5類移行から1年。コロナってどうなったの?
✍️記事要約
2023年5月8日に新型コロナウイルスが5類に移行してから1年。今年のゴールデンウイークは全国的に人であふれ、コロナ禍以前の景色が完全に戻った印象だ。しかし、どうしてもモヤモヤが......。コロナ禍は終わったの? そうだとしても、なかったことにするのは違くない?
■日本も世界も、まだ感染している
昨年5月8日に新型コロナが感染症法上の5類に移行してから1年が過ぎた。あのコロナ禍の日々から、日本社会も普通の日常を取り戻している。厳しい感染対策や行動制限がなくなり、暫定的に続いていた、ワクチン無償接種や高価なコロナ治療薬への補助も今年3月いっぱいで終了。
すでに2回目、3回目のワクチン接種を受けてから、かれこれ2年以上たっているという人も多いはずだが、それでも、新たなコロナ感染の波が来たとか、コロナによる死者や重症者が急増して医療現場の逼迫が起きているといった話は耳にしない。
そもそも、最近ではメディアも含めて誰もコロナの話なんてほとんど話題にしていないような気もするが、コロナ禍であれほど猛威を振るったコロナウイルスはいったいどこに行ったのか?
「新型コロナウイルスが世の中からいなくなったわけではありません。それどころか、実際には今でも多くのコロナ感染者がいるのです」と語るのは、免疫学者で大阪大学名誉教授の宮坂昌之氏だ。
「5類に移行してから、日本ではそれまでのような感染者の全数調査が行なわれなくなりました。そのため、現在は小児科を中心に、国が指定した一部医療機関の受診者を対象とした定点把握を基に、おおよその感染者数を推計するしかありません。
その定点把握のデータを見ると、現在は感染者数が減少傾向にありますが、今年1月末から2月にかけて、それなりに大きなコロナ感染の波が来ていたことがわかります。
そこで、今年に入ってからの『コロナ関連死亡者数』(死亡診断書のⅠ欄に、最も死亡に影響を与えたとして新型コロナ感染が記載された人の数)に注目すると、今年2月には3000人を超える方がコロナ関連死で亡くなっています。
おそらく、その大半は高齢者だと思いますが、たった1ヵ月で3000人超というのは昨年2月以降で最大。2023年に交通事故で死亡した方の総数(2678人)よりも多いのです」
実は大規模な感染の波も来ていて、コロナ関連死で亡くなる人も少なくなかったのなら、なぜ社会は普通に回っているのだろうか?
コロナ禍の間、ずーっと政府や専門家たち、そしてメディアの報道で「怖い怖い」と脅かされ、厳しい行動制限をしたり、ツラい副反応に耐えてワクチンを接種したりしたのに、今は何もしてなくても大丈夫なように見えるのはなぜ?
「その最も大きな要因は、日本社会に暮らす人の大半がワクチン接種や感染によってコロナに対して免疫を持つようになったことだと思います。
まず、ワクチン接種に関して言えば、日本人の大半が最低でも2、3回の接種を受けています。
ワクチン接種による感染防御効果は、接種後の時間の経過やウイルスの変異によって大きく失われていきますが、T細胞の働きなどによる重症化予防効果については、ある程度、長い期間持続することがわかっていますし、ワクチン接種を受けた後にコロナの感染を経験した人は、より強力なハイブリッド免疫も獲得している。
その結果、もともと感染しても重症化しづらい若者はもちろん、高齢者や基礎疾患のある人も重症化率が大きく下がり、感染の波が来ても医療現場の逼迫などにつながらずに済んでいるのでしょう。
ただし、その重症化予防効果も時間とともに少しずつ落ちていきます。また、先ほど示したコロナ関連死亡者数でもわかるように、高齢者や基礎疾患を抱えた人の一部は今も感染によって深刻な影響を受けるので、決してコロナが終わったというわけではない。
海外においても、最近大きな流行の波に見舞われたオーストラリアでは、医療機関で大規模な院内感染が起き、多くの入院患者が死亡する事態になっています」(宮坂氏)
■現在の主流株は「JN.1」と「KP.2」
では、ニュースでもよく取り上げられ、新たな名前が次々と報道されていた、ウイルスの変異に関してはどうなっているのか?
