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ルワンダ虐殺30年 今も遺体捜す[2024.4.7]

ルワンダ虐殺30年 今も遺体捜す

【記事詳細】Yahooニュース

✍️記事要約

✅ ルワンダ虐殺から30年、今も遺体探す家族ら

ルワンダの村ヌゴマ(Ngoma)で、マスクとゴム手袋を着けた約100人のボランティアが陰鬱(いんうつ)な面持ちで赤土を掘り返す。斜面の上から多くの人がその様子を見守る。

かつて1軒の家が立っていた場所から大量の骨が出てきた。ルワンダ虐殺から30年。今も遺体が見つかっていない犠牲者が多い。
 頭蓋骨、歯、骨のかけらなどが、慎重にプラスチック袋に入れられる。靴や衣服の切れ端は、行方不明者を特定する手掛かりになり得る。
「深く掘れば掘るほど、遺骨の混じった土の層に当たる」。フエ(Huye)地区のアンドレ・カマナ副区長は険しい表情で語った。
 ジェノサイド(大量虐殺)の生存者団体「イブカ(Ibuka)」の関係者は1月末、AFPの取材に対し、この場所では1週間の発掘作業で計210人の遺体が発見されたと述べた。
 同じ村のバナナ農園でも35人の遺体が発見されたという。ボランティアの一人、ゴレス・ウウォンクンダさん(52)は「すべての遺体が発見されたと確信できるまで、ここで捜索を続ける」と語った。
 1994年に多数派フツ(Hutu)の過激派政権が扇動した虐殺から30年たった今も、集団墓地は驚くほど頻繁に発見されている。
 国連(UN)の推計によると、同年4~7月の約100日間に及んだ大虐殺では、少数派ツチ(Tutsis)を中心に約80万人が殺害された。
■「家族の秘密」
 首都キガリから車で3時間ほどのヌゴマでは当時、道路が封鎖され、ツチは車から引きずり下ろされ殺されたとウウォンクンダさんは言う。
「この村の歴史は恐ろしいものだ。ここは集団墓地の一つで、遺体が捨てられた」とAFPに語った。「遺体の上に遺体を埋めた。大きな骨、失われた部分がない全身の骨や頭蓋骨も出てきた」
 家の下から集団墓地が見つかった一家のうち5人は、大量虐殺への関与と証拠隠滅の疑いで逮捕された。幹線道路から離れた丘の中腹に立つ、何の変哲もない田舎の家だった。

捜査は昨年10月、当局への密告をきっかけに始まった。イブカの代表ナプタリ・アヒシャキエ氏は「あの家の住民は、自分たちの下に何があるのか、知っていた疑いがある。一家の秘密だった」と語った。
 この発見は近隣住民を恐怖に陥れた。ウウォンクンダさんは「ここに住んでいる家族を知っているが、彼らが毎晩遺体の上で平気で寝ていたことにとてもショックを受けている」と言った。
■遺体を探し続ける家族

 こうした集団墓地は今も全国各地で発見されている。
 西部ルシジ(Rusizi)地区では昨年4月、カトリック教区に属する農園から1100体の遺体が発見された。
 2020年4月には東部のダム付近で、3万体を埋めたと思われる穴が発掘された。その半年後、ガシボ(Gatsibo)地区では5000体が発見された。
 イブカによると、過去5年間だけでも全土で10万人以上の犠牲者の遺骨が発掘されている。
 イブカのアヒシャキエ代表は「最大の問題は、虐殺に加わった人やその親族が、集団墓地の場所に関する情報をかたくなに秘密にしていることだ」と指摘する。
 ヌゴマの農民セレスティン・カンバンダさん(70)はジェノサイドで子ども7人を失い、1人の遺体も見つかっていない。
 いまも遺体を探し続けている。泥の中から見つかる服の切れ端や骨のかけらから、手掛かりが得られないかと期待している。
「1人でも見つかればと思ってここへ来た。姿を消したときに着ていた服から、どの子か分かるかもしれない」
「いつか、きちんと埋葬してあげたい」とAFPに語った。

