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武井壮が語るトレーニング理論とは[2022.5.11]

武井壮が語るトレーニング理論とは

【記事詳細】Yahooニュース

✍️記事要約

✅ 陸上十種競技の元王者・武井壮が語るトレーニング理論 子どもたちの努力を無駄にしないために必要なこととは?

UNIVERSITY of CREATIVITY(UoC)の近藤ヒデノリ(Hide)と平井美紗(Misa)がお届けするinterfmの番組「UoC Mandala Radio」。クリエイターに“ワクワクする社会創造の「種」を聞く”というテーマで、毎回さまざまな領域で社会創造をおこなっているゲストを招き、未来に向けた創造やアクションについて語らいます。

5月4日(水・祝)の放送では、タレント、日本フェンシング協会会長の武井壮さんがゲストに登場。学生時代のスポーツ活動を振り返り、日本フェンシング協会が実施している取り組みについて語ってくれました。
◆プロ野球選手を目指していたのに、陸上の道に進んだ理由

陸上十種競技の元日本チャンピオンであり、引退後はタレントとして活動。これまでゴルフ・野球・格闘技・柔道などさまざまなスポーツに挑戦。2021年には日本フェンシング協会の会長に就任しました。

Misa:今日のゲストは「百獣の王」、武井壮さんです。

武井:よろしくお願いします!

Hide:武井さんはこれまでいろんなスポーツをやられてきたと思うんですけど、最初は何のスポーツを始められたんですか?

武井:3歳ぐらいのときの柔道を。

Hide:おお!

武井:小学校に入ってからは空手道場に通ったので、最初は武道なんですよ。小学生の終わり頃から野球を始めて、中学では野球部に所属していました。高校は学費を稼ぐことで精一杯だったので、スポーツをそこで一旦諦めて地理・歴史研究部に入って、大学から陸上部に入りました。

Misa:地理・歴史研究部に入ったのはなぜですか?

武井:当時は両親と暮らしていなくて、お金がなくて遠征費などの負担の大きい運動部での活動ができなかったんです。それに、成績がトップになると学費がタダになる私学にいたんですよ。プロ野球選手に本当はなりたかったんですけど、野球部に入ると寮生活になって部活動の時間が増えるし、単位を落とすかもしれないと思って諦めました。

「大人になってからスポーツでタイトルを獲ろう」と決めて、高校時代はとにかく勉強に集中して大学に進学するために、自分の担任が担当していた部活に所属しました。

Misa:なるほど。私のなかでは(武井さんは)十種競技ってイメージが強いんですけども、野球をやらずに陸上の道に進んだのは、どういった経緯があったのでしょうか?

武井:野球は大学に入ったときにプロテストを受けようと思っていました。神戸の大学だったので、オリックス・ブルーウェーブ(現オリックス・バファローズ)の方とかに話を聞いて、入学時からテストに向けたトレーニングはしていたんですよ。

テストの一次試験は余裕で通る成績だったので、実技のために野球部の練習に参加させてもらったりしていました。だけど、そのときにたまたま陸上部に声をかけてもらったんですね。スポーツテストをおこなったときの僕の数値が、大学の中で全種目でトップだったんですよ。

Misa:すごい!

武井:それを見てくれていて、「すごいね」って声をかけてくれたんです。どんなスポーツをやっても対応できるように、中学、高校時代にトレーニングだけは続けていたんですよ。陸上部に見学に行ったら、なんとなくの流れでジャージを買わされることになり、しばらくして名前入りのジャージが(自宅に)送られてきてしまったんです。

Hide:(笑)。

武井:お金も払っちゃったし、「足が速くなるぐらいには(経験)しておこうかな」と思って入部しました。

Hide:へええ!

武井:本心ではまだ野球をやりたかったんですよね。だけど、夏合宿が始まって2ヶ月後ぐらいにデビュー戦があったんですよ。デビュー戦で100メートル10秒台を出したのですが、それがニュースになって地元紙の神戸新聞とかにドカンと出ちゃったんですね。

スポーツで社会的認知を受けたのってそれが初めてのことだったから、「俺はもしかしたら(可能性が)あるんじゃないの?」と思って、陸上の練習にさらに熱心に取り組むようになりました。それで大学3年生になったときに十種競技を始めました。

Hide:それでチャンピオンになっちゃったんですねぇ。

武井:そうなんです。

■ ◆技術練習よりも重視していたこととは?

Hide: 一つのことをずっとやっていくイメージがスポーツにはあると思うんですけど、武井さんはいろいろやってきたから結果が出せたんですかね? それとも、元々の才能もあったんですか?