「新型コロナウイルスの変異も依然として続いています」
そう語るのは、研究チーム「G2P-Japan」を率いて、新型コロナウイルスの変異の最前線を追い続けるウイルス学者で、東京大学医科学研究所の佐藤佳教授だ。
「今、日本で主流になっていると考えられているのは、オミクロン系の『BA2.86』から進化した『JN.1』という変異株なのですが、最近、アメリカやカナダ、イギリスなどでは、そこからさらに変異した『KP.2』という株が急激に増えており、今後はこれが日本でも主流になる可能性が高いとみています。
また、変異を重ねるたびに、ウイルスの免疫をすり抜ける力が増していくという傾向も続いていて、『KP.2』に関するわれわれの最新の研究でも、『JN.1』株への感染やXBB対応型ワクチンの接種によってできる中和抗体をすり抜ける力がさらに増しているので、感染防御効果はあまり期待できない可能性があります」
「別名『ロング・コーヴィッド』と呼ばれる、新型コロナ感染の後遺症。厄介なのは、症状が多彩で、その原因がまだ明らかでないことです」
そう話すのは、厚生労働省のクラスター対策班や新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードのメンバーを務めた経験を持ち、コロナ後遺症の問題にも積極的に取り組んでいる、東北大学大学院教授の小坂健氏だ。
「数週間で後遺症が治る場合もありますが、数ヵ月、あるいは年単位で、日常生活に大きな支障を来すほどの症状が続くケースもあります。そして、ここが重要なのですが、後遺症に苦しむのは重症化した人だけではありません。
軽症や無症候だった人も後遺症を抱えるケースがあるのです。そのため、重症化リスクの低い若年層にとって、感染自体はリスクじゃないにしても、後遺症のリスクは人ごとではないのです」
コロナ後遺症に関しては、多くの異なる症状が報告されている。頭がボーッとして集中力や思考力が低下するブレインフォグ(脳の霧)や、味覚・嗅覚の異常、うつ病、意欲の減退などの「神経系」「精神系」の症状。また、心臓や肺への障害や血栓症といった「循環器系」「呼吸器系」の症状も多いという。
しかも、アメリカで行なわれた調査によれば、自分がコロナ後遺症を抱えている自覚がない人の中にも、なんらかの形で認知機能の低下が起きているケースが一定数確認されているという。また、カナダで行なわれた別の調査によれば、コロナ感染の回数が増えるたびに後遺症のリスクが高まるという報告もある。
「もうコロナのことなど忘れて、普通の日常を回していきたい......という雰囲気は日本に限らず、むしろ欧米諸国のほうが先行している気がします。
その一方で、アメリカなどの国では、コロナ後遺症の研究や対策を新たな最重要課題のひとつととらえ、国が多額の予算をつぎ込んでいますし、後遺症に苦しむ当事者たちも巻き込む形で、その原因解明や治療の研究に取り組む体制が作られている。
ようやく普通の日常を取り戻した日本でも、今後はコロナ後遺症に対する取り組みが、これまで以上に重要になってくると思います。まずは後遺症に苦しむ人たちの存在が理解され、その人たちを孤立させることのない社会のあり方が求められていると思います」(小坂氏)
■検証や反省をしない日本の悪いクセ
それでも、街中からマスクは減り、社会はかつてのように回り始めている。5類移行から1年を経た今のこの状態は、コロナ禍の終わりだと考えてもいい気がするが、これもまたつかの間の平和でしかないのだろうか? 最後に、感染症のスペシャリストで神戸大学教授の岩田健太郎氏に、日本のコロナの現在地と今後の課題について聞いた。
「日本や世界の今の状況を見て『コロナ禍の初期にはあれほど厳しい感染対策が必要だと言っていたのに、なぜ、今はこんなに緩くても大丈夫なのか? そもそも、あれほど厳しい行動制限などの感染対策や大規模なワクチン接種なんて本当は必要なかったんじゃないか?』というようなことを言う人がいます。
しかし、それは大きな間違いで、その人たちはわれわれが"新型コロナ"と呼ぶウイルス自体が、あの当時と今ではまったく別のものになっているということを理解していないんです。
世界的なパンデミックが始まった2020年頃の新型コロナは本当に怖い病気でした。最初に流行が始まった武漢でもバタバタと人が亡くなっていましたし、これまでエボラ出血熱やSARSなど、多くの感染症を見てきた僕も、クルーズ船『ダイヤモンド・プリンセス号』に乗り込んだときは本当に恐ろしかった。
まだ、有効なワクチンや治療薬がなかった中、重症化率も死亡率もそれなりに高かったあの頃の"新型コロナ"に対しては、すべてのイベントをキャンセルして、厳しい行動制限や感染対策を徹底し、可能な限りウイルスの封じ込めを目指すというのが、私たちのできた唯一の対策でした。
実際、欧米諸国などと当時の人口当たりにおける死亡者数を比較しても、日本が行なった感染対策はおおむね正しかったのではないかと僕は思っています。
その後、ワクチンが実用化されて大規模な接種が進んだ。そして、オミクロン株が登場し、それ以前のデルタ株に比べてウイルスの病原性が下がった一方で、感染力が大きく増したため、厳しい感染対策が次第に大きな意味を持たなくなっていきました。
