仕事のクオリティが高い人がしている「賢い休み3選」
✍️記事要約
•休日、休んだつもりなのに、あまりリフレッシュできていない……
•休日の過ごし方にイマイチ充実感がない……
•せっかくの休日なのに、何をすればいいのかわからない……
そんな「休み下手」ゆえ、せっかくの休日を有効活用できていない人は多いはず。
大人の女性向けメディア「BAILA」が2022年に行なったアンケート調査でも、「充分に休息を取れていると感じますか」という質問に対し、過半数の人が「まったく感じない」「どちらかといえば感じない」と答えました。(@BAILA|【働く私たちの休み方のリアル】BAILA読者アンケートでわかった「みんな最近休めてる?」より)
平日に万全のコンディションで仕事に臨むためには、休日を使ってしっかり心身をリフレッシュすることが不可欠。以下にご紹介する3つのポイントを押さえ、「休み上手」な人になりましょう。
■働き上手は「休み上手」
平日に高い生産性を発揮できる人は、休みの日を賢く活用し、心身を休息させるのがうまいものです。
そんな事実を示すデータのひとつが、厚生労働省が2019年に発表した資料『令和元年版労働経済の分析』にあります。
本資料では、アンケートで「仕事と余暇時間の境目のマネジメントが『出来ている』と自己評価」した人たちにおいて「ワーク・エンゲイジメントが高い」人の割合が大きかった、との結果が示されています。「ワーク・エンゲイジメントが高い」状態とは、「仕事に誇りとやりがいを感じ、熱心に取り組み、仕事から活力を得て、いきいきとしている状態」のことを指すそう。
(厚生労働省『令和元年版労働経済の分析-人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について-』第1節 ワーク・エンゲイジメントに着目した「働きがい」をめぐる現状について および 第4節 リカバリー経験(休み方)と「働きがい」との好循環の実現に向けて より)
つまり仕事のオン/オフを切り替え、休日にしっかり休めている人ほど、平日の仕事にも高いモチベーションで臨めるようになると考えられるのです。
では逆に、リフレッシュにつながりにくい「間違った休み方」とはどんなものなのでしょうか? 人材育成事業を展開するゼルバナの創立者、マット・プラマー氏は「休暇を誤用する人」として以下の3タイプを挙げています。
あなたがもし上記3タイプのいずれかに当てはまるなら、休日の過ごし方を見直すべきかもしれません。
幸福感や仕事の生産性向上につながる「上手な休み方」のヒントとして、以下にご提案する3つのことを参考にしてみてください。
■ 上手な休み方1. あえて「緊張」をつくる
「休む」といえば、前章で挙げた「カウチポテト派」のように、ひたすら家でゴロゴロして過ごすようなイメージが強いもの。しかしじつは、こういった休み方では、脳が休まらないようです。
神経内科医の米山公啓氏いわく、「『緊張』から解放されるとき、脳は深くリラックスする」。というのも、「脳は、常に『変化』による刺激を求めて」いるからだとか。(引用元:Woman type|疲労回復には緊張が必須? 脳科学者が明かす「だらだら休む人」の疲れがとれない超明白な理由【医学博士・米山公啓 監修】)
つまり、脳をリラックスさせるには、「緊張」と「緩和」が必要だということです。
たとえば、普段行かないようなレストランに行ってみる。行ったことのない観光地まで足を運んでみる。久しぶりに友人に会ってみる——このようなワクワクドキドキとした「緊張」を楽しむ一方で、ホッと一息つくリラックスタイムもきちんと設けてみましょう。脳をリラックスさせるには、こんな「緊張」と「緩和」のメリハリがついた一日を送ることが大切なのです。
休日に家にこもるだけだと「たっぷり休んだはずなのに、なぜかリフレッシュできていない」……ということになりがち。そうならないために、いい「緊張」を織り交ぜることを意識してみてください。
■ 上手な休み方2. いろんな場所に「移動」する
電車や車でどこかに出かけたり、知らない街をただ歩いたりしただけで、不思議と心が晴れた。そんな経験はありませんか? じつは、ただ単に「移動する」ということにも、じつはあなどれないリフレッシュ効果があります。
マイアミ大学准教授で心理学者のアーロン・ヘラー氏らによる研究(2020年)で、「日々の身体的な位置の変動が人間のポジティブな感情の増加と関連する」ことが判明したそうです。
「132人の動きをGPSで3、4カ月追跡調査」し、「心理状態を問うアンケートにも答えてもらい、被験者の一部の脳をMRIなどで分析」したところ、「行ったことがない場所に行くなど探索の度合いが高い日には、より幸せを感じる、というデータが示された」のだとか。
(カギカッコ内引用元:朝日新聞GLOBE+|「人は移動するほど幸せを感じる」という研究成果 「遠出するとスカッ」は本能かも)
つまり人間は、いろいろな場所に行っていろいろなものを見るという行為に幸福を覚えるものなのです。
ヘラー氏いわく「どれだけ遠くへ、ではなく、どれだけ多様な新しい場所に行くかが重要」。(引用元:同上)
必ずしも派手な旅行をする必要はありません。たとえば、次の休日には降りたことのない駅で降りて、探索してみてはいかがでしょう。知らない街を歩いたり、初めて行くお店をのぞいたりするだけでも、十分に幸福感を得られるはずですよ。気持ちが晴れるぶん、リフレッシュにもつながるのではないでしょうか。
■ 上手な休み方3. 完全に仕事を忘れる
基本的なことですが、休日には仕事のことを完全に忘れることも大切です。
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス助教授のローラ M. ジョージ氏によると、「休みの日に働くことは仕事に対する内発的動機を低下させることが示された」のだそう。(引用元:DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー|休みの日に仕事をしてはいけない。本当に。)
言われてみれば当然のことですが、年がら年中休みなく仕事のことばかり考えていると、いずれ仕事にウンザリし、やる気の低下につながってしまうわけです。
たとえば、「休む」と決めた日には以下のような工夫をし、仕事から完全に離れてみてはいかがでしょうか?
休日に仕事を家に持ち帰らない
メール、メッセージアプリなどの通知を切り、仕事の情報が入ってこないようにする
仕事関連の書類などが目に入らないようにする
仕事のための本などを読まない
休日には仕事のことを頭から完全に排除する――つまりオン/オフを明確に切り替えることが、平日の仕事のモチベーションを維持することにつながるでしょう。
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「休んでも疲れがとれない」「休息のとり方が下手だ」といった自覚があるなら、上にご紹介した3つの「上手な休み方」をぜひ実践してみてください。