武井:才能はあんまり関係ないです。僕のトレーニング理論が、あとから始めても大丈夫なようにちゃんと組み上げられていたんですね。子どもの頃からトレーニングしている子って、アスリートっていうよりかは“職人”なんですよ。技術の練習をたくさんしているから、他の子よりも卓越している。そして、その動きの練習をいっぱいやっているから、その動きに対してだけ強度のある体になるんですよ。

Hide:なるほど。

武井:野球選手がサッカーをしてもうまくならないし、陸上選手が泳いでも速いわけではない。みんな職人なだけなんですよ。肉体がアスリートなんじゃなくて、やってきた技術練習の数だけ上達しているっていうこと。言ってしまえば「壺を作るのが上手なお爺ちゃん」と同じ状態なんです。一方で、僕の理屈は「どのスポーツの技術練習もしません」なんですね。その代わりに何をするのかっていうと、頭で思ったことを思った通りに実行する練習をするんですよ。

Hide:体を思い通りに動かせるようになる練習。

武井:そうです。スポーツって「こうしたい」と思ったことができたら、全部成功なんですよ。あとはフィジカルの強さじゃないですか。

Hide:うんうん。

武井:やろうと思ったことができれば技術練習はいらないわけです。でもみんな、技術練習に20年とか費やしますよね。そのなかで成功するのって、高校・大学のトップの限られた数人じゃないですか。

Hide:めちゃくちゃ狭い門ですよね。

武井:このことにどれだけGDPをロストしているんだろうって、僕はいつも考えています。そこに関わった人たちのエネルギーを経済活動に充てられたら、日本はけっこうな経済大国になれるのではないかって僕は思っているんですよ。

Misa:そうですね。

武井:一番元気な子たちが一番エネルギーを使っているわけだから。

Hide:しかも、時間もずっと費やしていますしね。青春時代も含めて。

武井:そうなんですよ。そのことに俺は「もったいないな」って常に思っています。努力の時間をこれだけ積んだのに、何もならなかったっていうのは嫌ですよね。

Hide:つらいですよね。

武井:スポーツのモチベーションが下がるときってそれなんですよ。めちゃくちゃ練習したのに記録が出なかった。そんな地獄みたいなことって、あってはいけないと思うんです。そういうことが起こらないためには何をすればいいのかを考えました。頭を使ったっていうよりかは、“執念”ですね。

Hide:うんうん。

武井:自分がしてきた努力は絶対に糧にする知識を手に入れよう、というところからスタートしています。

◆世界で活躍できる可能性がフェンシングにはある

武井:現在、日本フェンシング協会のプロジェクトに、「フェンシングパーク」というものがあります。無料でフェンシングを教えてもらえて、そこのコーチは元日本代表という施設を各地に建てるプロジェクトです。その1号店を福岡に作っているんですけども、これって完全な“シェア”なんですよ。

プレイしたい人は無料でフェンシングをそこで学ぶことができる。ただ、フェンシング人口の増加のために選手登録をお願いしていて、年間1万円ぐらい払ってもらえれば、日本代表のコーチから毎日のようにレッスンを受けられるという施設です。

Misa:へええ!

武井:では、我々の利益はどこから生むのかっていうと、フェンシング協会が育ってほしいと賛同してくれる自治体や企業などがバックアップをしてくれているんですね。当然、投資家たちも無料で施設を利用できます。投資したものがゼロバックではないんです。

Hide:うんうん。

武井:僕らが施設を支えていれば、自分の子どももここに通えるし、フェンシングを介して騎士道精神だったり、礼儀も学べるわけです。今後、もしかしたらオリンピックで金メダルを狙える選手が生まれるかもしれない。今の日本って、フェンシングのプレイヤーが5,000人ぐらいしかいないんですよ。それにも関わらず金メダルを獲っているんだから、フェンシングってかなりのチャンスがある競技だと思うんですよね。そこに早期参入できるとすれば、投資のメリットもかなり高いと思います。

Hide:そうですね。

武井:1万円を払うわけですから、同じように会費をとる競技との差別化を図りたいんですよね。他のスポーツとの競争を避けて、さらに技術をシェアできる場所を作っていこうと考えました。

日本代表がコーチっていうのがウリなので、フェンシングを引退していく人たちがあらたな生業として働くことができる場所を作れればいいなとも思いました。これまでフェンシングを捨ててサラリーマンをやっていた元選手たちが、フェンシングの指導者として街のサポートを受けながら、地元と繋がり、子どもたちを育てる。そうした環境を作りたいですね。

Hide:素晴らしい。

武井:それが、日本フェンシング協会の会長としてやりたいことです。47都道府県に施設ができれば、他のスポーツよりもマーケットを拡大できる可能性もゼロじゃないと思っています。

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☘️ヤフコメ❗️ピックアップ☘️

✅ 武井さんがテレビに出始めだ頃、体育大の後輩が、私の様な芸人(?)がいる、と驚き私に教えてくれた。
彼と同じ歳と比べても、凄い人がいるな、と勉強になった。残念ながら、同窓ではなかった。遥かに知的な方だった。
私もスポーツができる方だが、武井さんと違いがある事もわかった。
私は、スポーツ崩れだが、武井さんは違う。悪く言うと、エリートコースに参加もしていない。
私の運動パフォーマンスの原動力は、癖のある身体による瞬発力と運動神経だろうか。
武井さんは、癖のない身体をトレーニングで仕上げて、運動パフォーマンスを発揮できるプロか?。
今後は、武井さんの様な、癖のない身体を体幹トレ等で鍛え、スポーツ種目を練習していくのが流行るのだろうか?。
子供から一つの種目だけを続け、身体を壊すのは、本末転倒かも知れない。
プロを目指す人は、勉強中心。そんな時代が来ているかも。
私も、腰痛でエリート脱落でした。

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