そうやって、ウイルスそのものも変化したし、私たちの人間の側の免疫状態も変化した。その結果、2024年現在の新型コロナウイルス感染症は以前とはまったく別の病気になったんです。そのため、かつてのように一生懸命、厳しい感染対策をする意味もなくなり、社会が普通に回るようになったということだと理解していいと思います。 ただし、非常に残念......というか、ある意味で予想どおりともいえますが、こうしてなんとかコロナ禍を乗り越えた今だからこそ、これまでの対策や政策の中で、どこが正しく、どこが間違っていたのか? 何が有効で、何がムダだったのか?
コロナ禍の約4年間を振り返り、しっかりと考えるべきだと思うのですが、日本では国もメディアも『もう終わったこと』にして振り返ろうとしない。
仮に感染対策の方向性としては基本的に正しかったとしても、それが社会や個人の生活に与えたネガティブな影響を補うために、より効率的で実効性のあるサポートを行なう方法はなかったのか? また、コロナ下で、なぜ、深刻な社会の分断が生まれてしまったのか......など、本来なら徹底的に検証をすべきなのに、すべてが曖昧なまま、前へ進もうとしてしまう。
これは、東日本大震災の際の原発事故や過去の戦争についても同じで、いわば、日本社会の悪いクセなのかもしれませんが、実にもったいないと思いますね」
歴史を振り返ると、人類はこれまで何度も新たな感染症の脅威に直面し、それを乗り越えて生き残ってきた。約4年に及んだ新型コロナとの闘いも、ようやく、そうした歴史の一部となる段階を迎えつつあるようにも思えてくる。
だが、それは同時に、人類がこの先もまた、新たな感染症の脅威に直面する可能性があることを意味している。
普通の日常を楽しめるようになった今だからこそ、次のパンデミックに備えるための徹底した検証が必要だ。
●宮坂昌之(みやさか・まさゆき)大阪大学名誉教授1947年生まれ、長野県出身。京都大学医学部卒業、オーストラリア国立大学大学院博士課程修了。スイス・バーゼル免疫学研究所などを経て、大阪大学大学院医学系研究科教授などを歴任。著書に『新型コロナ~7つの謎』『免疫力を強くする』などがある
●佐藤 佳(さとう・けい)東京大学医科学研究所感染・免疫部門システムウイルス学分野 教授1982年生まれ、山形県出身。京都大学大学院医学研究科医学専攻博士後期課程修了(短期)。京都大学ウイルス研究所助教などを経て、2018年に東京大学医科学研究所准教授、22年に同教授。研究コンソーシアム「G2P-Japan」を立ち上げ、世界からも注目を集める
●小坂健(おさか・けん)東北大学大学院教授公衆衛生学者1964年生まれ。国立感染症研究所・主任研究官、ハーバード大学公衆衛生大学院・客員研究員を歴任。感染拡大当初から新型コロナ対策に従事し、厚生労働省のクラスター対策班、新型コロナ感染症対策アドバイザリーボード、東京iCDCアドバイザリーボードのメンバーを務める
●岩田健太郎(いわた・けんたろう)神戸大学医学部付属病院感染症内科教授1971生まれ。2001年の炭疽菌テロの際はニューヨークで、03年のSARS(重症急性呼吸器症候群)感染拡大時は北京で診療に当たり、14年にはアフリカ・シエラレオネでエボラ出血熱対策に携わった感染症のスペシャリスト。著書に『僕が「PCR」原理主義に反対する理由』など
■英訳
Since COVID-19 was reclassified to Category 5 on May 8, 2023, a year has passed. This year's Golden Week saw crowds nationwide, reminiscent of pre-pandemic days. However, there's still a lingering sense of unease. Is the pandemic really over? And even if it is, can we just pretend it never happened?
### COVID-19 Still Present in Japan and the World
It's been over a year since COVID-19 was downgraded to Category 5 under the Infectious Disease Control Law on May 8 of last year. Since then, Japanese society has gradually returned to normalcy. Stringent infection control measures and movement restrictions have been lifted, and subsidies for free vaccinations and expensive COVID-19 treatments, which continued on an interim basis, ended in March this year.
Many people have gone over two years since their second or third vaccination. Despite this, we don't hear about new waves of COVID-19 infections or surges in deaths and severe cases that overwhelm healthcare systems.
