紅麹 腎障害の原因はプベルル酸
✍️記事要約
小林製薬の紅麹問題で、原因などを調査している厚生労働省などはオンラインで会見を開き、腎毒性があると確認されていたプベルル酸以外に製品の物質内に含まれていた複数の化合物について、腎毒性は確認されず、原因物質は「プベルル酸」と特定したと明らかにしました。
小林製薬の「紅麹」サプリを巡っては、これまでに把握していた5人のほか、サプリを摂取し死亡した116人が死亡との因果関係の調査対象となっています。
厚生労働省などが原因の調査を行っていましたが、これまでにサプリに入っていた「プベルル酸」が腎臓に障害を引き起こすことが確認されていたほか、製品には他に複数の化合物が含まれていると明らかにしていました。
厚生労働省などは18日にオンラインで開いた会見で「化合物については動物実験で腎障害が起きないことが確認された。プベルル酸が腎障害を引き起こすことが確認されていることから、今回の腎障害を引き起こしたのはプベルル酸が原因だと強く推定される」などと明らかにしました。
また、調査の結果、複数の化合物については、工場内の青カビが紅麹菌との培養により、モナコリンKと呼ばれる物質を修飾して生成されたものだということです。
今後、厚生労働省は科学的な情報を引き続き収集しつつ、同一の事象の発生を防止するため規格基準の策定や衛生管理措置の徹底など食品衛生法上の措置を検討するとしています。
■英訳
The Ministry of Health, Labour and Welfare, which is investigating the red yeast rice issue involving Kobayashi Pharmaceutical, held an online press conference and announced that no nephrotoxicity was confirmed for several compounds found in the product, other than citrinin, which had been identified as nephrotoxic. They confirmed that the causative agent was identified as "citrinin."
Regarding Kobayashi Pharmaceutical's "red yeast rice" supplement, in addition to the five cases previously identified, 116 additional deaths are being investigated for a potential link to the supplement's consumption.
The Ministry of Health, Labour and Welfare had been investigating the cause and had already confirmed that "citrinin" in the supplement could cause kidney damage. They also revealed that several other compounds were found in the product.
In an online press conference on the 18th, the Ministry of Health, Labour and Welfare stated, "Animal testing has confirmed that the other compounds do not cause kidney damage. Given that citrinin has been confirmed to cause kidney damage, it is strongly presumed that citrinin was the cause of the kidney damage in this case."
Additionally, the investigation found that multiple compounds were created when a blue mold in the factory cultured with the red yeast produced a modified substance called monacolin K.
Going forward, the Ministry of Health, Labour and Welfare will continue to gather scientific information and consider measures under the Food Sanitation Act, such as establishing standards and enforcing hygiene management practices to prevent the recurrence of similar incidents.
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☘️ヤフコメ❗️ピックアップ☘️
人類はカビ(糸状菌)の一種の麹を利用し、別の細菌(放線菌)を医薬品として利用してきました。医薬品と同じで、微生物も使い方で毒にも薬にもなります。発酵と腐敗は紙一重であり、今回のような発酵食品の製造過程で日和見的な病原性の真菌によるカビ毒が残ったり、常在菌のバランスが崩れると逆に病気を引き起こすこともあります。
例えば、味噌の抗菌作用はよくわかっていませんが、味噌造りで大量に使われる塩(12%前後)による浸透圧と水分の少ない環境、味噌の発酵過程に関与する乳酸菌や酵母菌などの抗菌力のある細菌の存在が考えられます。そのため、健康志向で増えている塩分の少ない減塩味噌の場合、従来通りの抗菌作用があるかどうか疑問にもなってきます。
✅ そもそもこのプベルル酸という物質は十分に研究されたことがないらしく、今でもなお不明な点が多いらしいです。
特定されたというのならそれはそれで解決に近づいたということになるのかもしれませんが、
この先またこの物質に新たな性質や見つかるかもしれないし、他に腎毒性のある物質が発見されるかもしれない。
✅ プベルル酸が腎臓疾患の原因でしたか、原因は分かりましたが作用機序とかはこれから調べるんでしょう、今後の事も有りますので対策の為に必要ですね。
プベルル酸を生産するカビも何らかの規制がかけられるんでしょう。
モナコリンKはカビで修飾されたのかな、結構不安定な物質なのかな。