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「商品」の国際価格が高騰 背景は[2024.8.28]

「商品」の国際価格が高騰 背景は

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✍️記事要約

✅ オレンジ、カカオ、銅…「商品」が軒並み高騰 共通項は「供給制約」

農産物や金属など、世界中で大量に取引される「商品」(コモディティー)の国際価格が軒並み上がっている。農産物ではカカオ豆やオレンジ果汁が、金属では銅などが、今年に入り史上最高値をつけた。共通する背景として、地政学的な緊張や気候変動といった「供給側の制約」が浮かび上がる。世界的なインフレ(物価高)を長引かせる可能性も指摘されている。

これらの「商品」は世界各地の商品取引所で主に先物が売買され、刻々と市場価格がつく。農産物では他にもコーヒー豆やオリーブオイルが、金属ではアルミニウムやスズが値上がりしている。

 現在は落ち着いたが、ロシアのウクライナ侵攻後には原油や天然ガスなどのエネルギー、小麦やトウモロコシなど穀物の価格も歴史的な水準まで高騰した。

 いずれも供給不足が値上がりの要因とみられる。生産地での紛争激化▽欧米によるロシアなどへの経済制裁▽異常気象や病害の蔓延(まんえん)▽環境保護意識や資源ナショナリズムの高まり、といった事情が絡み合っている。

 2000年代にも原油などの商品価格が高騰したが、金融大手HSBCのポール・ブロクサム氏は「当時は中国など新興国の台頭による『需要増』が大きな理由だった」とみる。需要が伸びるので投資が活発化し、そこにリーマン・ショック後の経済低迷も重なり、需要の過剰感は解消に向かった。

 しかし、今回の値上がりを招いている供給不足についてブロクサム氏は「地政学的緊張や気候変動は、すぐに解決できる問題ではない。世界のインフレを長期化させ、高金利が長引き、経済成長の重しになる可能性がある」と話す。

 日本はこうした商品の大半を輸入に頼っているため、為替の影響も加わる。1ドル=160円台に達した7月よりは円高方向に振れているものの、依然として140円台半ばの円安水準が続いており、輸入価格は高止まりしそうだ。コモディティー価格の上昇は、日本でもインフレ圧力になり続ける可能性がある。

■英訳 

The international prices of "commodities" such as agricultural products and metals, which are traded in large quantities worldwide, are rising across the board. In agricultural products, cocoa beans and orange juice, and in metals, copper have reached record highs this year. A common underlying factor is "supply-side constraints" due to geopolitical tensions and climate change. There are concerns that this could prolong global inflation.

These commodities are mainly traded as futures on commodity exchanges around the world, with market prices fluctuating continuously. Other agricultural products like coffee beans and olive oil, as well as metals such as aluminum and tin, are also seeing price increases.

Although the situation has stabilized now, after Russia's invasion of Ukraine, prices of energy sources like crude oil and natural gas, as well as grains like wheat and corn, soared to historic levels.

The price increases are believed to be driven by supply shortages. Factors include escalating conflicts in production areas, economic sanctions by Western countries against Russia and others, extreme weather conditions, the spread of diseases, rising environmental awareness, and resource nationalism.

Commodity prices, including crude oil, also surged in the 2000s, but Paul Bloxham of HSBC notes, "At that time, the main reason was the 'increase in demand' driven by the rise of emerging markets like China." As demand grew, investment activities intensified, but the economic downturn following the Lehman Brothers collapse helped alleviate the sense of excess demand.

However, regarding the current supply shortages driving up prices, Bloxham states, "Geopolitical tensions and climate change are not problems that can be quickly resolved. They could prolong global inflation, keep interest rates high for longer, and weigh on economic growth."

Japan relies heavily on imports for most of these commodities, so exchange rates also play a role. Although the yen has strengthened slightly from the 160 yen per dollar level seen in July, it remains weak at around 145 yen per dollar, likely keeping import prices high. The rise in commodity prices may continue to exert inflationary pressure in Japan as well.

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☘️ヤフコメ❗️ピックアップ☘️

✅ 食料品価格の高騰については、天候要因の影響が大きいとみられます。2000~22年にかけてはパンデミックのサプライチェーン混乱、ウクライナ戦争による各国対立といった混乱も見られましたが、これらの影響は概ね排除されています。2022年に過去最高値を更新していた小麦相場も、既に高値の1/3程度の価格まで下落しています。現在は4年ぶりの安値圏です。一般的なイメージとは異なり、昨年は特にロシア産小麦の大量かつ安価な輸出が、国際価格を急落させました。現在も価格が高騰(もしくは高止まり)しているのは、コーヒー、ココア、オレンジジュースなど、天候不順が続く赤道付近で生産される農産物が中心です。穀物価格は逆に豊作で価格急低下し、農家が疲弊し始めています。ただし、今年は秋から農産物の不作を招く可能性が高い異常気象ラニーニャ現象の発生確率が高いと予想されています。天候次第の綱渡り状態が続く見通しです。
✅ 物価が上がるのは当然だよね。世界の人口が増えて、特に新興国の経済力が高まってるから、需要も増える一方だし、それに応じて価格も上がるのは自然な流れ。加えて、各国が通貨供給を増やしている現状では、ますますインフレが進むのは避けられない。それに、地政学的なリスクや気候変動による供給の不安定さも加わって、商品価格がさらに上昇してる。この状況を考えたら、日本ももっと自給率を上げるための対策を真剣に考えるべきだと思う。今後も続くであろう世界的なインフレに備えないと、国民生活がますます厳しくなるよ。
✅ 随分前に「フラット化する世界」という本を読みました。20年以上前だったと思いますが、まさにそれが今現実になりつつあります。
今までの商品価格というのは、発展途上国の非常に安い賃金に支えられていました。それが、発展途上国の経済成長によって賃金が上がり、維持できなくなった。
当たり前の現象です。発展途上国の人たちにとっては、逆に商品価格は相対的に安くなったはずです。まさにこれこそが「世界のフラット化」であり、人道的な正義でもあり、この流れを止めることは出来ません。

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