Recently, it seems no one, including the media, is talking about COVID-19 anymore. So, where did the virus that wreaked such havoc during the pandemic go?
"The novel coronavirus has not disappeared. In fact, there are still many COVID-19 patients," says Dr. Masayuki Miyasaka, Professor Emeritus of Immunology at Osaka University.
"Since the transition to Category 5, Japan has stopped comprehensive infection tracking. Now, the only way to estimate the number of infections is through sentinel surveillance, focusing on pediatricians and a few other designated medical institutions.
Looking at the sentinel data, the number of infections is currently declining, but there was a significant wave of COVID-19 infections from late January to February this year.
Focusing on COVID-19-related deaths (the number of people whose death certificates list COVID-19 as the primary cause of death), more than 3,000 people died from COVID-19-related causes in February this year. Most of these deaths were likely among the elderly, but over 3,000 deaths in just one month is the highest since February of last year. This number is even higher than the total number of traffic accident fatalities in 2023 (2,678)."
Given that there have been significant waves of infection and a substantial number of COVID-19-related deaths, why is society functioning normally?
During the pandemic, the government, experts, and the media constantly warned us about the dangers, enforced strict movement restrictions, and urged us to endure the harsh side effects of vaccines. So why does it now seem like everything is fine without any measures?
"The primary reason is that most people in Japanese society have developed immunity against COVID-19 through vaccination or prior infection.
First, regarding vaccination, the majority of Japanese people have received at least two or three doses.
Although the infection-prevention effect of vaccines diminishes significantly over time and due to virus mutations, the effectiveness in preventing severe illness through mechanisms such as T-cell responses persists for a relatively long period. Moreover, individuals who have been vaccinated and subsequently contracted COVID-19 have developed stronger hybrid immunity.