■英訳

In the village of Ngoma in Rwanda, about 100 volunteers wearing masks and rubber gloves somberly dig into the red earth. Onlookers watch from the hillside where a house once stood, now revealing a mass of bones. Thirty years after the Rwandan genocide, many victims remain undiscovered. Skulls, teeth, and bone fragments are carefully placed in plastic bags, while scraps of shoes and clothing could provide clues to identify the missing. "The deeper we dig, the more layers of soil mixed with human remains we encounter," said Andre Kamana, deputy mayor of Huye district, with a grim expression. Survivors' group Ibuka stated that 210 bodies were found in a week of excavation at this site. In a banana plantation in the same village, 35 bodies were discovered. Volunteer Goless Uwankunda, 52, vowed to continue searching until all bodies are found. Thirty years after the genocide instigated by the extremist Hutu regime in 1994, mass graves are still being unearthed with alarming frequency. According to UN estimates, about 800,000 people, mainly Tutsis, were killed during the 100-day massacre from April to July of that year. In Ngoma, a three-hour drive from the capital Kigali, roads were blocked, and Tutsis were dragged from cars and killed, as recounted by Uwankunda. "The history of this village is terrifying. It's one of the mass grave sites where bodies were dumped," he told AFP. "Bodies were buried on top of bodies. Large bones and intact skeletons with no missing parts were also found." Five members of a family whose mass grave was found under a house were arrested on suspicion of involvement in the genocide and evidence tampering. The investigation began last October following a tip-off to the authorities. Naphtali Ahishakiye, Ibuka's representative, said, "The residents of that house may have known what was underneath. It was a family secret." This discovery has left neighboring residents terrified. Uwankunda said, "I know the families living here, and I'm shocked to learn that they were sleeping comfortably on top of the bodies every night." Families continue to search for bodies. Mass graves like these are still being discovered nationwide. In Rusizi district in the west, 1,100 bodies were found in a Catholic parish farm last April. In April 2020, a pit believed to contain 30,000 bodies was unearthed near a dam in the east. Six months later, 5,000 bodies were found in Gatsibo district. According to Ibuka, over 100,000 victims' remains have been excavated across the country in the past five years alone. Ahishakiye, Ibuka's representative, pointed out that the biggest problem is that those involved in the genocide and their relatives stubbornly keep the locations of mass graves secret. Celestin Kambanda, a farmer in Ngoma, lost seven children in the genocide, and none of their bodies have been found. He continues to search for them, hoping to find clues in clothing scraps and bone fragments buried in the mud. "I came here hoping to find even just one person. Maybe we can identify which child it is from the clothes they were wearing when they disappeared," he told AFP. "Someday, I want to give them a proper burial."

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☘️ヤフコメ❗️ピックアップ☘️

✅ ツチ人とフツ人は同じ言語を話す民族だったわけですが、背が高い低い、牛の飼育頭数が多い少ないによって区分されていました。宗主国であったベルギーは、1935年にツチ人とフツ人を区別する身分証明書を発行し、支配階級であるツチ人を優遇する政策を採ります。

1994年にルワンダとブルンジの両大統領(共にフツ人)が乗った飛行機が撃墜される事件が発生。これがツチ人による反政府運動の一環であると疑われ、フツ人によるツチ人や穏健派フツ人への虐殺が発生し、メディアを占拠して虐殺行為を叫びました。

実は、この虐殺が発生することをフランスは事前に知っていて黙認しています。現仏大統領、前仏大統領ともに「ミスがあった」と認めていますが謝罪はしていません。現ルワンダ大統領であるポール・カガメが政権を担うと、身分証明書を廃止し、また英語を公用語として英連邦に加盟するなど、フランスと距離を置く方向性を示しています。
✅ 昔この辺りを旅したことがある。ウガンダからルワンダへ入国する時に隣で並んでいたお婆さんの指が無かった。1本じゃなくて右手全部。良く見ると手の甲と腕にも大きな傷跡が残ってた。あの信じられないような出来事が本当にあったのだと思い知らされた瞬間で、ショックを受けたのを覚えている。
でもその後入国審査官にスマホを盗られそうになってやっぱ油断できねえわって正気に戻った。

入国した後は道端にも街中にもゴミ一つ落ちていなくて、とにかく掃除が行き届いているのを見てまた衝撃を受けた。アフリカのシンガポールと言われるだけあってとても勤勉な人たちだったよ。
✅ 虐殺で亡くなった方の遺体を探すことは、歴史を正しく把握する上でも重要。
ただ、こうした問題で難しいのは、当事者たちが存命しているあいだに調査を進めると、責任追及が始まるおそれがあること。そして、一旦、和解したのに、再び対立が深まってしまう危険性がある。
実際、この記事では遺体の上に住んでいた家族が逮捕されて責任追及されている。それは当然なことだと思うけど、当事者が存命しているあいだの調査と責任追及は慎重に行う必要があると思う。

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