節電を 発電燃料不足の恐れも［2021.1.12］

全国的に厳しい寒さが続く中、暖房などの電力需要が増え、需給が逼迫（ひっぱく）している。大手電力会社でつくる電気事業連合会は12日、改めて節電への協力を呼びかけた。
大手電力各社によると、12日の全国のピーク時の電力使用率は、91～99％を記録し、余力として最低限必要とされる3％を切ったエリアもあった。
　全国の電力需給を調整している国の認可法人「電力広域的運営推進機関」の担当者は「15年の組織発足以来、ここまで大規模かつ継続的に指示を出すのは初めて」という。電事連や電力各社はホームページなどを通じて「需給見通しは非常に厳しい。日常生活に支障のない範囲で、照明や電気機器の使用を控えて」と呼びかけている。
　全国的な悪天候で太陽光発電の発電量が低下していることも需給逼迫に拍車をかけている。発電した電気を電力各社に販売するJパワー（電源開発）は、石炭を砕く設備が故障して運転停止中の松島火力発電所2号機（長崎県西海市）を重油で緊急稼働させる準備を始めた。「石炭を使わず重油だけで動かすのは異例だが、緊急事態なので対応する」（同社）という。
　需要急増を受けて火力発電のフル稼働が続いているため、発電燃料の液化天然ガス（LNG）などが不足する恐れも出ている。新型コロナウイルス感染拡大の影響でLNGを運ぶタンカーの運航に遅れが生じていることもあり、電事連は8日までに石油連盟や日本ガス協会に燃料の融通を要請するなど、燃料確保を急いでいる。
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★Wikipedia【需給】