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ワクチン反対者が「怪しい陰謀論」にハマってしまう理由[2022.3.13]

ワクチン反対者が「怪しい陰謀論」にハマってしまう理由

【記事詳細】Yahooニュース

✍️記事要約

✅ ワクチンに反対する人が、アッサリと「怪しい陰謀論」にハマってしまう理由

 「子どもたちにワクチン打たせるな! ワクチン反対!」
「コロナウイルスは存在証明されていない」
「われわれは日本のQ」
「どんどん日本の未来の子どもが殺されている!」
「マスクを外そう!」

 今年に入って以降、このようなメッセージをノーマスクで叫ぶ反ワクチンデモが都市部を中心に全国で沸き起こっています。従来の反ワクチンデモと大きく異なる点は、全国的なネットワークが主導しており、参加する人々の行動が積極性を増して、陰謀論的な色彩が濃くなっているところです。1回当たり数千人~1万人程度が参加しているとみられています。

 急速な先鋭化の背景にはコロナワクチンに対する不安感があります。一連の反ワクチン運動に詳しい関係者によれば、特に子どもが接種対象になったことが影響し、母親の参加者が目に見えて多くなっているとのことです。ここに至る出発点には、重症化リスクのほとんどない子どもへの接種の是非をめぐる議論と、接種を強いる同調圧力に対する懸念がうかがえます。

 これらの現状の一端については、立憲民主党所属の参議院議員である川田龍平氏がブログで報告しています(一刻も早く被害者の救済認定を! /2022年1月26日付/川田龍平 ブログ)。川田氏は5~11歳の子どもへのコロナワクチン接種が始まろうとしていることに触れながら、

 「スポーツをしている子ども達は、ワクチンを接種しないと合宿や試合に参加できないためワクチン接種が半強制になっているそうです。 『基礎疾患の無い健康な子供達にもワクチンを接種をする必要があるのか? 』とお母さん達から懸念の声が上がってきています」

 などと有権者から聞いた話を取り上げています。

 もちろん、ワクチン接種は任意です。法律の文面上も努力義務(予防接種法第9条)と書いてあるに過ぎず、強制力はまったくありません。

 しかし、母親たちは周囲の同調圧力に強い恐れを抱いて、すぐ話を聞いてくれそうな人々や、共感してくれる人々とのコミュニケーションを模索します。可能であれば同じ問題に直面している母親たちと忌憚のない意見を交わして、少しでも精神的な緊張を解きたいからです。

 しかしリアルな人間関係の中ではまず相手が見つからないためSNSにつながりを求めます。そうすると、当然ながら、情報がセンセーショナルで拡散力のある陰謀論的な発想に基づく反ワクチン思想の人々と高い確率で出会うことになります。

 周囲にちょっとした困り事を相談できる者がおらず、家族からも理解されない境遇であれば、ますます孤独感や孤立感を深めてオンラインコミュニティとの関わりを強固にしていきます。

 そこで、結果的に孤独感や孤立感を癒やしてくれる享楽に目覚めるのです。デモや集会という場で長時間シュプレヒコールをやったり、共通の話題について座談会などをすることは、軽い変性意識状態(日常の意識を超える興奮やリラックスによって促される非日常的な気分)をもたらします。

 コロナ禍では物理的に人と人の接触を減らすことが推奨され、接触する際も距離を取り、短い時間でのやり取りが無難とされていることもあり、このようなニューノーマルに対する反動としてのデモや集会の快感はより大きなものとなり得ます。

 また、政治活動では珍しくない長時間のデモや集会は、未経験者にとっては未知の快楽への扉を開ける面もあるでしょう。集団的熱狂の中で自らの主張が承認され、自らの姿形が全体と一体化することは大変心地良いからです。

けれども、ここで次のような疑問もわき起こります。

 コロナワクチンに対する不安があり、例えば、それが学校において事実上、自分の子どもに接種を強いる構造になっているのであれば、それはその学校の問題であり、わざわざ変な人たちとつるんでデモをするのではなく、むしろ学校の実態を告発したりするなどして具体的な働きかけをするべきではと思う人が多いのではないでしょうか。

 また、職場において同調圧力で接種を強いるワクチンハラスメントが問題になりましたが、これも個別の事案であり、もし不利益な取り扱いなどを受けたのであれば、学校と同様の対応に移行するのが自然な流れといえると思われます。

 厚生労働省は、わざわざQ&Aで「職場や周りの方などに接種を強制したり、接種を受けていない人に差別的な扱いをすることのないよう、皆さまにお願いしています」と説明し、職場におけるいじめ・嫌がらせなどに関する相談窓口までを案内しているほどです(新型コロナワクチンQ&A)。

 また、単純に子どもへのワクチン接種に疑問を呈すならば、専門家や国会議員などに声をかけてロビー活動を展開した方が効果的です。

 しかしながら、集団的熱狂という、不安を癒す手っ取り早い解毒剤であるとともに、同志的なつながりで盛り上がれる興奮剤の効用を知ってしまったらもう後には引き返せません。

 これはジャーナリストのジェイミー・バートレットが2018年から指摘している「再部族化行為」の一種といえます。

 ネットでは希望するどんなタイプのコミュニティーでも見つけられるし、なければ自分で立ち上げられるので、志を同じくする何千もの人が結集することでつながっていられる。怒りを覚えたときには自動的に――往々にしてアルゴリズムによって――同じような怒りを覚えている者がみつけられる。社会学者が「同類性」と呼ぶものであり、政治学者は「アイデンティティー政治」と呼んでいる。世間では「類は友を呼ぶ」と言い交わしているが、私は「再部族化行為」(リ・トライバリゼーション)と呼んでいる(『操られる民主主義 デジタル・テクノロジーはいかにして社会を破壊するか』秋山勝訳、草思社)

