自公の123万円案 国民民主は拒否
✍️記事要約
自民・公明両党は13日、所得税がかかる年収の最低ラインを103万円から123万円に引き上げる案を国民民主党に示した。178万円への引き上げを求めてきた国民民主は自公案を拒否し、週明けに再び協議することになった。
与党は、大半の納税者が対象になる「基礎控除(48万円)」と、会社員などの経費にあたる「給与所得控除の最低保障額(55万円)」を、10万円ずつ引き上げる案を示した。自民の宮沢洋一税制調査会長は、ここ30年間で生活必需品の物価がおおむね2割上がったことを念頭に決めたと説明。来年1月の所得から適用し、年末調整で減税分を還付することも提案した。
これに対し、国民民主の古川元久税調会長は協議後、記者団に「(ゴルフに例えると)グリーンも全然見えないような距離しか飛んでない」と、与党案を拒否したことを明かした。
3党は週明けの17日にも再び協議に臨む。自民税調幹部は「提示した数字が低すぎるということだから、こちらとしても何ができるか考える」と語った。
税制に詳しい大和総研の是枝俊悟主任研究員の試算によると、今回の与党案の場合、所得税の減収は5千億円程度になる。是枝氏は「物価上昇への対応としては、妥当な提案だ」とみる。
■英訳
The ruling Liberal Democratic Party (LDP) and Komeito proposed raising the minimum annual income threshold for income tax from ¥1.03 million to ¥1.23 million during talks with the Democratic Party for the People (DPP) on December 13. The DPP, which had been advocating for an increase to ¥1.78 million, rejected the proposal, and the parties agreed to resume discussions early next week.
The ruling coalition’s proposal includes increasing the “basic deduction” (currently ¥480,000) and the minimum deductible amount for employment income (currently ¥550,000) by ¥100,000 each. Yoichi Miyazawa, chair of the LDP’s Tax System Research Commission, explained that the decision was based on a roughly 20% rise in the cost of essential goods over the past 30 years. The plan also suggests applying the changes to income earned from January 2024, with tax refunds reflecting the reductions provided through year-end adjustments.
After the discussions, DPP tax chief Motohisa Furukawa told reporters the proposal fell far short of expectations, comparing it to a golf shot that “doesn’t even reach the green.”
The three parties are set to meet again on December 17. A senior member of the LDP’s tax commission acknowledged the criticism, saying, “The figures we proposed are considered too low, so we’ll reflect on what adjustments can be made.”
Shungo Koreeda, a senior researcher at Daiwa Institute of Research, estimates that the ruling coalition’s proposal would result in an income tax revenue reduction of approximately ¥500 billion. He described the proposal as a reasonable response to rising prices.
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☘️ヤフコメ❗️ピックアップ☘️
ただ、103万円の壁が決まった95年当時からの(生活必需品の)物価上昇率を基準にして、それと同じ率で所得税の基礎控除額を引き上げても国民の実質的な購買力の向上は実現しない。
物価の伸び率が賃金の伸びを上回る状況では、物価の伸び率を大きく上回る引き上げ幅にしなければ、多くの国民は減税を実感することはできず、減税分は消費に回りづらくなる。
壁の引き上げによる減税は恒久的なものなので、減税幅が大きいほど減税した分の所得は消費に向かいやすくなる。たとえ当初の税収ロスが大きくなっても、その分は経済成長率の加速によってすぐに解消するはずた。
✅ 最初からグリーンが見えたらハラハラドキドキになりませんから、交渉事というのはこんなものだろうと思います。最終的にボールがカップに入るかどうかは分かりませんが、グリーンに乗るか、グリーン周りまで行くか、国民も国民民主党の要求額まで到達するとは思っていないのでは。補正予算が参議院で成立すればもっと景色がはっきり見えてくると思います。
✅ 30年前の最低賃金は611円でした。
その611円で平均的な時間働けば、年収はちょうど103万円。最低日給 611円×7時間=4277円(9~17時まで1時間昼休みで働くと7時間)
最低月給 4277円×20日=85540円
最低年収 85540円×12ヶ月=約103万円
年収103万円の壁を178万円に引き上げるべき理由は、最低賃金の上昇を反映させる必要があるためです。103万円の壁は、30年前の最低賃金611円を基準に設定され、最低賃金で働く人々の「健康で文化的な生活」を守ることを目的としていました。しかし、現在の最低賃金は1055円と73%増加しており、103万円では現在の基準で「健康で文化的な生活」を維持することは困難です。よって、最低賃金基準に基づき、年収の壁を178万円に設定することが合理的です。