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新年度 リスキリングどう始める?[2024.4.15]

新年度 リスキリングどう始める?

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✍️記事要約

✅ 新年度、リスキリングどう始める? キャリアは「自分ごと」と考えて

新年度スタートの4月は、新しいことを始めたいと思う人も多い時期だ。政府が今後5年間で1兆円を支援するというリスキリングへの関心も高まっているが、一歩を踏み出せない人も多い。どう始めたらいいのか。キャリア開発が専門の法政大キャリアデザイン学部の田中研之輔教授(47)に聞いた。【聞き手・道永竜命】

◇歴史的な転換 「人的資本経営」

 ――なぜリスキリングが必要なのでしょうか。

 ◆労働人口の減少により、企業は人材を(経営のために活用する)資源ではなく、投資の対象と捉えて価値を高める「人的資本経営」に移行しています。この歴史的な転換が最大の理由です。投資の対象である従業員のポテンシャル(潜在能力)の最大化を図るために必要なのがリスキリング施策であり、人的資本経営のエンジンの一つです。

 企業側は業務の一環として従業員に新しいチャレンジをしてほしいと考えるようになっています。従業員側も新型コロナウイルス禍以降、自分で人材的な価値を高めていこうという意識が強くなっています。リスキリングは技術的な面が注目されがちですが、社会的なミッションだと捉えた方がいいでしょう。こうした動きを政府や経済界が支援するのは当然です。

 ――どのように始めたらいいでしょうか。

 ◆みんなでデジタル分野の知見を学び直そうとか、何かの試験のスコアを上げようという話ではありません。世の中の変化を洞察して「次はこういうスキルが必要だ」と見立てて、それに向けて持続的に取り組んでいくことが大切です。

 具体的には、企業の中期経営計画のような「中期キャリア計画」を作りましょう。3年間で新しいスキルをどう身につけていくのかを描けば、リスキリングが自らのプロジェクトになります。私は「キャリアオーナーシップ」と呼んでいます。不動産や車のオーナーなら、自分の不動産や車を傷つける人はいません。キャリアも同じように「自分ごと」にすることが重要です。成長を会社任せにはしない、組織に預けていたキャリアの主権を取り戻して自分の価値を高めようと考えると、リスキリングが動き出すと思います。

 リスキリングのいいところは、始めるのに年齢や性別、これまでの職位・職務歴を問わないところです。

 ――ポイントは?

 ◆「自分は文系だから理系のことはできない」といったバイアスを外しましょう。働く経験が長くなるほど、できることが限られてきますが、異業種のリスキリングもありです。キャリア開発の知見として注目される「プロティアン型」は変幻自在を意味しますが、しなやかに自分のこれからのキャリアを見つめて主体的に挑戦しましょう。

 また、今までやってきたことを見直すだけでも十分です。1時間の定例会議を30分で済ます、通勤電車の一つ手前の駅で降りて、街やオフィスの様子を見ながら歩くことから始めてみましょう。

 ――案外気軽ですね。

 ◆好奇心を大事にしながら、成長領域と掛け算するようにしてプランを立てましょう。2週間に1回、5分間の時間を使って、「3カ月後こんなふうにありたい」と書きましょう。言語化すると、新しい挑戦ってできるものです。今の時期なら、ゴールデンウイーク明けまでに何か一つ「リスキリング」してみるといいでしょう。

 ◇リスキリング

 社会のデジタル化や技術革新など、時代の変化や市場のニーズに対応するため、新しい知識やスキル(技術)を得るための学び直し。2020年に世界のリーダーが集うダボス会議で「30年までに世界で10億人をリスキリングする」と宣言され、注目が集まった。

 ◇たなか・けんのすけ
 1976年生まれ。一橋大院博士課程(社会学)修了。米UCバークリー客員研究員などを経て、2018年から現職。プロティアン・キャリア協会代表理事を務める。

■英訳

April, the start of the new fiscal year, is a time when many people feel like starting something new. There's increasing interest in upskilling, with the government pledging to support it with 1 trillion yen over the next five years, but many people still hesitate to take the first step. How should they begin? I spoke to Professor Kensuke Tanaka (47) from the Faculty of Career Design at Hosei University, who specializes in career development. [Interviewer: Ryumei Michinaga]

◇ Historic Transformation: "Human Capital Management"

- Why is upskilling necessary?