As a result, not only young people, who are already less likely to develop severe symptoms, but also the elderly and those with underlying conditions, have seen a substantial reduction in the rate of severe cases. Consequently, even when waves of infection occur, the healthcare system is not overwhelmed.
However, the protection against severe illness also gradually decreases over time. As evidenced by the number of COVID-19-related deaths mentioned earlier, some elderly individuals and those with underlying conditions still suffer serious consequences from infections, indicating that the pandemic is not truly over.
Internationally, for instance, in Australia, which recently experienced a significant wave of infections, there have been large-scale outbreaks in medical institutions, leading to the deaths of many hospitalized patients,” explains Dr. Miyasaka.
### The Current Dominant Strains: "JN.1" and "KP.2"
What about the virus mutations that were frequently covered in the news with new names constantly emerging?
"Mutations of the novel coronavirus are still ongoing," says Dr. Kei Sato, a virologist leading the research team "G2P-Japan" at the Institute of Medical Science, University of Tokyo, which is at the forefront of tracking COVID-19 mutations.
"The currently dominant strain in Japan is believed to be a variant called 'JN.1,' which evolved from the Omicron lineage 'BA2.86.' However, in countries like the United States, Canada, and the United Kingdom, a further mutated variant called 'KP.2' has been rapidly increasing. It is likely that this variant will become dominant in Japan as well.
Additionally, with each mutation, the virus continues to improve its ability to evade immunity. Our latest research on 'KP.2' indicates that it has enhanced its ability to bypass the neutralizing antibodies generated by infection with the 'JN.1' strain or vaccination with the XBB-adapted vaccine, suggesting that the effectiveness of infection prevention may be limited.”
"However, so far, the major trend has been that the Omicron variant, which is highly transmissible but generally causes milder symptoms, continues to prevail. Unlike when the Delta variant emerged and caused severe illness, there have been no mutations significantly increasing the virus's pathogenicity. Furthermore, the effectiveness of preventing severe illness, already acquired, continues to some extent even with viral mutations.
'Of course, the possibility of the virus suddenly becoming more pathogenic is not zero, but for now, it seems the virus will continue to mutate along the current trajectory. Therefore, it might be prudent to view future vaccinations more as an update to the protection against severe illness rather than preventing infection itself.
The primary purpose of vaccination has always been to prevent severe illness,' says Dr. Sato.
Regarding the vaccinations that have become paid since this fall, there is consideration of offering a bivalent vaccine (containing two antigens) for seasonal influenza and COVID-19 to those who wish to receive it. However, unlike the flu vaccine, there is a significant portion of people with strong resistance to the COVID-19 vaccine. According to Dr. Miyasaka, the effectiveness in preventing severe illness gradually decreases over time, so ideally, an annual booster to stimulate immunity is recommended. Nevertheless, in an atmosphere where 'the pandemic is over,' it's uncertain how many people will opt for the paid flu and COVID-19 bivalent vaccine, which poses a significant challenge.
### Long COVID Remains an Enigma
While waves of COVID-19 infection continue cyclically and the virus keeps mutating, the fact remains that a considerable number of people are still getting infected. However, the increased immunity within society has significantly reduced severe cases, preventing the kind of strain on healthcare systems seen in the past. This is the fundamental background supporting the current relative calm.
Given this, except for the elderly and those with underlying health conditions, it might seem possible to live without worrying too much about COVID-19. However, one issue that cannot be ignored is long COVID, which affects an estimated 10-20% of those infected with COVID-19."
"Also known as 'long COVID,' the aftereffects of COVID-19 are problematic due to their diverse symptoms and unclear causes," says Ken Kosaka, a professor at Tohoku University Graduate School who has actively addressed long COVID and has served on the Ministry of Health, Labour and Welfare's Cluster Task Force and the Advisory Board for COVID-19 Measures.
