneの残しておく必要性が薄いはずだ。「写真」アプリから選択して1つ1つ消すのは、数が多いとかなり手間がかかる。このようなときは、「写真」アプリで「アルバム」を選択。メディアタイプから「スクリーンショット」を選ぶと、スクリーンショットだけが一覧表示される。
この状態で画面右上の「選択」をタップしたあと、「すべてを選択」を選んで右下のごみ箱アイコンをタップすると、スクリーンショットだけをまとめて消去することが可能になる。ただし、消去したスクリーンショットは、「最近削除した項目」に移るだけで、データ自体は1カ月ほど残っている。すぐに全消去したいときには、「最近削除した項目」からも、削除するようにしたい。
■使っていないアプリは本体を一時的に削除
アプリのデータ容量も、iPhoneのストレージを圧迫する要因の1つ。使っていないものは、削除しておいたほうがいいだろう。アプリによっては、1本で1GB以上のデータサイズのものもあるため、よく使うものだけに厳選すれば、意外とストレージが空く可能性はある。データイサイズ別にアプリを見たいときには、「設定」アプリの「一般」で「iPhoneストレージ」を開くといい。
筆者のiPhoneの場合、写真や動画をため込んでいる「写真」アプリが47.59GBともっともストレージを圧迫しているが、このアプリは必須なため、削除はできない。次にデータサイズが大きいのが1.61GBの「GarageBand」。アップル純正の作曲用アプリでiPhoneにプリインストールされているものだが、作曲をしない筆者にはあまり関係がないため、ほぼ立ち上げていない。こうしたアプリは、アンインストールしてしまっても問題はないだろう。
またいつか使うかもしれないが、当面予定はないというような人にお勧めなのが、アプリの本体だけ一時的に削除しておく方法。「設定」の「App Store」で「非使用のAppを取り除く」をオンにすると、使っていないアプリが自動的に消され、ストレージの空き容量が増える。使う時には再ダウンロードで少々時間がかかるが、利用頻度の低いアプリであればそこまでストレスは感じないはずだ。
自身のiPhoneでGarageBandの次に大きかったのが、1.43GBのTwitterアプリだ。Twitterでここまで大きくなるのかと疑問に思われるかもしれないが、「iPhoneストレージ」で「Twitter」をタップすればその謎が解明する。「iPhoneストレージ」でアプリを開くと、「Appのサイズ」と「書類とデータ」に分かれている。「Appのサイズ」はアプリ本体、「書類とデータ」はアプリが生成したデータだ。Twitterの場合、さまざまなテキストや画像が積もりに積もってこのサイズになってしまった。このデータは、「iPhoneストレージ」からは削除できない。
「書類とデータ」を消したいときには、Twitterを開き、「設定とプライバシー」から「アクセシビリティ、表示、言語」に進み、「データ利用の設定」で「メディアストレージ」と「ウェブサイトストレージ」を消去すればいい。ただし、筆者のTwitterは、この2つを合計しても数百MBで、1GBには到底届かない。このようなケースでは、いったんアプリ自体を削除してから再インストールするといいだろう。Twitter以外のアプリでも、同様の方法でキャッシュを削除できることがある。こうした作業には時間がかかるため、年末にまとめてやってしまうことをお勧めしたい。
■ホーム画面を整理してアプリを探しやすくする
大掃除のついでにやっておきたいのが、ホーム画面の再構成。アプリを並べ替えるだけだが、ホーム画面の画面数が多いと、意外と手間や時間がかかるからだ。ただ、アプリがズラリと並んでいると、使いたいアプリが見つけにくく、操作の効率が落ちる。利用するアプリはある程度厳選しておいてもいいだろう。
iOSは、2020年に登場したiOS 14でホーム画面の役割が大きく変わった。それまでのiOSは、インストールしたアプリのアイコンがズラリとホーム画面に並んでいたが、iOS 14以降は「Appライブラリ」が加わり、ホーム画面はショートカットという側面が強くなった。ホーム画面が、パソコンのデスクトップに近い役割になったと言えるだろう。そのため、iOS 14からは、ホーム画面からアプリを消す際に、Appライブラリに残すことが可能になった。
こうしたOSの特徴を生かし、利用頻度の高いアプリだけをホーム画面に残しておけば、アプリを選択しやすくなる。ホーム画面からのみアプリを消去したい場合は、アプリのアイコンを長押しすると表示される左上の「-」ボタンをタップし、「ホーム画面から取り除く」を選択すればいい。また、アプリを新規にダウンロードした際にも、ホーム画面に追加されないようにしておくといいだろう。「設定」アプリの「ホーム画面」で「Appライブラリのみ」にすると、アプリをインストールした際に、Appライブラリにのみアイコンが追加されるようになる。
海外でしか使わないアプリや、特定の業務をしているときにしか使わないようなアプリは、それだけをまとめたページを作るといい。ユーザーが指定したページを丸ごと非表示にできるため、普段はAppライブラリからしか見えないようにしておけば、ホーム画面のページ数を減らすことができる。ページの表示、非表示を切り替えたいときは、ホーム画面のアイコンがない場所を長押しして、Dockの上の「・・・・」と書かれた場所をタップする。ここでチェックを外すと、そのページが丸ごと非表示になる。
iOS 15では「集中モード」が加わり、これを活用することでホーム画面の特定のページの表示/非表示を切り替えることも可能だ。あらかじめホーム画面にアプリを配置したうえで、「集中モード」で特定のシーンを選び、「ホーム画面」をタップすると、そのモードにしている際に表示するホーム画面のページを選択できる。こうした設定は、わかっていても時間がかかるため、なかなか着手できない。空き時間の多い年末に済ませてしまうのがお勧めだ。
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