Due to the decreasing labor force, companies are transitioning from viewing their workforce as merely a resource for management to considering them as investments to enhance value through "human capital management." This historic transformation is the primary reason. Upskilling initiatives are essential for maximizing the potential of employees, who are seen as investments, and are one of the engines of human capital management.

Companies increasingly want employees to take on new challenges as part of their duties. Since the COVID-19 pandemic, employees have also become more determined to enhance their own human capital. While upskilling often focuses on technical aspects, it should be seen as a societal mission. It's only natural for the government and the business community to support such initiatives.

- How should one start?

It's not about collectively relearning knowledge in the digital field or improving scores on exams. It's crucial to gain insight into societal changes and anticipate what skills will be needed next, then work continuously towards acquiring them.

Specifically, create a "medium-term career plan" similar to a company's medium-term management plan. By envisioning how to acquire new skills over the next three years, upskilling becomes your own project. I call this "career ownership." Just like owning property or a car, if you're the owner of your career, you won't let it be damaged by others. It's essential to make your career your own business. By reclaiming sovereignty over your career instead of leaving it to the organization and actively seeking to enhance your value, upskilling will begin.

One of the great things about upskilling is that it doesn't discriminate based on age, gender, or past job history.

- What are the key points?

Let go of biases like "I'm from a liberal arts background, so I can't do science." The longer you work, the more limited your abilities may seem, but reskilling in unrelated fields is also an option. The "Protean career," which is attracting attention as a career development concept, means being adaptable, so let's flexibly examine our future careers and take proactive steps.

Also, simply reevaluating what you've been doing so far is sufficient. Start by shortening a one-hour regular meeting to 30 minutes or getting off one station before your usual stop on your commute, and walk while observing the surroundings of the city or office.

- Surprisingly simple, isn't it?

While cherishing curiosity, plan to multiply growth areas. Take five minutes every two weeks to write down "How I want to be in three months." When verbalized, new challenges become achievable. At this time of year, try upskilling in at least one area by the end of Golden Week.

  ◇   ◇   ◇

☘️ヤフコメ❗️ピックアップ☘️

✅ 個人としては、ここに書かれているように世の中の変化を見渡しながら、次に身につけたいスキルや成長の方向性を見定めて取り組んでいくということでも良いでしょう。
しかし企業としてリスキリングを推進する際には、会社が伸ばしていきたい事業領域を明確にし、そのために必要な社員のスキルを特定し、そのスキルをどのように身に付けさせるのかを検討、実施する必要があります。座学で学ばせるだけにとどまらず実践の機会も与えられるかなど、効果のあるリスキリングをできるかどうか、会社によって差がついてくるでしょう。
会社の思惑と個人のキャリアの希望が合うかどうかも重要なポイントとなり、そこがすり合わなければ転職もひとつの選択肢になってきます。
✅ 産業構造が激変する中、2023年から大手企業が大規模なリストラをスタートさせている。事業転換についてこられない社員は生き残れない時代になった。生き残りをかけて勉強するぐらいの気持ちが必要だ。

何を勉強したらいいかわからない。どんなスキルが必要か知りたいという方は、厚生労働省が推奨する「ポータブルスキル」を参考にしよう。ポータブルスキルとは、どんな業界で働こうと、どんな職種に就こうと、活かせるスキルのことだ。

たとえば単なる税理士から「マーケティング能力の高い税理士」に。単なるエンジニアから「新規事業開発もできるエンジニア」にアップグレードするのに役立つ。何をリスキリングしたらいいか分からないという方は「ポータブルスキル」を学ぶところから始めてみてはどうだろうか。
✅ リスキリングの注意点としては、「必要なものだから、そのスキルを学べ」と例えばDX人材になれみたいなことを、なかなか身につけにくい中高年にするのではなく、「その人の過去の経歴や得意分野を踏まえて、付け加えやすい&しかも役にたつスキルをきちんと選んで学ぶ」ということが重要ではないかと思います。

中高年などにどれだけITスキル等を勉強しても、若手にはかなわないことも多く、結局、仕事レベルで使い物になるかどうかはわからないのであれば、あまり意味はないような気がします。

中高年のリスキリングであれば、結晶性知能と呼ばれるような領域の能力、例えば、創造性や洞察力、コミュニケーション能力等を選んでやる方が身につきやすくしかも役にたつのでよいかもです。

あと、個人的には子どもに勉強教えるのはリスキリングになる気がします。最近は学校でいいこと教えてます。

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