中澤佑二が語った“パフォーマンスを高める極意”
✍️記事要約
キャプテンマークを腕に巻き、数々の重圧のかかる試合を経験してきた中澤佑二が、スキンズ・コンプレッションウェアを体験。プレッシャーを味方につけ、パフォーマンスを高める方法を語った。
厚い胸板と引き締まった腹筋。スキンズのコンプレッションウェアを纏った中澤佑二の身体は、引退した選手とは思えないほど磨き上げられていた。
「上半身のウエイトトレーニングをするようになって筋肉が増えたんでしょうね。現役の頃と比べて体重は4、5kg増えました」
選手時代はすべてをサッカーに捧げる生活だった。揚げ物やアルコールは一切口にせず、睡眠時間を確保するため常に規則正しい生活を送ってきた。引退して3年が過ぎた。さすがに以前ほど食事には気を遣わなくなったものの、身体を動かすのは今も日課となっている。
「毎日1時間は運動するようにしています。最近はちょっと体重を落としたいので、有酸素運動を多めにして、5kmのランとウエイトトレーニングをする日と10kmランの日を交互に繰り返しています」
■「着心地もすごくいい。サラッとしている」
これまでウェアにはこだわらず、春夏は半袖に短パン、秋冬はジャージが定番スタイルだった。しかし、今回スキンズのコンプレッションウェアに袖を通して、その考えが大きく変わった。
「身体にフィットして支えてくれる感じが気に入りました。これでパフォーマンスが上がったり、早期の疲労回復に繋がるなら絶対に着るべきですね。着心地もすごくいい。身体を動かして汗をかいた後もサラッとしています。いくら機能が良くても着心地が悪いと身に着けようとは思わない。その点もスキンズは、考えて作られていますね」
スキンズは1996年にオーストラリアで誕生したコンプレッションウェアのトップブランド。独自の『段階着圧』設計により血行を促進、さらに筋肉の無駄な動きを軽減することで競技パフォーマンスの向上や疲労回復が期待できる。中澤も現役の頃は、ふくらはぎに着用していた。
「プレーの時だけじゃなくて、飛行機移動でもよく着けてました。着けると足の疲労感が全然違いますよね。当時はコンプレッションウェアが主流じゃなかったので僕はふくらはぎだけでしたけど、全身揃えられる今の選手たちが羨ましいですね」
■ 岡田武史監督との出会いで得たもの
圧力(プレッシャー)を味方につけ、パフォーマンスを高める。これはアスリートに求められる重要な要素でもある。代表キャプテンも務めた日本屈指のディフェンダーは、さぞ強靱なメンタルを持っているのかと思いきや「実はPKも蹴れないくらいプレッシャーに弱いタイプ」と笑う。
「若い頃は自分はすごいんだと思い込むことで克服しようとしたこともありました。でも、すぐに暗示が解けてしまう。結局はごまかそうとしてもダメで、現状を受け入れるしかないんです。大事なのは自分のいいところを忘れないということ。なぜ選ばれたのか、なぜスタメンで出るのかを考え、求められていることを全うすることだけを考えるようになりました」
強者のメンタリティーを手に入れたのは2003年に横浜F・マリノスの監督に就任した岡田武史との出会いだった。
「それまでの指導者は失敗を認めてくれない方が多かったので、良いプレーをしようと自分でプレッシャーをかけていました。それが岡田さんが来て『サッカーって失敗するものだし、メッシだってマラドーナだって、どんなスーパースターでも、試合中何十回って失敗してるじゃないか』と。『失敗を恐れても成長しない。ポジティブなミスはしてもいいんだ』という指導を受けてから重圧を味方にできるようになりました」
如何にプレッシャーと向き合い、味方にするか。パフォーマンスを高める鍵はそこにあるのかもしれない。