"While some individuals recover from long COVID symptoms within a few weeks, others experience symptoms for months or even years, significantly impacting their daily lives. Importantly, it's not just those who experienced severe illness who suffer from long COVID. Even those with mild or asymptomatic cases can develop long COVID. Therefore, the risk of long COVID is significant even for younger individuals with a lower risk of severe illness," Kosaka explains.
Many different symptoms have been reported in cases of long COVID. These include neurological and psychological symptoms such as brain fog, which involves decreased concentration and cognitive ability, abnormal taste and smell, depression, and reduced motivation. Additionally, cardiovascular and respiratory symptoms such as heart and lung damage and blood clots are also common.
Moreover, a survey conducted in the United States revealed that a certain number of people who were unaware they had long COVID exhibited some form of cognitive decline. Another study in Canada reported that the risk of long COVID increases with each subsequent infection.
"The desire to forget about COVID-19 and return to normal life is not unique to Japan; it seems even more pronounced in Western countries. However, countries like the United States view the study and countermeasures of long COVID as a new priority, allocating significant budgets for research. They have also established systems involving long COVID sufferers to investigate the causes and treatments. In Japan, which has only recently returned to normalcy, addressing long COVID will become increasingly important. We need to understand the existence of those suffering from long COVID and create a society where they are not isolated," Kosaka concludes.
### Japan's Tendency to Avoid Evaluation and Reflection
Despite the reduction in mask-wearing and the return to normalcy, it might be tempting to think that the COVID-19 pandemic is over, especially one year after the transition to Category 5. However, this could be a fleeting peace. Finally, we asked Kentaro Iwata, a professor and infectious disease specialist at Kobe University, about Japan's current situation regarding COVID-19 and future challenges."
"Looking at the current situation in Japan and around the world, some people ask, 'Why did we need such strict infection control measures in the early days of the pandemic, yet now we can be so lax? Were those severe restrictions and large-scale vaccinations really necessary?' However, this is a big misunderstanding. These people don't realize that the virus we call 'COVID-19' is now entirely different from what it was back then.
COVID-19 in 2020, when the global pandemic began, was truly a terrifying disease. Many people were dying rapidly in Wuhan, where the outbreak first started. I, too, was genuinely scared when I boarded the cruise ship 'Diamond Princess,' having previously dealt with numerous infectious diseases like Ebola and SARS.
At that time, without effective vaccines or treatments, and with relatively high rates of severe cases and fatalities, our only option was to cancel all events, enforce strict movement restrictions, and implement thorough infection control measures to contain the virus as much as possible.
In fact, I believe Japan's infection control measures were largely correct, especially when compared to the per capita death rates in Western countries at the time.
Later, vaccines were developed and large-scale vaccinations progressed. Then, the Omicron variant emerged, which, unlike the previous Delta variant, had reduced pathogenicity but significantly increased transmissibility. This gradually rendered strict infection control measures less meaningful.
Thus, the virus itself changed, and so did our immune states. As a result, the COVID-19 situation in 2024 is completely different from what it was before. Therefore, we no longer need to enforce strict infection control measures as we once did, and society can function normally again. However, it is very unfortunate—or rather, as expected—that now that we have somehow overcome the pandemic, we should be reflecting on our past measures and policies to determine what was right and wrong, what was effective, and what was wasteful.
We should be thoroughly reviewing the approximately four years of the pandemic, but in Japan, both the government and the media seem to want to move on as if it's all in the past.
Even if the general direction of our infection control measures was correct, we should still examine whether there were more efficient and effective ways to provide support to mitigate the negative impacts on society and individuals. Additionally, we need to investigate why serious social divisions emerged during the pandemic. Unfortunately, everything remains ambiguous as we try to move forward.
This tendency to avoid thorough review and reflection is a bad habit of Japanese society, similar to what we saw after the Fukushima nuclear disaster and past wars. It’s truly regrettable."
