世界初「歯が生える薬」を治験へ
✍️記事要約
歯の数が足りない人に、薬で歯を生やす治験を大阪市の北野病院などの研究グループが始めると発表しました。
生まれつき6本以上歯が足りていない「先天性無歯症」は、人口の0.1%程度患者がいて、遺伝の影響が強いと考えられています。
食べ物を噛んだり、言葉を発したりする力が弱く、子どもの成長に悪影響をおよぼす一方、治療は成人になってからの入れ歯やインプラントに限られていました。
北野病院などの研究グループは、マウスを使った実験から特定のタンパク質の働きを抑えることで歯が成長することを発見。
この仕組みを活かした薬で、歯が欠損している健康な成人の歯を生やす治験を、ことし9月から京都大学医学部附属病院で始めるということです。
【北野病院 歯科口腔外科高橋克主任部長】「既存の治療とは一線を画す。それぞれいい点、欠点があるので。3番目のモダリティとして診療の中に浸透していくことを目指しています」
薬は口腔内ではなく、腕から点滴で投与するというこの治験。
体の思わぬところから歯が生えてしまう…なんてことは起きないのでしょうか。
【北野病院 歯科口腔外科 高橋克主任部長】「よく聞かれる質問なんです。頭や手からは歯が生えないのかと聞かれますが、基本的にはこの方法ではゼロから歯をつくることはできない。つまり、歯の根がないと生えない。頭にも手にも歯の根はないので生える心配はありません」
研究グループは今後治験を先天性無歯症の子どもにも広げ、2030年の実用化を目指すということです。
また、この薬を使って乳歯や永久歯に続く「第3の歯」を生やすことに成功したということで、虫歯などで永久歯を失った人への治療にも活用したいとしています。
■英訳
A research group including Kitano Hospital in Osaka announced the initiation of clinical trials to grow teeth using medication for individuals with insufficient tooth count. Congenital tooth agenesis, where individuals are born with six or more missing teeth, affects approximately 0.1% of the population and is believed to have a strong genetic influence.
These individuals often face difficulties in chewing food and speaking, which can negatively impact their growth. Until now, treatment options have been limited to dentures or implants for adults.
The research group, based on experiments with mice, discovered that inhibiting the function of specific proteins can stimulate tooth growth. They plan to conduct clinical trials starting in September this year at Kyoto University Hospital, administering the medication intravenously rather than orally.
Dr. Katsu Takahashi, Chief of the Dental and Oral Surgery Department at Kitano Hospital, emphasized the distinctiveness of this approach compared to existing treatments, aiming to integrate it as a third modality in dental care.
Concerns about teeth growing unexpectedly from unusual parts of the body, such as the head or hands, were addressed by Dr. Takahashi, explaining that teeth cannot form without roots, which are absent in those areas.
The research group intends to expand the clinical trials to children with congenital tooth agenesis and aims for practical application by 2030. Additionally, they seek to utilize the medication to grow "third teeth" following primary and permanent teeth, providing a treatment option for individuals who have lost permanent teeth due to conditions like cavities.
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☘️ヤフコメ❗️ピックアップ☘️
これは素晴らしい
そもそも歯は基本的に
汚れたりスリ減ったり虫歯で穴が開くのは全員が避けられないし
事故で折れることもあるなど基本的に使い捨てに近いのだから
もちろん大事にしつつ生え変わるのが前提になってほしいと思う
腕から点滴しないでもっと楽なやり方も出てくると思うし
✅ 先日、娘が顔から転けまして永久歯含む前歯4本がぐらぐらになる事件が起きました
今は矯正器具で固定されるのを待っている段階ですが、怪我の程度によっては永久歯を失う未来もありました
子供の永久歯を失うのは避けたかったし、ずっと差し歯と付き合っていかなきゃならないのかと考えたときは本当に辛かったです
なのでこういった研究や取り組みは未来を明るくしてくれますね!
✅ 次々と新薬や治療器具、医療技術が生まれるのに、なぜ歯の治療に関しては何十年も前から変わらないのか不思議に思っていました。歯の再生や虫歯治療後に元に戻るなどの技術が生まれれば、まさにノーベル賞ものの発見だと思います。今後の研究に期待したいです。