 究極的には、自らのアイデンティティのよすがを部族的なネットコミュニティに求めることになるのです。

ここからはもはや真偽は大した問題になりません。善と悪あるいは光と闇といった明快な対立軸が作られることによって、人生を覆っていた濃霧が晴れ、疑いの目を向けるべき対象が露わになるからです。

 反ワクチンデモを主催する団体の一つは、自らを日本のQと名乗っています(QアノンのQという一文字を引き継ぎ、日本に移植したものと考えられます)。彼らが敵視するディープステート(闇の政府)とは、共謀して世界的な悪事を働いている組織やグローバルエリートを総称したものということができます。

 既存の秩序に肯定的であるばかりでなく、経済格差や戦争などを必要としており、人々の不幸で利益を得ている血も涙もない支配層がイメージされています。歴史的なルーツを紐解くと、ユダヤ人の秘密権力による世界支配を吹聴した偽書『シオン賢者の議定書』が知られています。

 分かりやすい巨悪が設定されることで対処法も明確になります。「ワクチン接種を拒否する」「ワクチン接種に異議を唱える」というシンプルな行為によって、人類の削減や家畜化を目論む新世界の秩序に抵抗するレジスタンスのような立場を獲得できるからです。

 陰謀論に根差した反ワクチン運動は、秘密結社に立ち向かう勇者になるための通過儀礼であり、即席で反グローバリズムの戦士になれる臨場感を作り出すのです。このようなスケールの大きな物語をまとうと、デモはただのデモではなく、世界的な闘争への参加、まるで聖戦のような輝きを帯び始めます。

 きな臭い世界観によって、それまで会社員や年金生活者、主婦などといったポジションで収まっていた彼らの主戦場は、家庭や学校といったあまりに日常的で退屈な空間から離脱し、サイバースペースを媒介してディープステートという巨悪との戦いという非日常的な空間へと飛翔するのです。もはやそれが実在するかどうかなど些細な問題です。自分を鼓舞できるかどうかが最も重要な要件になるからです。

 前出の関係者によると、デモ参加者は、「サタニスト(悪魔崇拝者)たちから子供を守る」「ワクチンによって子供の健康が破壊され、日本民族が滅亡するかもしれない」などと話していたことから、自分たちの生命を脅かす世界規模の陰謀に立ち向かうという図式が共有されていることは明らかです。

 ディープステートが仕掛けたパンデミック騒動に紛れて、自分が毒入りワクチンを打たれるかもしれないと考え、陰謀論に基づく反ワクチン運動が用意した「闘争の舞台」で「架空の聖戦」に参加するというわけです。それによって崇高なミッションを持つ「新しい自分を発見」するのです。

 もちろん、闘争といっても、デモや集会によってもたらされる享楽が目的であり、反社会的な行動の危険性はほぼありません。なぜなら、ディープステートの魔の手であるワクチン接種を回避し続けることが、強欲な支配層へのノーの意思表示、抵抗の証だからです。

 ここで彼・彼女たちが獲得したのは、まさに「世界の悪から浄化され、聖別されたアイデンティティ」とでも評すべきものなのです。ワクチン接種者から「毒素」が放出され、それを浴びると健康被害が出るという悪質なデマがありましたが、この世界観から見れば何の違和感もないエピソードといえます。

 未接種者は無垢で、清らかな存在、接種者は不浄、汚らわしい存在とみなされるのです。これが最終的には選民思想に行き着く可能性もあり得ます。「未接種者=真実に目覚め、体制に反旗を翻した者」「接種者=嘘に塗れ、体制に従属している者」という序列化、階層化によって、この社会の人々を色分けしていくのです。

 政治運動や既存宗教が魅力を失う一方の現代において、世界の不条理のカラクリとその根源を説明し、不満のはけ口を提供する新しい解決策の一つとして、秘密結社との闘争へと誘う反ワクチン陰謀論はその勢いを増しています。それは、あたかも現実空間に刺激的な情報を表示し、つまらなくなった現実世界にスリラーという妙味を添えるAR(拡張現実/Augmented Reality)のようです。

 同時にデモや集会という集団的熱狂を十二分に満喫している人々の言動を見るにつけ、もしかすると、コロナ禍ですっかり退潮してしまったリアルな出会いや仲間づくりを、よりドラマティックに、よりヒロイックに演出するためのコンテンツとして、反ワクチン陰謀論は重宝されているだけというのが真実に近いのかもしれません。

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☘️ヤフコメ❗️ピックアップ☘️

✅ 現実との整合性の取れないワクチンをあっさり鵜呑みにしてる程度の人間が一生懸命他人を見下してて笑える。

厚生省や海外の医療関係者、ファイザー等の正式な公表されてるデータや、コロナ禍以前の当たり前の医学的常識だけでも、山ほどブレーキをかけるべき理由を挙げられますよ。

理解する脳が無いだけでは?
✅ マスクやワクチンと言った任意であるものを半強制的にしている組織や大人達がこの日本をおかしな国にしている。ただ一つ言える事は今の国政より陰謀論と言われてる事の方が信頼性は高い。
✅ 政治談義なんて普通の人はあまりしないし、慣れてない。
自分だけは正しいことを知っている。若しくは隠された何かに、気が付いてしまったみたいな感覚は一種、選ばれた人間みたいで優越感があるのだろうね。

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