iPhoneに「チャットGPT」搭載へ
✍️記事要約
米アップルは10日、人間と対話しているように自然な受け答えができる人工知能(AI)「チャットGPT」の機能を、iPhone(アイフォーン)などの端末に組み込み、利用できるようにすると発表した。自社で独自開発した生成AIシステム「アップルインテリジェンス」も発表し、マイクロソフト(MS)やグーグルなどに後れをとっていたAI戦略で巻き返しを図る。
同日の年次開発者会議で発表した。米新興企業「オープンAI」と提携し、同社が開発した最新の大規模言語モデル「GPT―4o(フォーオー)」を今年後半から使えるようにする。利用者が質問するとアイフォーンの音声アシスタント「Siri(シリ)」を通じて回答してくれる。文字入力での受け答えも可能。
アップルは「アップルのプラットフォーム全体にチャットGPTを統合する」と説明している。
チャットGPTは、2022年11月の公開から2カ月で1億人の利用者を集めるなど現在の生成AIブームの火付け役。MSの多くの製品にも組み込まれている。
一方、独自開発したアップルインテリジェンスでは、メールなどの文章の修正やオリジナルの絵文字を作れる機能を設けた。友人からチャットで送られてきた住所をアドレス帳に加えるよう指示できるなど、シリの性能も向上させた。ティム・クック最高経営責任者(CEO)は「強力な新機能でゲームチェンジャーになる。アップルインテリジェンスは、私たちの製品にとって必要不可欠なものになる」と述べた。
■英訳
On the 10th, Apple Inc. announced that it would integrate the artificial intelligence (AI) feature "ChatGPT," which can interact with users in a natural conversational manner, into its devices such as iPhones. Additionally, Apple introduced its proprietary generative AI system, "Apple Intelligence," aiming to catch up in its AI strategy, lagging behind companies like Microsoft (MS) and Google.
The announcement was made at the annual developer conference. Apple has partnered with the American startup "OpenAI" and will make its latest large language model, "GPT-4o," available later this year. Users can ask questions and receive responses via the iPhone's voice assistant, "Siri," with text-based interactions also possible.
Apple explained, "We are integrating ChatGPT across the entire Apple platform."
Since its launch in November 2022, ChatGPT has sparked the current generative AI boom, garnering 100 million users within two months. It is also incorporated into many of MS's products.
On the other hand, with the independently developed Apple Intelligence, features such as editing emails and creating original emojis are provided. It also enhances Siri's performance, allowing users to instruct Siri to add addresses received from friends via chat to the address book. CEO Tim Cook stated, "These powerful new features will be game-changers. Apple Intelligence will become indispensable to our products."
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☘️ヤフコメ❗️ピックアップ☘️
アップルはAI機能を導入するにあたってプライバシーを重視しており、基本的な機能はデバイス内で処理されます。またクラウドを利用する際にもプライベートな空間が用意されるようです。
ChatGPTについても、ユーザーの許可を得て利用し、送信した情報は保存されないという仕組みになっています。将来的には他のAIモデルとも連携していく方針ですが、必要に応じて外部のAIを呼び出すような方式になると予想されます。
✅ 文書要約、画像作成、必要なデータの探索など、機能は多岐にわたります。ChatGPTが優れているのは皆さんが体験しているとおりで、ユーザーの利便性は飛躍的に向上しそうです。
しかしこの発表を受けてApple株価は一時2%下落しました。事前の予想通りの発表であり、期待を上回る点が乏しかったからと指摘されています。
✅ 実用面ではiPhone上でのオンデバイスAI処理で、メールやカレンダーなどのプライベートな情報を扱える独自の「アップルインテリジェンス」に注目です。自社でハードとOSを開発しているぶん、セキュリティを確保しつつより個人に密着したAI周りの便利な機能を実装できるのはアップル製品としての長所になりそうです。
ただ、iPhoneでの対応は米国以外だと来年以降になりそうなのと、現時点で対応機種はiPhone 15 Pro以降が想定されており、実際に広く使えるのは少し先の話になりそうです。