Looking back at history, humanity has faced and survived numerous threats from new infectious diseases. The nearly four-year battle against COVID-19 is now becoming part of that history. However, this also means that humanity may again face new infectious disease threats in the future.
Now that we can enjoy normal daily life, it is essential to conduct a thorough review to prepare for the next pandemic.
● Masayuki Miyasaka (b. 1947 in Nagano Prefecture) is an emeritus professor at Osaka University. He graduated from Kyoto University Medical School and completed his Ph.D. at the Australian National University. He has held positions at the Basel Institute for Immunology in Switzerland and was a professor at the Graduate School of Medicine at Osaka University. He has authored books such as "The Seven Mysteries of COVID-19" and "Strengthening Immunity."
● Kei Sato (b. 1982 in Yamagata Prefecture) is a professor in the Department of Systems Virology at the Institute of Medical Science, University of Tokyo. He completed his doctorate in medical science at Kyoto University. After serving as an assistant professor at the Institute for Virus Research at Kyoto University, he became an associate professor at the Institute of Medical Science, University of Tokyo in 2018 and a full professor in 2022. He founded the research consortium "G2P-Japan," gaining international attention.
● Ken Osaka (b. 1964) is a professor at Tohoku University Graduate School. A public health scholar, he has held positions as a senior researcher at the National Institute of Infectious Diseases and a visiting researcher at Harvard University's School of Public Health. Since the outbreak of COVID-19, he has been involved in the response, serving on the Ministry of Health's cluster task force, the COVID-19 Advisory Board, and the Tokyo iCDC Advisory Board.
● Kentaro Iwata (b. 1971) is a professor of infectious diseases at Kobe University Hospital. He was in New York during the 2001 anthrax attacks, in Beijing during the 2003 SARS outbreak, and in Sierra Leone in 2014 for Ebola outbreak response. He is an infectious disease specialist and the author of "Why I Oppose 'PCR' Fundamentalism."
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☘️ヤフコメ❗️ピックアップ☘️
当初と違い事故死は無くなったようですが、それでもインフルエンザ関連死よりも定義が広いですよね
また、どこまでコロナが影響しているのか正確に調べているんですかね
あくまでも一例ですが、私の祖母は99歳コロナ肺炎治療後に、心不全と誤嚥性肺炎で亡くなったためコロナ
死ではありませんが、関連死かはわかりません
ただ、私の祖母は唯一の持病薬も効かなくなり、見た目は元気でも様態がかなり悪化している状況で、覚悟している最中に感染発症したのでコロナがなくてもほぼ同時期に亡くなっていました
要するにコロナで悪化したわけではありません
尚、主治医と看護師には元から悪化していたことは話していなかったので、コロナが影響していると思い込んでいるようでした
そもそも高齢者は入院しただけでも誤嚥性肺炎や後遺症等になりますからね、コロナだけではありませんよ
✅ >コロナ禍の約4年間を振り返り、しっかりと考えるべきだと思うのですが、日本では国もメディアも『もう終わったこと』にして振り返ろうとしない。
そうですね。ワクチンの効果、危険性についてもぜひとも公正な検証をしてほしいものです。オミクロン株はデルタ株とは性質が異なる、と言いながら今後もワクチン接種を推奨したり、いつの間にか「ワクチンの目的はは重症化予防」言ったり、思い付きであれこれ述べている。
こういう肩書だけ立派な医師だけでなく、現場を熟知している医師も登場させて、超過死亡激増の原因を徹底的に討論してほしい。
✅ 夫は政府が言うがままに、6回のワクチン接種をしました。その直後、副反応とおぼしい痛みが出て、瞬く間に身体全体に広がり、1年以上経過した今も痛みに苦しめられ、歳相応の生活がおくれていません。救済措置を申請するにも、医師の診療記録が必要ですが、医師は応じてくれず、諦めるしかありません。命に関わる程ではないが、苦しんでいる人がどれ程いるか。私は政府とメディアにのせられた被害者と言えると感じています。